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米商務省が27日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比1.4%増と、改定値の1.3%増から若干上方改定された。第4・四半期の3.4%増から急激に鈍化したことが確認された。

第2・四半期は成長率が加速する可能性が高いが、2.0%は超えないとみられている。

5月の米中古住宅販売成約指数は予想外の低下となり、過去最低水準に落ち込んだ。高水準の住宅ローン金利と物件価格が購入希望者の意欲をそいだとみられる。

キーポイント
中古住宅販売成約指数(季節調整済み)は前月比2.1%低下の70.8
データでさかのぼれる2001年以降で最低
エコノミスト予想の中央値は0.5%上昇

  発表元である全米不動産業者協会(NAR)のチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「市場は在庫の増加と需要の減少という興味深い局面にある」と発表文で指摘。「需給の動きは今後数カ月の住宅価格上昇の落ち着きを示唆している。雇用創出経済の中で在庫が増えれば必然的に住宅購入の増加につながり、特に住宅ローン金利が下がる時にはそうだ」と記した。

  中古住宅の成約件数は過去1年余り、年率約400万件の水準にとどまっている。現在よりも大幅に低い金利で住宅ローンを組んでいる売り手が取引に消極的なことが一因だ。

  5月の中古住宅販売価格の中央値は41万9300ドル(約6700万円)と過去最高を記録。価格の高さが購入希望者を遠ざけているが、市場では徐々に物件は増えている。先週発表された5月の中古住宅販売在庫は前年同月比18.5%増となった。

  成約件数は地域別では、北東部と西部で若干増加。一方で南部と中西部はそれぞれ2010年以来の低水準となった。

  通常は販売が成約してから1、2カ月後に取引が完了するため、中古住宅販売成約指数は中古住宅販売の先行指標とみられている。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Pending Home Sales Index Slides to Record Low on High Rates(抜粋)

新型コロナ禍の時期に積み上がった家計の貯蓄は過去数年間、米国の消費者が物価高を乗り切る助けとなってきた。そのクッションがすり減っていることで消費の活力が失われ、経済全体に影響が及びつつある。 

  家計債務の返済遅延は増加しており、企業の決算発表では消費者の慎重姿勢を指摘する声が相次いでいる。5月の米小売売上高は前月比0.1%増にとどまり、前月分は0.2%減に下方修正された。28日に発表される5月の実質個人消費支出(PCE)についてエコノミストは0.3%増を予想しているが、これはガソリン価格の下落が寄与したとみられる。前月の実質PCEは0.1%減と、予想外のマイナスとなっていた。

Americans Saved and Spent Their Pandemic Windfalls
Excess savings reached $2.1 trillion in 2021, helping to propel spending

Source: Bureau of Economic Analysis, San Francisco Fed staff calculations
  個人消費の粘り強さはここ数年、米経済にとって揺るぎない屋台骨となってきた。消費を支える重要な役割を担ってきたのが堅調な労働市場ともう一つ、新型コロナのパンデミック期に膨れ上がった約2兆ドル(約320兆円)の余剰貯蓄だった。

  しかしサンフランシスコ連銀の調査によると、こうした余剰貯蓄は3月時点で完全に枯渇。個人消費の持続性に対する懸念が高まっている。

  サンタンデールUSキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「パンデミック期に家計が頼れた余剰貯蓄のクッションは、もはや大部分が失われた」と指摘。「そのため、家計の勢いは基本的に現在の収入に左右され、それは必然的に労働市場の動向に応じた形になる」と述べた。

  5月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比27万2000人増加し、エコノミスト予想の全てを上回る伸びとなった。しかし雇用のペースは減速しており、失業率は上昇に転じている。

米失業保険継続受給者、21年末以来の高水準-失業期間が長期化

A Job Fair For Hispanic Professionals Ahead Of Initial Jobless Claims Figures
マイアミで開かれた採用イベントPhotographer: Marco Bello/Bloomberg
  今のところは労働市場の底堅さが消費を下支えし、インフレ抑制に取り組む米金融当局に政策金利を高水準で維持する余地を与えている。エコノミストも家計のバランスシートは全体的に健全だと評価。しかし、米連邦準備制度理事会FRB)のクック理事ら一部の当局者は、経済の一部で圧力が増していると認めている。

  コンファレンスボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「消費の減速はすべて米金融当局の計画の一部だ」と指摘。「しかし、それを実際に調整するのは難しく、個人消費が縮小しすぎるのではないかという懸念がある」と述べた。

  ニューヨーク連銀の調査によれば、米国の家計債務は過去最高を更新し、クレジットカードの支払いが滞る消費者が増えている。米国勢調査局による最近の調査では、通常の家計支出を支払うのが「やや困難」または「非常に困難」との回答が全体の3分の1に上った。

Missing Payments
Share of balances that are 90+ days delinquent

Source: Federal Reserve Bank of New York
  小売企業の一部からは消費者の行動変化を巡る警告も発せられている。 ディスカウントストアを展開するターゲットのチーフ・グロース・オフィサー、クリスティーナ・ヘニントン氏は、同社が目先の成長見通しに慎重なのは、家計の債務水準が理由の一つだと述べている。ウォルマートのジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者(CFO)は、買い物客は必需品への支出を増やしているが雑貨の購入は減らしていると語った。

  ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「消費者は支出を続けているかもしれないが、それが負担になっている」と指摘。同氏が商務省のデータを分析したところ、米消費者の可処分所得に占める住宅ローン以外の利息支払い額(クレジットカードや自動車ローンなど)の割合は4月に2.4%となり、2008年以来の高水準となった。

  クインラン氏は、2024年後半には個人消費の伸びが鈍化すると予想している。

Houses In Seattle Ahead Of Existing Home Sales Figures
住宅の価値急上昇で一部の米国人は富を増やしているPhotographer: David Ryder/Bloomberg
  ただサンフランシスコ連銀の研究員も認めているように、コロナ禍に積み上がった貯蓄がどれほど残っているか、それが支出にどんな影響を与えるかについては、計算方法が多岐にわたるため不確実性を伴う。

  実際、過去数年の住宅価格上昇や株価の記録的上昇を背景に資産が大幅に増えた人もいる。こうした富を増やした家計による支出継続が、個人消費全体を押し上げる可能性はある。

原題:Excess Savings Are Gone and the US Economy Is Bracing For Impact(抜粋)

米国ではバイデン大統領とトランプ前大統領が対決する構図となった11月の大統領選を前に、国民の経済に対する見方が弱気に傾く一方、実際の経済状況は非常に堅調で、その落差がこの上なく拡大している。

米連邦準備理事会(FRB)が40年ぶりという急激な金融引き締めに動いてから1年を経過しても、経済は驚くほどしっかりしたままだ。これほど低水準の失業率が長く続くのは1960年代以降初めてだし、実質賃金は上昇、国内総生産(GDP)成長率はトレンドより高い。

常に民主党の味方というわけではないウォール街も、こうした景気判断に異存はないようだ。世の中を一変させる可能性を秘めたITブームが全面的に進行しているだけでなく、株式のボラティリティーや社債スプレッドは歴史的な低さに落ち着き、株価は最高値圏で推移している。

ではなぜ、このウォール街の温度が一般の人々に共有されないのだろうか。景況感調査では一貫して、国民が総じて経済に悲観的な様子が示されている。今週のロイター/イプソス調査では、経済面でうまく対処してくれるのはどちらかとの質問に対してトランプ氏と答えた割合が43%とバイデン氏の37%を上回った。

実体経済と国民の景気認識に大きなギャップが生じているのは、インフレに起因する部分が大きく、ソーシャルメディアに後押しされたポピュリズム大衆迎合主義)や偽情報、恐怖をあおる動きなどで拡大している政治の二極化も関係している。

ワシントンのシンクタンク、経済政策研究所(EPI)のハイディ・シアーホルツ所長は「マクロ経済は強いが、現実と人々の認識には非常に大きなかい離が存在し、経済に関して数多くの誤った情報があることを示している」と述べた。

「これはインフレがもたらした高水準の物価と、偽情報のワンツーパンチだ」という。

<二極化>

インフレが「より長くより高く」なっていることが人々の認識に及ぼす影響は、どれだけ強調しても強調し過ぎることはない。

ハーバード大学のステファニー・スタンチェバ教授が3月に公表した論文「なぜわれわれはインフレを嫌うのか」は、インフレによって人々が感じる心理面、経済面、行動面でのダメージに光を当てている。

1997年のロバート・シラーによる代表的な調査研究に基づくこの論文は、インフレが「(人々の)経済的な幸福と、より広範な経済への影響に深く根ざしたもの」であり、不均等に分配され、不平等を悪化させるものであることを明らかにした。

ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は今月、英紙フィナンシャル・タイムズに、人々は物価高よりは景気後退がましだと見なすことを裏付ける材料を耳にする機会がどんどん増えていると語った。景気後退で仕事を失っても友人や家族の支援を受けられるが、インフレは全ての人に悪影響を与える、という理屈からだ。

ただこの見方は、景気後退と失業の方が、物価上昇より痛みが大きいとする学術的な調査結果とは一致しない。ダートマス・カレッジ教授で元イングランド銀行政策委員のダニー・ブランチフラワー氏の試算では、失業率が1ポイント上がった場合と物価上昇率が1ポイント上がった場合を比べると、生活水準の低下度合いは失業率上昇の方が5倍以上も大きい。

一方、スタンチェバ氏の論文は、政治信条に基づくインフレに対する意見の二極化が1997年時点より現在の方が進んでいるのは間違いないことを浮き彫りにした。

この中で示唆に富むのは、今のインフレは誰が悪いのかという質問。「バイデン氏と政権」「金融政策」「財政政策」だと回答した割合は共和党支持者が41%で、民主党支持者の21%の約2倍に上った。

<誤解を生む要因>

確かに物価上昇率はまだFRBの目標である2%より高いが、それほど距離があるわけでもない。実際、消費者物価指数(CPI)を尺度にすれば、パンデミック後のピーク時の10%近くからは大きく鈍化し、平均賃金は1年余りも伸び続けている。

3月のEPIの調査からは、下位10%の給与所得者の実質時給は2019年から23年までに10%増加し、中位の実質賃金は3.0%、上位10%は0.9%の伸びだったことが分かる。

インフレに対する見方と実際の全体的な構図の間に存在するように見えるかい離は、人々の個人的な懐具合とマクロ経済を巡る認識の間に一定程度見て取れる。

最近のギャラップの調査によると、1年前や1年後と比べた家計状況の認識を示す「個人金融状況指数」はやや改善した。

ところが米国の経済情勢に対する現状評価の指数は昨年11月以降で最悪となり、20年3月以降毎月「悪い」が「良い」を上回り続けている。

これは何を意味するのか。ブルッキングス研究所が今年初めに発表した調査結果からは、「偏った情報源」と、メディアにおける「米国の経済パフォーマンスに関する不正確な認識を助長する体系的な偏見」が、その一因であることがうかがえる。

こうした事象は目新しいわけではないかもしれない。だがなぜ多くの人々が米経済は景気後退に陥っていると間違って信じ込み、消費者心理がマクロ経済の実情からかい離するのかを説明する手助けになる。

米連邦準備制度理事会FRB)は26日、毎年恒例の銀行ストレステストの結果を発表し、昨年を上回る資本減少の主要因としてクレジットカードを挙げた。

  最悪が想定されるのはアライ・ファイナンシャルで、リセッション(景気後退)シナリオの下でカードローンのポートフォリオは損失率が40%を超えると試算された。想定損失が大きい他の企業は、クレジットカード大手のキャピタル・ワン・ファイナンシャルや、カード事業から撤退しようとしているゴールドマン・サックス・グループなど。

  ゴールドマンは2年連続で、FRBの景気後退シナリオではクレジットカードローン残高の約4分の1を失われると試算された。

  発表によると、ゴールドマンの普通株式等ティア1(CET1)比率は今年のテストでは8.5%と昨年末の14.4%から低下した。最低要件を大きく上回ってはいるものの、大手銀の中では最大の低下で、昨年の結果よりも悪化した。

  ストレステストは銀行の株主還元を左右する。今年は対象の31行が、ピーク時の米失業率10%などの「深刻な逆境」シナリオのテストに合格したが、スコアはまちまちだった。

  FRBは昨年を上回る総資本減少をもたらした3つの要因のうちの第1に、クレジットカードローン残高および延滞の増加を挙げた。この1年で残高は1000億ドル(約16兆1000億円)余り増加し、延滞件数は40%以上増えた。

  FRBの研究者は最近の報告書で、支払いを滞納する借り手が増えていることを強調。ニューヨーク連銀家計・公共政策調査部のジョエル・スカリー氏は先月の報告で「クレジットカードの支払いを延滞する債務者が増加し、一部の家計で経済的困窮が深刻化していることが明らかになった」と分析した。

原題:Credit Cards Get Stress Test Spotlight With Losses Hitting 40%(抜粋)

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国際通貨基金IMF)は27日、世界最大の経済大国である米国の「力強くダイナミックな」経済成長とインフレ抑制に向けた進展を評価した上で、債務水準の上昇を抑制するために増税を求めた。

米経済政策に対する審査(4条協議)の最終声明で、巨額の財政赤字と債務は「米国および世界経済に対するリスクを増大させ、財政上の資金調達コストの上昇や、満期を迎える債券の円滑な再投資に対するリスク増大につながる可能性がある」とした。

2024年の米国内総生産(GDP)成長率予想は2.6%と、4月に発表した世界経済見通しの2.7%から若干下方修正した。25年の見通しは1.9%に据え置いた。

IMFは米経済について「力強くダイナミックで、変化する世界情勢に適応できることを証明した」とし、「(経済)活動と雇用は引き続き予想を上回り、インフレ鈍化のプロセスは多くの人が懸念していたより犠牲がかなり抑えられている」と指摘した。

米インフレ率については、個人消費支出(PCE)価格指数が連邦準備理事会(FRB)の予想である26年より早い25年半ばまでにFRB目標の2%に回帰するとの見方を示した。

IMFのゲオルギエワ専務理事は、コロナ禍後の個人消費ブームが沈静化し、労働市場が減速しつつあることなどから、米インフレ率は予想より早期に目標に回帰する見通しとした。

財政赤字・貿易巡り提言>

IMFは一方で、財政赤字拡大が続けば、公的年金や高齢者向け公的医療保険などの給付費も含めた米国の債務は29年末までに対GDP比140%に達すると警告。
富裕層だけでなく、年収40万ドル以下の世帯も対象に所得税率を累進的に引き上げるよう提言した。バイデン大統領は年収40万ドル以下への増税に否定的な立場を示している。

ゲオルギエワ氏は米経済が堅調な今が財政健全化の好機だと述べた。

IMFはさらに、関税など貿易障壁の拡大や、国内企業を優遇する産業政策の強化は米国や世界経済の下振れリスクだとし、投資の流れをゆがめ、世界貿易システムを弱体化させる可能性があると指摘。貿易相手国と交渉を通じて相違を解決し、世界貿易機関WTO)を強化するよう求めた。

財務省は声明で、イエレン財務長官がゲオルギエワ氏との協議で、年次審査を通じて加盟国経済を率直かつ徹底的に評価する重要性を改めて強調し、「過去数年の米経済の目覚ましい実績」について話し合ったとした。財政赤字や貿易を巡る提言には言及しなかった。

米連邦最高裁判所は27日、投資家を証券詐欺から守るため証券取引委員会(SEC)が行政手続きを通じて独自に処罰を決められる権限を憲法違反とする判断を示した。

 最高裁が審理していたのは、元ヘッジファンドマネジャーが起こした訴訟。SEC内部の行政審判官がこのマネジャーは証券詐欺を働いたと判断し、これを踏まえてSECが罰金を科すなどの措置を行ったことに異議を申し立てた原告側の言い分を、下級審が認めていた。

 下級審は、行政審判官制度に基づいてSECが処罰する権限は、憲法が定める陪審員裁判を受ける権利に違反すると指摘。最高裁でも、ロバーツ長官をはじめとする保守派6人の判事がこれを支持する多数意見となった。

 ロバーツ氏は、SECの証券詐欺取り締まり条項は一般的な詐欺防止の法令にならったもので、そうした法令は陪審員が審理する仕組みが定着していると記した。

 SECの法執行責任者を務めるガーバー・グレワル氏は「今後もSECは投資家の保護と連邦証券法の執行を続けていく」とコメントした。

 今回の違憲判断を受け、他の連邦政府機関の行政手続き執行権限に疑問を投げかける訴訟が相次ぐのではないかとの懸念も出ている。

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