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京都市東山区にある南座の顔見世興行は江戸時代から続く、年の瀬恒例の催しで、ことしは市川海老蔵改め、十三代目市川團十郎さんの襲名披露公演にもなっています。

顔見世興行を前に26日朝、團十郎さんと長女の四代目市川ぼたんさん、それに長男の八代目市川新之助さんが南座の近くにある八坂神社をそろって訪れ、舞台の成功を祈願しました。

このあと、南座で、出演する歌舞伎俳優などの名前が書かれた看板およそ70枚を劇場の正面に掲げる「まねき上げ」が行われ、作業員が足場に登って、最後の1枚として團十郎さんの看板を設置しました。

看板は長さおよそ1メートル80センチ、幅およそ30センチで、太く丸みを帯びた「勘亭流」という独特の書体が使われていて、集まったファンなどが写真に収めていました。

團十郎さんは「今回の顔見世は歌舞伎界にとっても華やかな興行なので、家族や友人を連れて見に来てもらえれば」と話していました。

南座の顔見世興行は12月1日から24日まで行われます。

鮫島 いかなる政党や団体からも支援を受けず、無所属という立場で選挙を勝ち抜いてきた首長にとって、最初に巨大な壁となって立ちはだかるのが議会と役所。有権者に応援してもらって当選した首長は、そこでいきなり一人も味方のいない檻の中に放り込まれることになります。

泉 その通りです。

鮫島 これは改革派・市民派の首長にとって避けては通れない関門で、当選はしたけれど、手練手管を尽くして近付いてくる猛獣だらけの議会や役所に取り込まれてしまい、とくに目立った実績も残せず任期を終えてしまう、という首長も実際山ほどいます。

ここのところは、なかなか一般の人が理解しにくいところで、「市長なんだから何でもできるじゃないか」と思うかもしれませんが、予算案だって条例だって、全て議会の承認がなければ通らない。つまり、議会という難敵をどういなすかが、その首長が公約で掲げた政策を実行に移せるか、改革を断行できるかどうかの最大のポイントになってくる。本章では、泉さんの宿敵でもあった議会について、じっくり聞かせてもらいます。

泉 就任した当初は市議会のリアルに愕然としました。「こういう世界がホンマにあるんか」と。予想はしていたけれど、予想をはるかに上回る理不尽さ、不合理さでした。議会には、よくわからない暗黙のルールがたくさんある。さすがの私も最初は面食らいました。

市長が任命する監査委員だって、明石市では議会が勝手に決めている状況でした。ビックリして「なんで市長に人事権があるのに、議会が勝手に決めるの?」と聞くと、「長年の慣習です」だって。就任1週間くらいで、いきなり蹴ってやりましたよ。「そんなのおかしい」「私が決めることやから」と言って。

さすがに初っ端だったので、すぐに手打ちはしましたけど、それ以降はなぜその人物を任命したのか理由を書かせることにしました。その人が監査委員に適任か確認させてもらって、適任だと判断した上で私が決める。議会が言ったから従うのではなくて、理由があって市長が選んだ形に変更しました。

それから、議会や役所と市長のパイプ役になるのが副市長なんです。副市長が、何度も私のところに相談に来るわけですが、ぶっちゃけ、「口利き」とか「忖度」に関する報告も結構ありました。

私は初期段階では頑なに拒んでいたんですけど、議会が反対ばかりで持たなくなってくると、応じるケースも正直言ってありました。

ただ、たとえば2択の選択肢があって、「こちらに決めてください」という働きかけがあった場合、「逆転させるのだけはやめてくれ」と、そこは強くお願いした。同じ点数で横並びのときに、どちらでも変わらない状況であれば、そこはセーフだけど。明らかに劣勢のほうを、忖度によって選ぶことだけはやめてくれと。市民への裏切り行為になるようなことだけはやめてくれと、そこは口酸っぱく言いました。

まあ、市議会ってそういうところなんです。あまり、世の中の人に知られてない部分だと思いますけどね。

鮫島 この時代でも、地方の市議会ってそんな感じですか。口利きってどういうこと?

泉 「議員の知り合いを役所で雇ってくれ」とか、「この業者を使ってくれ」とか、そういうお願いです。

泉 とある議員なんて、自分の支持者が保険料を滞納した際に、その人に市から滞納請求が届いたと言って激怒してきた。税金を滞納して開き直っている人はいっぱいいますけど、仲のいい市議会議員に頼んだら、保険料やら税金を滞納しても払わないでいい状況が明石市では続いていたのです。議員が市に働きかけて、請求を止めていた。

他にも、市営住宅に住んでいる人が家賃を滞納しても、議員に頼んだら請求されずに放置されていたり。ホンマにびっくりする世界でした。

私が市長になり、議員のメンツなんてお構いなしに滞納請求しまくっていたら、あらゆる方面から激怒されました。「俺の顔が潰れた」言うて。

私は、本当にお金がなくて困ってるのなら別の方法で救済するし、お金があるなら「その人間に払わせろ」と言いました。当たり前の話でしょ。明石市役所には、弁護士職員が10人いて、やっかいごとに関しては訴訟辞さずで臨みましたから、びっくりするぐらい徴収率が上がりました。いまでは市営住宅の家賃滞納もほぼなくなっています。

明石は田舎ですから、都会とはまったく状況が違います。市役所に就職するのに、「市議会議員の口利きがないと入られへん」といまだに思っていたりする。

私が市長になってから、少なくとも私の目が及ぶ範囲では公正にやったけど、裏では何が起きてるかわからない。

もちろん議員の全員とは言いません。しかし残念ながら、そういうことをしていると思われる議員は現に存在するんです。

泉 残念ながら、日本の地方自治において、議会は機能が低下していると言わざるをえません。あまり問題とされることがありませんけどね。

かつての市民と遠い距離に市長がいた時代や、バラ撒き政策の時代には、議会が機能しやすいこともありました。遠い存在である市長や役所には言いにくいけど、投票してる地元の議員さんを通して市民が要望を伝える。議員がパイプ役を果たしていました。

それが機能したのは、高度経済成長期で地方自治体の予算が右肩上がりの時代です。そんな時代には、予算の分捕り合いになるんですよ。悪い意味ではなくて、行政として気付きにくいことを議員が「大事なテーマがありますよ」と気付かせてくれるケースもありました。つまり、右肩上がりの分配型政治の時には議会は一定の機能を果たしていたし、まだ情報公開が進んでおらず行政がブラックボックスだと思われていた時は、市民が市議会議員を頼ることも多かった。

でも、いまは両方が様変わりしています。

#泉房穂「市議会のリアルに愕然とした」

泉 「どうして議会対策をしてこなかったのか?」については、橋下徹くんにも言われました。引退を表明した直後に電話がかかってきてね。もっと早く議会対策しておけばよかったのに、と。

この12年間、がんばってきたけど反省点もいっぱいあります。議会対策は大きな反省の一つ。「市長にさえなれば何とかなる」という思いが強すぎて、議会とは最初から最後まで衝突し続けてしまった。人生をもう一回やり直せるのであれば、最初から議会対策を講じたと思います。議会に対する自分の認識も変化してきていて、だからこそ遅まきながら、議会の問題に取り組み始めたわけです。

なぜ私が市長になる道を選んだかというと、市民から直接選ばれる自治体の首長は、かなりの権限が認められているからです。わかりやすくいうと、総理大臣ではなく、むしろ大統領に近い。与えられた権限を市長が正しく行使することで、ドラスティックに市政を変え、市民に幸せをもたらすことができる。思い切って革新的な施策を打ち出せると考え、明石市長に目標を設定し、市長を務めてきました。

決して議会を軽視していたわけではありません。しかし議会が反対しても、最終的には市長に決定権が委ねられていると考えていました。

鮫島 「専決処分」ですね。実際、2021年8月、全市民への5000円分のサポート利用券配布を巡って議会と対立し、臨時市議会で継続審議が決まったけど、閉会直後に泉さんが専決処分で実施に踏み切った。まさに、泉さんのおっしゃる、議会制度を超越した市長の権限を行使する形になりました。

鮫島 市民のほうを向き続けるのは、やはりそれほど難しい?

泉 原因は全部同じで、不安なんです。本当はそのままで十分できるのに、当選したらすぐに不安がってしまって、市長が議会と和解したがる。その弱気によって、せっかく当選したのに、自分のやりたい政策が進められなくなってしまう。

せっかく市民に応援されて市長になったのに、ちょっと圧力をかけられたらすぐに屈してしまう。覚悟が足りないと言ったらそれまでですが、キーは副市長でしょうね。よくあるパターンは、副市長が「あなたのためです。市長の将来を考えると、ここは大人になって」とか「ここは我慢して」と、持ちかけてくる。

#泉房穂「キーは副市長」

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