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サウジアラビア政府は30日、国営石油会社サウジアラムコ(2222.SE), opens new tabの株式追加売り出しを正式に発表した。資金調達額は最大131億ドルに上る可能性があり、ムハンマド皇太子が進める経済多角化を資金面で支援することになりそうだ。

売り出し価格が仮条件レンジ(26.7―29リヤル)の上限に決まった場合、約15億4500万株(全体のおよそ0.64%)の売り出しで120億ドルを調達できる。さらに引受金融機関が「グリーンシュー・オプション」をレンジ上限価格で行使すると、売り出し規模は17億株弱(0.7%)、調達総額も131億ドルに達する。
アラムコは2019年に新規株式公開(IPO)を実施して294億ドルを調達しており、今回はそれに続く株式放出となる。

アミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は「追加売り出しは、サウジ国内と海外の投資家双方の間に株主層を広げる機会を提供してくれる。流動性に厚みが増し、世界株式指数における当社のウエートを高めるチャンスにもなる」と述べた。

サウジ政府にとっては、株式売却収入を経済構造の石油依存脱却の取り組みに役立てられる。

日本製鉄(5401.T), opens new tabによる米鉄鋼大手USスチール(X.N), opens new tab買収計画について、米国以外の全ての規制当局の承認を得たと両社が30日に発表した。

欧州連合(EU)の欧州委員会のほか、メキシコ、セルビアスロバキア、トルコ、英国の規制当局から承認を得た。

今後は米国で承認を得る必要があるが、国家安全保障の観点による当局の精査や政治的な反発に直面している。雇用を懸念する全米鉄鋼労組が反対しているほか、米司法省も反トラスト法に基づく審査に入っている。

両社は30日の発表で、今年後半に買収を完了するという見通しを改めて表明。その上で、これまで通り関係当局の審査に全面的に協力し、買収を完了させる決意だと述べた。

国際金融市場では、これまでのところ国債に旺盛な需要が見られるが、6月の国債純発行額は今年最大となる見通しで、利下げ観測が後退する中、国債の需要が試されることになりそうだ。

BNPパリバのデータによると、米国、ユーロ圏、英国の6月の国債純発行額は3400億ドルに拡大するとみられる。償還が減ることや、中央銀行保有国債の圧縮を続けていることが背景だ。

アナリストは、新発国債が市場で吸収されると予想しているが、利回りに一段の上昇圧力がかかるリスクがあり、今年の債券市場が利下げで上昇すると期待していた投資家の間に不安が広がる可能性がある。

28日の2件の米国債入札は低調な結果に終わったが、強い経済指標を受けて利下げ開始が遅れるとの見方が広がる中、国債に対する楽観姿勢が揺らいでいることを示す初期の兆候ではないかとの指摘も出ている。

BNPパリバの欧州のG10金利戦略担当、カミーユ・ドゥ・クールセル氏は「吸収しなければならない供給がたくさん残っている」とし、ユーロ圏の6月の純発行額は今年に入ってから2番目の高水準になるとの見通しを示した。

同氏は、欧州中央銀行(ECB)が利下げを実施するとみられるが、景気回復と高水準の供給を踏まえて期間の長い債券を6月に購入することには慎重姿勢を示し、「6月にかけて(利回りが)上昇するリスクを強く意識している。特に欧州ではそうだ」と述べた。

先進国は新型コロナショックやロシアのウクライナ侵攻に起因するエネルギー危機で打撃を受けた景気の回復を促すため、依然として多額の借り入れを行っている。
今年は米国、英国で選挙があるほか、欧州連合(EU)でも欧州議会選が実施されるため、支出継続への圧力が強まっている。

一方、中央銀行は量的引き締め(QT)で保有債券を減らしている。米連邦準備理事会(FRB)は6月から保有国債の縮小ペースを減速するが、現在は月950億ドルのペースで国債住宅ローン担保証券MBS)の保有を減らすことが可能。イングランド銀行(英中央銀行)も保有国債を積極的に市場に売却している。

これまでのところ、投資家の需要は旺盛だ。英国で3月に実施された30年物の物価連動債入札では応札額が記録的な水準に達した。BNPパリバによると、ユーロ圏もこうした需要を利用して今年の国債発行予定額の約53%をすでに販売している。昨年の同時期は45%だった。

ラザード・アセット・マネジメントのグローバル債券部門共同責任者、マイケル・ワイドナー氏は「ユーロ圏の国債は正気とは思えないほど順調に消化されている。やや驚きだ」と指摘。こうした旺盛な需要の背景には、何年にもわたってゼロ付近の利回りが続いたことや、中銀の利下げサイクルが始まれば国債価格が上昇するとの期待があると述べた。

6月の純発行額の増加は、満期を迎える国債の減少によるところが大きい。投資家は元本償還がないため、発行市場に再投資する手元資金が不足する。
ワイドナー氏は「こうした(ミスマッチは)これまで大きな問題になったことはない。銀行は翌月の償還が増えることを十分承知しており、総発行額のかなりの部分を購入するだろう」と述べた。

政府の借り入れに対する懸念では、米国をはじめ各国の債務水準の長期的な増加に注目が集まる傾向がある。米議会予算局(CBO)は3月、同国の公的債務の対国内総生産(GDP)比が今年の99%から2054年に166%に上昇すると予測した。

プリンシパル・アセット・マネジメントの債券部門グローバルヘッド、マイケル・グーセイ氏は「各国の財政赤字がこの水準で膨らみ続ければ、投資家はある時点で、特に長期の国債に対して、これまでより高いリスクプレミアムを求めることになる」と指摘。
「ただ、短期的には中銀がある程度まで最後の買い手となり続けることや、景気減速懸念に伴う利下げの必要性が、市場の取引を左右する」と述べた。

日本株市場で企業の自社株買い発表が株価を押し上げる力が弱まっている。相場全体が依然として史上最高値に近い水準で推移する中、投資家が業績動向などを含め銘柄選別を強めているほか、自社株買いが株主資本利益率(ROE)の上昇に結びついたかどうかなど資本効率の改善状況を厳格に見極め始めたことが背景にある。

  ブルームバーグのデータによると、直近の決算と自社株買いを同時発表した企業の株価は直後の5営業日で東証株価指数(TOPIX)を1%ポイント弱アウトパフォームした。過去4年間は平均で2ポイント以上アウトパフォームしていただけに、自社株買いの効果が低下していることを示す。この傾向は企業の業績計画が市場予想を上回った場合も、下回った場合も同様だ。

  自社株買い発表の株価インパクトの低下は、投資家が株価上昇の条件として短期的な施策以上の内容を求めていることの裏返しでもある。6月に集中する各社の年次株主総会は、投資家が長期的な企業価値の向上に関する経営陣の現時点での考えや決意を確認する機会となりそうだ。

  野村証券伊藤高志シニア・ストラテジストは、これまでは増配や期初時点の自社株買いは評価されていたものの、「投資家の目線はものすごく高くなっている」と指摘。「株主還元の考えを示した上で、増配や自社株買いについて語ることが求められている」と話す。

  東京証券取引所が昨春以降、株価純資産倍率(PBR)1倍割れの企業を念頭に資本効率と株価を意識した経営を強く求め始めたことで、今年の自社株買いの発表総額や増配企業の数は記録的な多さとなっている。

セル・イン・メイ封じる記録的自社株買い、日本株再浮上を促す可能性

東証の圧力も株主還元の強化につながっているPhotographer: Toru Hanai/Bloomberg
  積極的な株主還元姿勢は日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新する一助となったが、足元は利益確定の動きが出やすくなっている上、株価を押し上げる新たなカタリストを待つ投資家も多く、相場全体の停滞感は強い。

  投資家の多くは資本が効率的に使われ、利益を生み出しているかどうかを表すROEの向上を企業に求めている。2014年に経済産業省がROE8%など具体的な目標を示しながら企業価値の向上を促す「伊藤レポート」を公表して以降、日本企業のROEは改善方向にあるが、膨大なキャッシュや持ち合い株式の保有など非効率な面もなお残り、世界と比べ後れを取っている。

  TOPIXの今年のROEは推定で8.7%と、米S&P500種株価指数の18.4%を大きく下回る。

  りそなアセットマネジメントの下出衛チーフストラテジストは「われわれは長期投資家なので、自社株買い発表よりはサステナブルにROEが10%を超えてくるか、自社株買いがROE向上につながるのかを見ている」と言う。不採算事業の削減など改善余地はまだ多く、「グローバル企業にとってROE15%程度ないと十分ではない」と指摘した。

  日本企業の経営効率を改善させるため、物言う株主(アクティビスト)が果たす役割は次第に大きくなっている。

  米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏の保有で脚光を浴びた大手商社株の一角である住友商事は、ポール・シンガー氏率いる米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが数百億円規模の投資を行っていることが4月に判明。5月2日に発表した新たな中期経営計画では今後3年間で株主還元に7000億円を投じ、ROEを12%以上にする方針を盛り込んだ。

住友商事、ROE12%以上と総還元性向40%以上を目標-新中計

  CLSA証券ストラテジストのニコラス・スミス氏はリポートで、自社株買いと増配でため込まれた資産の吐き出しを狙うアクティビズムの高まりで、6月の株主総会は「遺恨試合」になりそうだと予想。日本企業の高水準のキャッシュは「事業に回すか株主に還元する必要がある」とみる。法人企業統計調査によると、日本企業の内部留保は約555兆円と過去最高水準にある。

  株価が既に大きく上昇した銘柄にとっては、大規模な株主還元策の発表が一部の投資家から利益確定売りが強まるきっかけになる可能性がある。住友商の場合、新中計の発表当日に株価は4%以上上昇し、上場来高値の4433円を付けたものの、その後は約7%反落。最高値を付けるまでの4年間で3倍以上となっていた。

  企業の合併・買収(M&A)などの成長投資にも資金が振り向けられるかどうかも今後の焦点となりそうだ。UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの小林千紗日本株ストラテジストは、インフレやコーポレートガバナンス企業統治)改革を背景に、企業は現金の使い方を一層問われると指摘。余剰資金を成長投資に向ける動きが出てくると予想し、「成長投資にシフトする方が株価は評価されていくのではないか」と述べた。

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