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Recent indicators suggest that economic activity has continued to expand at a solid pace. Job gains have remained strong, and the unemployment rate has remained low. Inflation has eased over the past year but remains elevated. In recent months, there has been a lack of further progress toward the Committee's 2 percent inflation objective.

The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run. The Committee judges that the risks to achieving its employment and inflation goals have moved toward better balance over the past year. The economic outlook is uncertain, and the Committee remains highly attentive to inflation risks.

In support of its goals, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 5-1/4 to 5-1/2 percent. In considering any adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will carefully assess incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks. The Committee does not expect it will be appropriate to reduce the target range until it has gained greater confidence that inflation is moving sustainably toward 2 percent. In addition, the Committee will continue reducing its holdings of Treasury securities and agency debt and agency mortgage‑backed securities. Beginning in June, the Committee will slow the pace of decline of its securities holdings by reducing the monthly redemption cap on Treasury securities from $60 billion to $25 billion. The Committee will maintain the monthly redemption cap on agency debt and agency mortgage‑backed securities at $35 billion and will reinvest any principal payments in excess of this cap into Treasury securities. The Committee is strongly committed to returning inflation to its 2 percent objective.

In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.

Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Thomas I. Barkin; Michael S. Barr; Raphael W. Bostic; Michelle W. Bowman; Lisa D. Cook; Mary C. Daly; Philip N. Jefferson; Adriana D. Kugler; Loretta J. Mester; and Christopher J. Waller.

最近の指標は、経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している。雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は依然低い。インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている。ここ数カ月間、委員会の2%のインフレ目標に向けてのさらなる進展はみられない。

委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクのバランスがこの1年で改善に向かっていると判断する。経済の見通しは不確実で、委員会はインフレのリスクを引き続き大いに注視している。

目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを5.25─5.50%に維持することを決定した。FF金利の目標誘導レンジのあらゆる調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する。

委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、目標誘導レンジの引き下げが適切になるとは予想していない。さらに、委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける。委員会は6月以降、米国債の毎月の償還上限を600億ドルから250億ドルへ引き下げることで保有証券の減少ペースを鈍化させる。委員会はエージェンシーローン担保証券の毎月の償還上限を350億ドルに維持し、この上限を超える元本支払いを米国債に再投資する。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む。

金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する。もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する。

政策決定の投票で賛成したのは、ジェローム・パウエル委員長、ジョン・ウィリアムズ副委員長、トーマス・バーキン、マイケル・バー、ラファエル・ボスティック、ミシェル・ボウマン、リサ・クック、メアリー・デイリー、フィリップ・ジェファーソン、アドリアナ・クーグラー、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラーの各委員。

米連邦準備理事会(FRB)は4月30日─5月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、金利据え置きを決定した。最終的には利下げに傾いているとの姿勢を引き続き示したものの、このところの予想外に強いインフレ指標に警戒感を示し、利下げが遠のく可能性を示唆した。

パウエル議長は利下げ開始に必要な「より大きな自信」を得るには、これまで予想されていたよりも時間がかかる可能性が高いとの見方を示し、年内利下げ開始に不透明感が残った。

利上げの公算は依然として小さいとしたが、金利据え置きが長期化する可能性を示唆した。

現在の政策金利水準について、インフレを抑制するため経済活動を十分に下押ししていると引き続き考えているとし、インフレ鈍化が明確になるまで必要な限り待つ用意があると述べた。

FRBフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置くと全会一致で決定。政策金利は昨年7月以降、この水準に据え置かれている。

パウエル議長は記者会見で「インフレは依然として高すぎる」とし、「インフレ低下に向けたさらなる進展は保証されておらず、先行きは不透明」と指摘。「より大きな自信を得るには予想よりも時間がかかりそうだ」と述べた。

インフレ率は年内に低下すると引き続き見込んでいるとしたが、「以前より確信は低下した」とも語った。
また「インフレが予想以上に持続し、労働市場が堅調を維持しながらもインフレが横ばいで推移し、確信が高まらないような状況になれば、利下げを見送るのが適切なケースとなるだろう」とし、「利下げしない道と、利下げする道がある。データ次第だ」と述べた。

現在の経済状況を巡る不透明感にもかかわらず、パウエル議長が利上げの可能性は低いとしたことは市場に安心感をもたらした。
同議長の会見中に米国株は切り返し、米債利回りは低下。エバーコアISIのアナリストは議長の発言について「多くの人が懸念していたほどタカ派的ではなかった」とし、「基本的なメッセージは利下げ先送りで、利下げ中止ではないということだ」と述べた。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では9月利下げ開始との見方が強まった。

<インフレ鈍化「進展ない」>

声明では、過去1年間で「インフレ率は緩和したが、依然高止まりしている」とし、経済評価と政策指針の主要な点を維持。「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、目標誘導レンジの引き下げが適切になるとは予想していない」とした。

同時に「ここ数カ月間、2%のインフレ目標に向けてのさらなる進展は見られない」とも指摘した。

アナリストは、FRBが最初の利下げに踏み切ると示唆するには「インフレ率が依然高止まりしている」との文言が声明から削除される必要があるとの見方を示している。

<バランスシート縮小ペース減速へ>

FRBはまた、バランスシートの縮小ペースを減速させると発表。6月1日から月間で最大600億ドルの米国債の縮小ペースを250億ドルに引き下げる。一方、住宅ローン担保証券MBS)の縮小ペースは月間350億ドルで維持する。[nL6N3H40BE]

パウエル議長は会見で、縮小ペースを減速させることにより、前回のバランスシート縮小時に見られた市場混乱のリスクを軽減することが可能と改めて指摘。縮小ペースの減速でバランスシートの最終的な規模に「より緩やかに」到達できるとした。

FRBは景気の現状について「経済活動は引き続き堅調なペースで拡大し、雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は依然低い」と全体的な評価を維持した。

第1・四半期国内総生産(GDP)が1.6%増と比較的弱かったことについてパウエル議長は、国内民間需要の3.1%増加の方が景気の現状を適切に反映しているとした。

米経済がスタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)に陥るリスクを問われると、現在はインフレ率が一時10%を超え、失業率も高水準だった1970年代終盤とは状況が大きく異なると指摘。

「現在は成長がかなり底堅く、インフレ率も3%を下回っている」とし、「『スタグ』も『フレーション』も見られない」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)は1日、バランスシートの縮小ペースを減速させると発表した。

6月1日から月間で最大600億ドルの米国債の縮小ペースを250億ドルに引き下げる。一方、住宅ローン担保証券MBS)の縮小ペースは月間350億ドルで維持する。

縮小ペースの減速は市場で広く予想されていたが、今回のFOMCで発表されるのか6月のFOMCで発表されるのかに関しては見方が分かれていた。また、市場では米国債の縮小ペースを300億ドルに引き下げるとの見方が大勢だった。

パウエルFRB議長は記者会見で、新たな上限設定によりバランスシート全体の実際の縮小幅は月400億ドル程度になる可能性が高いと説明。特にMBSで上限に達しないことが頻繁にあると示唆した。

キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は、米国債の縮小ペース引き下げについて「予想よりもやや積極的だった」と述べた。

パウエル議長は、縮小ペースを減速させることにより、前回のバランスシート縮小時に見られた市場混乱のリスクを軽減することが可能と改めて指摘。縮小ペースの減速でバランスシートの最終的な規模に「より緩やかに」到達できるとした。

縮小ペースの減速は現時点で市場に大きな影響を及ぼしていないが、エバーコアISIのアナリストは、量的引き締め(QT)の鈍化は「利回りに下押し圧力をかけ、5%に向けて上昇するリスクを軽減するという予期せぬ効果をもたらす」と述べた。

FRBはQT完了後のバランスシート目標をまだ示していない。ニューヨーク連銀が先月発表した報告書によると、流動性に対する市場の需要がQT終盤の主な要素となり、2025年のある時期に終了する可能性が高く、保有残高は6兆─6兆5000億ドルとなる可能性がある。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は1日、11月に控える米大統領選がFRB政策金利決定に影響を与えることはないと述べ、FRB当局者が政治的な配慮をしないという考えを示した。

FRBの政策決定は「経済にとって何が正しいと考えるか」が基準になるとの従来の立場を改めて表明した。連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で語った。

政治的要素を考慮する道を進めば歯止めが利かなくなるとの認識を示し、「われわれは米国民全員の役に立つ道を進み、経済指標、そして指標が今後の見通しやリスクバランスにどのように影響するかに基づき決定を下している」とした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、トランプ前大統領の側近らが大統領選の再選を視野に、FRBの独立性を弱める案を策定していると伝えており、FRBの独立性に再び注目が集まっている。

パウエル氏の前任のイエレン現財務長官は3日に行う講演の要旨を公表し、自身がFRB議長を務めた際にFRBの独立性と透明性を強く主張したと説明。「最近の研究は私の考えと整合的だ。中央銀行の独立性が高まれば、物価の安定性が高まり、これが長期的な成長に大きく寄与することが示されている」と語った。

米連邦準備理事会(FRB)は4月30日─5月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置いた。同時に、このところの予想外に強いインフレ指標に警戒感を示し、経済の均衡化に向けた動きが停滞している可能性を示唆した。

パウエルFRB議長がFOMC後に行った会見の内容は以下の通り。

*雇用とインフレ目標達成に向け、経済は大きく進展している
*インフレ率は過去1年で鎮静化したが、依然として高水準
*インフレ鎮静化にさらなる進展の保証はない
*インフレの継続的な進展は保証されておらず、先行きは不透明
*雇用とインフレ目標達成に向けたリスクは「過去1年間でバランスが改善した」
*ただ、インフレ目標に向けた進展は見られない
*インフレリスクに細心の注意を払う
*民間最終消費支出は昨年後半と同様、堅調に推移
*これは需要にとって重要なシグナルとなる
労働市場は引き続き相対的にタイト
名目賃金の伸びはこの1年で緩やかになった
*労働需要は依然として供給を上回っている
*年初来発表されたインフレ率データは予想より高かったが、長期的なインフレ期待は依然として固定されている
*目標達成に向けたリスクバランスは改善した
*経済見通しは不透明
*インフレ率が2%に戻るとの確信が強まるまで利下げは適切でないだろう
*今年のインフレ指標は、これまでのところそうした確信を与えていない
*より大きな自信を得るには予想よりも時間がかかりそうだ
*金融緩和が早すぎても遅すぎても、多すぎても少なすぎても、どちらもリスクがある
*現在の政策はリスクや不確実性に対処するのに適している
*われわれは会合ごとに意思決定をしていく
*2%のインフレ目標に引き続きコミットしている
政策金利は制約的
*インフレ率を2%に戻すために、長期的には政策は十分に制約的だと考えている
*適切である限り、制約的な政策スタンスを維持すると確約
*次の政策変更が利上げになる可能性は低い
*どれだけ長く制約的な政策を続けるかに焦点を当てている
*利上げにはインフレ率を目標に戻すために政策が十分でないという証拠を確認する必要がある
*われわれの決定は入手されるデータに依存する
*政策は経済が通り得る様々な道筋に対応できる態勢が整っている
*インフレがさらに持続し労働市場が引き続き堅調であれば、利下げを遅らせることが適切となる可能性がある
*しかし利下げにつながる道筋は他にもある。(インフレ低下への)確信が強まり労働市場が予想外に軟化した場合だ
金利がピークかどうかという疑問にはデータが答えてくれるはず
*利下げにはインフレが低下しているとの確信が必要
*今後入手されるインフレデータがその決定の核心となる
*金融情勢の緩和とインフレの関連性は明白ではない
*依然として力強い成長や労働市場、インフレ低下が続く可能性は排除できない
インフレ目標達成には賃金の伸びがより持続可能なレベルまで鈍化することを確認する必要がある
*(年内3回の利下げ予想に関する質問を受け)FRBはインフレに対する確信を強める必要があるが、第1・四半期には進展が見られなかった
*利下げまでにどれくらいの時間がかかるかは分からない
*確信が強まるまでにどれくらいの時間がかかるかは分からない
*インフレに関する確信が得られれば利下げが視野に入る
*予想より悪い3つのインフレ指標からシグナルを受け取る必要がある
*四半期を通じて示された予想を上回るインフレから何らかのシグナルを受け取るべき
*われわれが受け取っているシグナルはインフレ率2%への持続可能な道筋に乗るには時間がかかるということだ
政策金利の変更に十分な確信を得るにはさらに時間がかかる
*財と住宅のインフレは、昨年12月以降予想を上回っている
*インフレ率は今年、再び低下すると予想している
*インフレ率が再び低下するという確信はこれまでより低くなっている
金利が金融政策のアクティブな手段
*バランスシート縮小ペースの減速は、市場の混乱を避けるため
*経済の予測は極めて難しくなっている
*利下げする道もあれば、利下げしない道もあり、経済指標次第となる
*インフレ率が3%を割り込んだことで、(FRBが担う責務のうち)雇用面での目標が再び注目されている
*利下げに値するほどインフレ率が十分に低下するか否かは不明
*インフレ率が3%であることに満足していない
*インフレ率を2%に戻す
*制約的な政策が効果を発揮するには、より多くの時間が必要
*どの程度の時間が必要か、どの程度忍耐強くなる必要があるかは経済指標次第
FRBは決定に当たり政治的なイベントを考慮しない
*(11月の米大統領)選挙はFRBの考慮の一部ではない
*賃金の伸び鈍化について着実な進展が見られるが平坦ではない
*賃金の伸びが生産性の上昇を上回ればインフレ圧力がかかる
*賃金については進展が見られるが一貫性がない
*インフレ率を2%まで低下させるには時間がかかるが達成する
*インフレに関してはかなり進展があった
*制約的な金融政策は本来の目的を果たしている
*まだ道のりは長い、インフレに関してやるべきことが残っている
*需給のひずみ解消と制約的な政策がインフレを抑制、大きな進展があったがまだ道のりは長い
*市場家賃は現在ほとんど上昇していない
*時間はかかるが市場家賃が低水準にとどまればインフレに反映されると確信
*ただ想定以上にかなり時間がかかる見込みで、そのタイミングについては確信が持てない
*利下げを検討している他の国々では米国のような成長が見られない
*利下げ決定に近づくにつれ、われわれは忍耐強く、注意深く、慎重になる
労働市場を混乱させることなく、インフレ率を抑制することは可能
*インフレ率を持続的に低下させながら、堅調な労働市場と経済成長を維持できるような形でFRBのツールを活用していく
*失業率の上昇が有意かつ利下げの検討が適切と示唆するようなより広範なものである場合は対応を検討
*(バーゼルIIIについての質問に対し)FRBバーゼルIIIのプロセスを完了し、その最終目標を達成することにコミットしている

記録的な円安水準が続くなか、円相場に影響を及ぼすアメリカのFRB連邦準備制度理事会の金融政策を決める会合が開かれ、1日、政策金利を据え置くことを決定したと発表しました。FRB金利を据え置くのは6会合連続です。

目次

「2%物価目標に向けた進展みられない」
注目
パウエル議長 会合後の記者会見 詳細
注目
円相場一時153円まで値上がり 政府・日銀の市場介入の見方も
日米金利差 なぜ円安要因に?
FRBの金融政策 これまでの経緯

「2%物価目標に向けた進展みられない」
FRBは今月1日までの2日間、金融政策を決める会合を開きました。

1日に公表された声明では「経済活動は堅調なペースで拡大している。インフレ率はこの1年で和らいでいるが依然として高い水準だ」としたうえで、新たに「この数か月間、2%の物価目標に向けたさらなる進展はみられない」との文言を盛り込みました。

そして会合の結果、政策金利を現在の5.25%から5.5%の幅と、およそ23年ぶりの高い水準のまま据え置くことを決定しました。FRB金利を据え置くのは6会合連続です。

パウエル議長は会合後の記者会見で「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信が得られるまでは、利下げをすることは適切でないと考えている。ことしに入ってからのデータからは確信が得られていない。確信を得るには、以前の予想よりも時間がかかると思われる」と述べ、早期の利下げに慎重な姿勢を見せました。

一方、インフレの抑制に向けて国債などの金融資産の保有を減らしていく「量的引き締め」については、6月以降縮小のペースを減速させることを決めました。国債保有を減らす上限を月に600億ドルから250億ドルに引き下げるとしています。

注目
パウエル議長 会合後の記者会見 詳細
「確信には以前の予想より時間かかる」

会合後の記者会見でFRBのパウエル議長は、「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信が得られるまでは利下げをすることは適切でないと考えている。ことしに入ってからデータからは確信が得られていない。インフレ率は予想を上回っている。確信を得るには、以前の予想よりも時間がかかると思われる」と述べ、利下げに慎重な姿勢を見せました。

「確信持てない場合、利下げ見送ることが適切」

今後考えられる金利政策のシナリオについて、「もしインフレが予想以上に持続し、雇用が堅調を維持していたとする。(インフレ低下の)大きな確信も持てない。このような場合、利下げを見送ることが適切となるだろう」と述べました。

「次に利上げの可能性は低い」

「今の政策は十分金融引き締め的だと思う。それは今後、データが示してくれるだろう。次に政策金利が引き上げられる可能性は低いと考えている」

「第1四半期には(インフレ低下の)進展みられず」

また記者から、もう5月なのに、ことし中に3回利下げを行う余裕はあるのかと問われたのに対して、「もっと確信が必要だということだ。会合参加者と私がきょう言ったのは第1四半期には(インフレ低下の)進展がみられなかったということだ。確信に達するまでにはまだ時間がかかりそうだ。確信が得られたら利下げが視野に入ってくるが、それが正確にいつかは分からない」と述べました。

「利上げには説得力のある証拠が必要」

利上げに踏み切る条件については、「そのために何が必要か?インフレ率を2%まで引き下げるためのわれわれの政策が十分金融引き締め的でないという説得力のある証拠が必要だ。その質問に答えるためにはデータを総合的に見ることになる」と述べ、利上げの可能性は低いとの認識を示しました。

スタグフレーションにはならない」

アメリカ経済の現状については、「今は3%の経済成長があり、どの指標から見てもかなり堅実な成長だと言える。今後、インフレ率も2%に戻り、スタグフレーションにはならないだろう」と述べ、物価上昇と景気後退が同時に進む、いわゆる「スタグフレーション」には陥らないとの見方を示しました。

注目
円相場一時153円まで値上がり 政府・日銀の市場介入の見方も

1日のニューヨーク外国為替市場では、FRB連邦準備制度理事会のパウエル議長の記者会見のあと、円高方向に大きく振れ、円相場は一時、1ドル=153円ちょうどまで4円以上、値上がりしました。

市場では日本政府・日銀がドル売り円買いの市場介入を行ったのではないかとの見方が出ています。

1日のニューヨーク外国為替市場ではFRBのパウエル議長が金融政策を決める会合のあとの記者会見で「次に政策金利が引き上げられる可能性は低いと考えている」などとと述べたことを受けて、FRBがインフレを抑え込むためにさらなる利上げを行うことへの警戒感が和らぎました。

このため、日米の金利差が当面、拡大しないという見方から、円を買ってドルを売る動きが出て、会見の最中に円相場は一時、1ドル=157円台前半まで値上がりしました。

パウエル議長の会見のあと、円相場は一時、1ドル=157円台半ばまでやや値下がりしましたが、日本時間のきょう午前5時すぎには一転して円高方向に大きく振れ、1ドル=153円ちょうどまで4円以上、値上がりしました。円相場はその後も荒い値動きとなっています。

市場では、日本政府・日銀がドル売り円買いの市場介入を行ったのではないかとの見方が出ています。

市場関係者は「パウエル議長の記者会見の後というタイミングで円高が急速に進み、多くの投資家が不意をつかれた形となった」と話しています。

このほか、ニューヨーク株式市場はパウエル議長の発言を受けて買い注文が増え、ダウ平均株価は前日に比べて一時、500ドルを超える大幅な値上がりとなりました。しかし、その後は、パウエル議長が利下げには慎重な姿勢を見せたことなども背景に値上がり幅が縮小し、終値は前日に比べて87ドル37セント高い3万7903ドル29セントでした。

為替の動き 神田財務官「ノーコメント」
為替の動きについて、現時点で財務省など日本の通貨当局からの正式な発表はありません。

外国為替市場で円相場が一時、1ドル=153円ちょうどまで値上がりしたことについて、財務省の神田財務官は「ノーコメントだ」と述べました。

為替トレーダー “市場介入の可能性高い”
外国為替市場で急激に円高が進んだことについて為替のトレーダーからは市場介入の可能性が高いという声が上がっています。

このうち首都ワシントンに拠点を置く「マネックスUSA」の為替トレーダー、ヘレン・ギブン氏はNHKのインタビューに対し、「市場介入について議論するときトレーダーが着目するのは2円以上の振れ幅で、今回はその基準値を大幅に超えている。率直にいって今回の市場介入とみられる動きは賢明なタイミングだったと思う。ヨーロッパとメキシコの市場が休場であり、FRBがどちらかというとハト派的(金融緩和的)なスタンスだったため、大きな影響を与えるだろう」と述べ、市場介入が事実とすればいいタイミングだったとの見方を示しました。

一方で「日本経済の基礎的な条件は依然として弱く、GDPの成長率はとても強いわけでもない。日銀は少なくとも秋までは利上げはしないだろうし、その場合でも日米の金利差はかなり開いたままだろう」と述べました。

そのうえで仮に市場介入があった場合の効果について「短期的には一定程度の効果はあるものの、今から1年後に円安が止まるとは必ずしも思わない」と述べ、金利差が開いた状況では円安の流れを止めることは難しいとの認識を示しました。

また今後のFRBの金融政策については「パウエル議長はインフレに注目していると発言したがインフレ率が再び上昇しているとは認めようとはしなかった」と述べFRBが年内に2回の利下げを行うだろうとの見通しを示しました。

日米金利差 なぜ円安要因に?
なぜ日米で金利差があると円安になるのでしょうか。

基本的にお金は金利の低いところから高いところに流れる性質があります。高い金利で資産を運用したほうが利益が見込めるからです。

例えば金利5%の債券に1万円投資すれば、1年間で500円を受け取ることができます。金利1%の債券だったら100円しか受け取れません。

アメリカ・FRB政策金利は5.25%から5.5%。日銀はマイナス金利を解除しましたが、政策金利は0%から0.1%です。投資家は金利が高いドルに投資したほうが多くの利益が得られると考え、円を売ってドルを買う動きにつながるのです。

さらにFRBは去年12月の会合で会合参加者の政策金利の見通しを示し、ことし、年3回の利下げが想定される内容を明らかにしました。

アメリカが利下げに踏み切れば日米の金利差は縮むことになりますが、このところインフレの根強さを示す経済指標が相次ぎ、市場では利下げに踏み切る時期が遅れ、回数も減るのではとの観測が強まっています。

金利差は縮まらないとの見方から、円安圧力が続いているのです。

FRBの金融政策 これまでの経緯
FRBが利上げを開始したのはおととし3月。それまでのゼロ金利政策を解除して、金融引き締めへと転換します。

金融引き締めによって景気を冷やすことで、インフレを抑えこむねらいでした。

しかし、その後もインフレに収束の兆しは見えず、おととし6月の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて9.1%の上昇と、およそ40年ぶりの記録的な水準となりました。このためFRBは、おととし6月から11月の会合まで4回連続で0.75%という大幅な利上げに踏み切りました。

これまでの急速な利上げの影響を受けて、去年3月から5月にかけては「シリコンバレーバンク」や「ファースト・リパブリック・バンク」など3つの銀行が経営破綻しました。

こうした中でもFRBはインフレ抑制を優先にする姿勢を示し、去年3月と5月にそれぞれ0.25%の利上げを決定しました。

続く6月の会合ではそれまでの金融政策の影響を評価するためなどとしておととし3月以降、初めて利上げを見送りましたが、去年7月の会合ではインフレの要因である人手不足が続いていることなどから0.25%の利上げを決定。これで政策金利は5.25%から5.5%の幅と、2001年以来、22年ぶりの高い水準となりました。

FRBの利上げはこれでおととし3月以降、あわせて11回に及びました。

去年9月からことし3月の会合では物価の上昇が落ち着き、インフレの要因となっていた人手不足に改善の兆しが見られたことなどから5会合連続で利上げを見送り、FRBがいつ利下げに踏み切るかが焦点となっていました。

しかしその後、インフレの根強さや経済の堅調さを示す経済指標が相次いで発表され、FRBのパウエル議長も繰り返し「利下げを急ぐ必要はない」という認識を示しました。

市場ではFRBの利下げが当初、市場が見込んでいた時期より大幅に遅れるという見方が一段と強まっていました。

#FRBFOMC・240501・政策金利「据え置き」・6会合連続)