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内閣府が15日発表した2023年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期比0.1%減と、2四半期連続でマイナスとなった。年率換算では0.4%減。個人消費や設備投資など、内需が低迷した。

ロイターがまとめた民間調査機関16社の10─12月期の予測中央値は前期比0.3%増、年率換算で1.4%のプラスで、結果は予想外のマイナスとなった。

23年暦年の実質GDPは1.9%で、3年連続のプラスだった。名目GDPは591兆円で、ドイツを下回った。

GDPの過半を占める個人消費は前期比0.2%減。内閣府によると、暖冬の影響で季節商品の衣服の販売が不振だった。外食や食料品なども押し下げ、3四半期連続でマイナスとなった。

個人消費とともに内需の柱となる企業の設備投資も、同0.1%減となった。3四半期連続マイナス。企業からは強い投資意欲が示されているが、人手不足などの供給制約が影響した可能性がある。

民間住宅は1.0%減、公共投資は0.7%減で、ともに2四半期連続のマイナスとなった。

財貨・サービスの輸出は2.6%増と3四半期連続プラス。医療メーカーの提携による産業財産権等使用料の大口受取が一時的な押し上げ要因となったもようで、10─12月期のGDPは「見た目以上に弱い結果だ。けん引役不在のなか、日本経済は停滞感の強い状況が続いている」(第一生命経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミスト)との指摘が出ている。

国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比3.8%上昇。7ー9月期の5.2%上昇から上昇幅は縮小した。

内閣府は、23年度実質GDP成長率実績見込み(1.6%)を実現するには、24年1─3月期に前期比年率5.0%程度(前期比1.23%程度)の伸びが必要としている。

<金融政策、新藤経済財政相「具体的手法は日銀に」>
日本銀行がマイナス金利解除を含めた金融政策の正常化を模索する中、10─12月期GDPは弱い内容となったが、「春闘の結果が期待外れの結果にならなければ、既定路線通りに3月か4月にマイナス金利解除に踏み切るだろう」(大和証券の末広徹チーフエコノミスト)との見方が出ている。

一方、クレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは「ファンダメンタルズからは、物価目標達成の確度は上がるより、下がるリスクが出てきている」との見方を示し、「金融政策の正常化の議論ばかりが春闘一本足打法で前のめりに進んでいることに対して、政府と自民党から経済政策の基本方針と整合的な金融政策運営を求める圧力が高まる可能性がある」と指摘する。

新藤義孝経済財政相は会見で、日銀の金融政策は個人消費や先行きリスクを含め総合判断され、その具体的手法は日銀に委ねられる、との見解を示した。そのうえで「政府としては密接な連携のなかで賃金上昇を伴う物価目標の達成に向け適切な金融政策運営を期待する」と述べた。

日本の去年1年間の名目のGDP国内総生産は、ドル換算でドイツに抜かれて世界4位になりました。

長年にわたる低成長やデフレに加えて、外国為替相場で円安が進みドルに換算した際の規模が目減りしたことも影響しました。

内閣府によりますと、日本の去年1年間の名目GDPは、平均為替レートでドルに換算すると4兆2106億ドルでした。

一方、ドイツの去年1年間のGDPは、4兆4561億ドルと日本を上回りました。

日本の経済規模は、1968年にGNP=国民総生産で当時の西ドイツを上回って世界2位となりました。

その後、2010年にGDPで中国に抜かれ、世界3位が続いていましたが、去年、人口がほぼ3分の2のドイツに逆転され、4位となりました。

日本では1990年代にバブル経済が崩壊して以降、長年にわたって低成長やデフレが続き、個人消費や企業の投資が抑えられてきました。

また、円安ドル高の影響で、日本のGDPをドルに換算すると目減りすることや日本に比べて物価上昇率が高いドイツは名目のGDPの伸びがより高くなることも影響しました。

去年10月~12月のGDP 年率-0.4% 2期連続でマイナス
去年10月から12月までのGDP国内総生産は、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率換算でマイナス0.4%と2期連続でマイナスとなりました。

物価高の影響で食料品などの購入が減ったほか、サービス業も振るいませんでした。

内閣府が15日発表した去年10月から12月までのGDPの速報値は、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてマイナス0.1%となりました。

これが1年間続いた場合の年率に換算するとマイナス0.4%となり、2期連続のマイナスです。
個人消費 前の3か月と比べてマイナス0.2%
伸び率がマイナスとなった主な要因は「個人消費」で、前の3か月と比べてマイナス0.2%でした。

物価高の影響で食料品の購入が減ったほか、冬物の衣料の販売も落ち込みました。

外食や旅行など、サービス消費も減少しました。

また、企業の「設備投資」がマイナス0.1%。「住宅投資」もマイナス1.0%でした。

輸出 前の3か月と比べて2.6%プラス
一方、「輸出」は前の3か月と比べて2.6%のプラスでした。

統計上「輸出」に含まれる外国人旅行者による国内での消費、いわゆるインバウンド需要が増えたほか、多額の特許料が海外から支払われたことも輸出の伸びを押し上げました。

合わせて、去年1年間のGDPも公表され、実質の伸び率はプラス1.9%と3年連続でプラスとなりました。

また、物価の上昇を加味した名目はプラス5.7%と、1991年のプラス6.5%以来の高い水準となりました。

新藤経済再生相「賃金上昇が物価上昇に追いついていない」
去年10月から12月までのGDP国内総生産の伸び率が2期連続のマイナスとなったことについて、新藤経済再生担当大臣は記者会見で「賃金の上昇が物価上昇に追いついていない中で個人消費が力強さを欠いている。設備投資は計画は非常に前向きで積極的だが実現に時間がかかっている。こうした状況を改善し、後押しするための経済対策の効果ができるだけ早く経済に反映できるよう努力をしていきたい」と述べました。

また、去年1年間の名目のGDPがドル換算でドイツに抜かれたことについて、新藤大臣は「日本がさらなる構造改革を行い新しく経済成長できるステージを一刻も早く作らなければいけない。世界の国々は物価が上がり、それに見合う賃金の上昇で経済を成長させていくことを実現している。私たちもまさに今その転換点にある」と述べました。

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ドイツのリントナー財務相は12日、同国は欧州の病者ではないが、競争力強化のため構造改革が必要な不健康状態にあるとの見方を示した。