鳥もも塩焼きカレー
「ごんべえ」
「カフェゴトー」
或る日、横町の横町を歩いていたら白い木蓮に似た花が咲いていて、その下の歩道のベンチで老人が一人眼鏡を掛けて新聞を読んでいた。これがマグノリアと云う奴かもしれない、と思ったが自信は無い。失礼だが、この花の名前は何と云うのか? と訪ねたら老人は眼鏡を外すと顔を挙げて黄色い声で、
ーマグノリア。
と云った。それから、眼鏡を持った手で少し先方に見える多少赤味がかった白い花を指して、
ーあれはクラブ・アップルだ。
と教えて呉れた。
淡々とした力みのない文章である。こういう文章は書けそうで書けないものである。対象との距離感が絶妙なのだ。達人の文章である。
#食事#おやつ