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「ネタニヤフ首相は土曜日、バイデン氏がイスラエルの提案を公に説明した後、その提案を明確に支持も拒否もしなかった。しかし、翌朝一番という発言のタイミングが、戦争の早期解決に対するバイデン氏の期待にブレーキをかけたようだ。」

合意を受け入れることは、米国、カタール、エジプトからイスラエルハマスへの共同メッセージである

国務長官は本日、人質/停戦提案についてカタール首相と会談した。米国当局者らは、この提案にはハマスの要請も含まれているとし、バイデン大統領はイスラエルがすでに承認したと述べた。

ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルイスラム組織ハマスに対し戦闘休止や人質解放などをめぐる新たな提案を行ったと、アメリカのバイデン大統領が明らかにしている中、イスラエルのネタニヤフ首相は、戦争を終わらせる条件はハマスの壊滅だなどと強硬な姿勢を崩しておらず、今後、ハマスが参加して交渉が再開されるのかが焦点です。

アメリカのバイデン大統領は31日、イスラエルハマスに対し、6週間の戦闘休止と人質の解放を含む3段階からなる新たな提案を行ったと明らかにし、国連のグテーレス事務総長やEUヨーロッパ連合のボレル上級代表などが提案を支持する考えを示しています。

こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は1日の声明で「戦争を終わらせる条件は、ハマスの軍事力と統治能力の壊滅、それに人質全員の解放であることに変わりはない。これらの条件が満たされる前にイスラエルが恒久的な停戦に合意することはありえない」と強調しました。

バイデン大統領が明らかにした提案では、第2段階で恒久的な停戦を実現するとされていますが、ネタニヤフ首相は依然として強硬な立場を崩しておらず、今後、ハマスが参加して交渉が再開されるのかが焦点です。

一方、エジプトのメディアは1日、イスラエル軍が先月6日にガザ地区南部ラファでの地上作戦を始めて以降、閉鎖されている、エジプトとの境界にあるラファ検問所の再開に向けて、エジプトとイスラエル、そしてアメリカが2日にも協議を行うと伝えました。

人道支援物資の搬入で重要な役割を果たしていたラファ検問所が閉鎖されたことで、現地では食料不足が深刻化していて、人道状況の改善につなげることができるか、協議の行方が注目されます。

イエメンで漁業を営むサレム・アテックさんにとって、2024年はいわゆる「パーフェクトストーム(完全な嵐)」、つまり「最悪の状況」だ。イエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃の恐れから、紅海の豊かな漁場に入れず、沿岸近くで細々とした漁に甘んじる一方で、気候変動がもたらした異常気象にも翻弄(ほんろう)されている。

3月、紅海で漁をしていたアテックさんの船の近くで、複数の戦艦が銃撃を始めた。現在この海域は、国際航路の貨物船に対するフーシ派による攻撃で危険水域となっている。ガザ紛争におけるパレスチナの人々に連帯して行動する、というのがフーシ派の主張だ。

危うく戦火に巻き込まれるところだったアテックさんは、マグロ漁のシーズンを諦めることを決意した。

だが、災難は終わらなかった。アテックさんはアデン近郊アルブライケにある自宅近くの小屋に漁具を保管していたが、季節外れの高潮に襲われ、漁具の一部が損害を受けた。

「こんな季節に海水が小屋まで押し寄せるなんて、生まれて初めてだ」とアテックさん。「季節感がめちゃくちゃだ。農家と同じように、漁師にも漁師なりの計算がある。だが今ではこれまでのような計算が役に立たない」

イエメンでは紛争と気候変動という双子の災難が重なり、人道危機を深刻化させている。イエメン国民約3300万人のうち半数以上が海外からの支援に依存しており、約450万人が自宅から逃げ出さざるを得ない状況に追い込まれた。

このダブルパンチにより特に打撃を受けたのが漁業コミュニティーだ。陸地での内戦が漁船や漁港、加工場を破壊しただけにとどまらず、海上で新たに発生した紛争によって通常の漁場から追い出されたために、漁師の生命や財産が危険にさらされている。

トムソン・ロイター財団の電話取材に応じたアテックさんは、「借金に頼らざるをえない」と語る。沖合まで船を出せばマグロなど高値で売れる魚を獲れるが、沿岸近くで獲れるのは安値の小魚だけだと嘆く。

2014年後半、フーシ派が首都サヌアから当時の政権を追放して以来、イエメンは内戦に翻弄されている。2015年には政権の回復を目指してサウジアラビア主導の多国籍軍が介入した。

イエメン北部沿岸を拠点とする漁師たちは、しばらく前から混乱に見舞われており、何年も続く内戦による不安定な治安状況のために、すでに漁のルート変更も余儀なくされていた。

ここに来て、ガザ紛争が紅海に飛び火したことを受け、南部の漁師たちにも影響が及びつつある。米英両国はこの海域に軍艦を派遣し、イエメン国内のフーシ派を狙った攻撃を開始している。

フーシ派の統制下にある漁業省は3月、紅海に面したイエメン南西部モカ港の沖合で、米英主導の連合軍による攻撃で少なくとも2人の漁師が死亡したと発表した。
この事件について米中央軍(CENTCOM)にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

だが、魚影豊かな沖合の漁場をあきらめ、沿岸近くにとどまると決めたとしても、漁師が安心できるわけではない。不安の原因は、軍艦や軍用機だけでなく、気候変動が背景にあると漁師たちが考える、予想困難な海流や風もある。

アデンを拠点とする漁師のナセル・ハッジさんは「状況は厳しく、漁獲量は減る一方だ」と語る。「とにかく注意を怠らないようにしている。神に頼っている」

<海面の上昇、暴風雨の頻発>

内戦が勃発する前、イエメンは漁業大国だった。2520キロメートルに及ぶ海岸線の沖合には、マグロ、イワシ、サバ、ロブスターを含む350種類以上の魚やその他の海洋生物の姿があった。

ノルウェー難民評議会によると、内戦勃発前、イエメンの漁業従事者は50万人以上を数え、魚介類の輸出は、石油・天然ガスに次ぐ第2位だった。

だが、戦火で国全体が窮迫しており、人口の最大60%が2024年中に深刻な食料不足に直面すると予想されている。主な原因は、食料品・燃料価格の高騰、厳しい干ばつなどの異常気象、そして紛争だ。

またイエメンは、気候変動に対して世界で最も脆弱(ぜいじゃく)な国の1つであり、気候変動の影響の緩和や適応に向けた準備も最も遅れているグループに入っている。

非政府組織(NGO)のイエメン家族ケア協会(YFCA)が昨年発表した報告書によれば、同国沿岸の海面は2100年までに0.3-0.54メートル上昇することが予想される。

また同報告書は、イエメンに襲来するサイクロンの頻度も上昇していると指摘。2015年以降、イエメンは大規模なサイクロンに6回も襲われた。こうした災害で、数千人の国民が家を失い、漁船や漁具も破壊された。

昨年10月には、サイクロン「テジ」によって南東部1万8000世帯が被災し、医療施設や道路、電気通信回線を含むインフラが大きな損害を受けた。

サイクロンと海水温の上昇は、どちらも水産資源の枯渇につながる一方で、異常気象により漁業の危険性はさらに高まっている。

サヌア戦略研究センターのムサイド・アクラン研究員によれば、こうした要因により、転職に踏み切る漁師が増えているという。

「漁師が生計を保つ手段が脅かされている」とアクラン氏。「内戦によって、複数の問題がさらに深刻なものとなった」

一部の漁師はさらに遠方の海域での操業を選択し、思い切って東部アフリカ沿岸の漁場に進出する例もある。だがこうした海域には危険が潜んでおり、海賊に拉致されたり、外国当局に拘束されたりする漁師もいる。

フーシ派が運営する「サバ・ニュース」によれば、5月初め、17人の漁師が劣悪な環境のエリトリアの刑務所で数週間過ごした末にイエメンに送還された。

人道支援団体のサヘル協会を率いるサルマ・ナセル・アブダン氏は、紅海の治安悪化のために、イエメンの漁師たちはアデンその他の南部海域から、もっとリスクの高い航路へと初めて進入せざるを得なくなったと話す。

だがその一方で、ソマリア沖海域では海賊の活動が再発しているために、危険は増している。

ソマリアの海域では海賊に襲撃されるリスクにさらされている」とアブダン氏は語る。「漁師たちは、殺害される、漁具を奪われるといった危険に直面している」

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・238目②)

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・239目①)