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アメリカの先月の消費者物価指数が12日に発表され、前の年の同じ月と比べて3.2%の上昇となりました。上昇率は2か月ぶりに前の月を上回りました。3.1%程度を見込んでいた市場予想もわずかに上回りました。

項目別では、いずれも前の年の同じ月と比べて、
▽ガソリン価格が3.9%
▽中古車の価格が1.8%、それぞれ下落した一方、

▽輸送費が9.9%
▽住居費が5.7%
▽外食が4.5%、それぞれ上昇しました。

また、変動の大きい食品やエネルギーを除いた物価指数は前の年の同じ月と比べて3.8%の上昇で、上昇率はこちらも市場予想をわずかに上回りました。

市場ではFRB連邦準備制度理事会がいつ利下げに踏み切るかが注目されています。

FRBのパウエル議長は7日、アメリカ議会上院で「物価上昇率が持続的に2%になると確信できるまで遠くない」と発言しました。

FRBが今月19日から開く金融政策を決める会合では金利を据え置くとの予測が市場では90%を超えていますが、次の5月、もしくは6月の会合で利下げに踏み切るのではないかとの見方が広がっています。

来週の会合終了後の記者会見で、パウエル議長が今後の利下げ時期についてどのような発言をするかが焦点となります。

米国の物価上昇率は、米連邦準備理事会(FRB) のパウエル議長に協力的ではないようだ。12日に発表された2月の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は3.2%と、エコノミスト予想をやや上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIの上昇率は3.8%。いずれにしてもパウエル氏が物価上昇率を短期間で目標とする2%に収める機会は失われ、この先の政策金利の道筋は複雑さを帯びてきている。

物価上昇率の目標は恣意的な側面がある。物価情勢が非常に落ち着いていた2020年にパウエル氏は、あえて政策運営の枠組みを修正し、時間をかけて物価上昇率を平均的に2%にしていくことを目指す方針を決定。それでもそこからずっとこの路線を守り、23年5月には物価上昇率が一時的に3%となっても、枠組みを撤廃しないと表明した。これはつまり、FRBとしては物価上昇率が2%へと確実に向かう軌道になるまで、利下げも控えるとの考えを示唆していた。ところが23年末に物価上昇率が3%前後になった時点で、パウエル氏は筋が通らないことを言い出した。利下げの計画を話題にしたからだ。

ただ今のところ利下げは実現しそうにない。ニューヨーク連銀の直近の調査によると、消費者が予想する向こう5年の物価上昇率はなお2.9%と、従来の想定から切り上がった。ここでパウエル氏は自縄自縛に陥っている。物価上昇率が下振れるまで待ってから利下げして市場の期待に冷や水を浴びせるか、先に動いて目標達成を逃してしまうか、どちらかを選ばなければならないからだ。チャンスがあった時点で物価に関する「ゴールポスト」自体を移動させた方が、より適切な選択肢だったのかもしれない。