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自由主義経済の基本ルールは、自由な経済活動を認める代わりに、結果に対する責任を自己が負うというものである。
この基本ルールを排除するには、正当な理由が必要である。政治との結びつきが強いという理由だけで、市場経済のルールに反して政府が一民間企業だけを優遇して救済することは容認されない。
正当な理由とは、当該企業を救済しなければ国民が大きな被害を蒙る場合に、その国民被害を回避するために救済策を講じるというものである。
だが、この場合に発生する重大な問題がある。これを「モラル・ハザード」と呼ぶ。責任ある当事者の責任が問われなければ、無責任な経営が助長されてしまうからである。したがって、金融機関を救済する場合にも、責任ある当事者の責任を厳しく追及することが不可欠とされている。
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この規正法違反事件では、「陸山会」の会計責任者だった石川知裕衆院議員が来週、在宅起訴される。その幕引きのための「手打ち聴取」なんて見方もあるが、それは違う。地検特捜部は完全に小沢幹事長を標的にしているという。
「検察は、土地取得の4億円の原資を解明したい。ゼネコンからの“闇献金”と位置づけ、岩手県の胆沢ダム建設にからむ汚職事件に発展させたいのです。それで再びゼネコンの一斉聴取もした。しかし、どうも決定的材料を握った形跡はない。材料があれば、もっとストレートに捜査をやっている。小沢を呼ぶのはいいが、何も追及できないという結果になりそうです」(司法事情通)
単なる「虚偽記載」という形式犯を大きくしてしまいすぎて、引っ込みがつかなくなった検察。与党幹事長を公然と聴取して、「何もありませんでした」ではオソマツすぎる。
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過熱する小沢批判 執拗なマスコミ
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【歴史の交差点】東京大学教授・山内昌之 「現代の僭主」
選挙の最高責任者は最終的に政党の党首であるはずなのに、民主党代表たる首相は最初からこの面でのリーダーシップを放棄して、小沢一郎幹事長を頂点とする別の権力構造の自律的存在を許してしまった。
それどころか、政府の専権事項の予算編成にも、マニフェストの一部を放棄させ、特定の陳情を優先する党の力の波及を許してしまった。藤井裕久財務相の辞任には心から同情を禁じえない。
これらはすべてでないにせよ、古代のギリシャ人やローマ人が問題にした君主と僭主との関係にも似た政治力学の結果かもしれない。
外交でも鳩山首相は、習近平中国副主席の天皇陛下との会見問題で外からの各種圧力に屈したといわれても仕方がない。普天間問題で、首相は日米関係という外交安全保障の要をまるで理想と幻想のはざまで眺めるような主観的願望にこだわった結果、本来は政策にかかわらないはずの小沢幹事長による移転代替案の示唆を許した。
初期の明治政府が直面した最大の外交問題は、明治6(1873)年の「征韓論」だった。「懸案の多い朝鮮に特使として渡り、国交を樹立する」という維新の雄、西郷隆盛の主張は、この歴史用語が持つイメージほど乱暴ではない。しかし、西郷に「もしも」のことがあれば武力に訴える−という筋書きができており、西郷も死を決していた、とされる。
このとき、伊藤は「内政を優先すべし」とする大久保利通や木戸孝允とともに「固く之に反対」した。
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『本田親徳全集』
P595
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20090923#1253688614
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091218#1261090187
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091222#1261463700
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100107#1262829768(言論が信頼を得られるか否かの基準)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091124#1259072632
明治天皇も大西郷も神上りされています。
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違法性はなかったと主張するのなら、資金の出もとなどに関して国民にきちんと説明する責任がある。
首相と与党幹事長がともに政治資金に絡む疑惑で追及を受けている現状は異常な事態といえる。
検察の捜査や与党内の自浄能力に限界があるとすれば、事実の解明は国会の重要な役割となる。
× 検察の捜査や与党内の自浄能力
○ 検察内やマスコミ内の自浄能力
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
○2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
○3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
○2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
○3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
第五十条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
○2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
○3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
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「ワシントン(米政府)の一部は、日本の新政権に対して強硬な姿勢をとりたがっているが、思慮が足りない」
「個別の問題よりも大きな同盟」
「我々には、もっと忍耐づよく、戦略的な交渉が必要だ。(普天間のような)二次的な問題のせいで、東アジアの長期的な戦略を脅かしてしまっている」
東アジアの安全を守る最善の方法は、「日本の手厚い支援に支えられた米軍駐留の維持」だと強調。「外圧」によって鳩山政権を切り捨てれば、普天間問題で主張を通せても、より大きな犠牲を払うことになる、とした。
An Alliance Larger Than One Issue - NYTimes.com
When I helped to develop the Pentagon’s East Asian Strategy Report in 1995, we started with the reality that there were three major powers in the region — the United States, Japan and China — and that maintaining our alliance with Japan would shape the environment into which China was emerging. We wanted to integrate China into the international system by, say, inviting it to join the World Trade Organization, but we needed to hedge against the danger that a future and stronger China might turn aggressive.
After a year and a half of extensive negotiations, the United States and Japan agreed that our alliance, rather than representing a cold war relic, was the basis for stability and prosperity in the region. President Bill Clinton and Prime Minister Ryutaro Hashimoto affirmed that in their 1996 Tokyo declaration. This strategy of “integrate, but hedge” continued to guide American foreign policy through the years of the Bush administration.
This year is the 50th anniversary of the United States-Japan security treaty. The two countries will miss a major opportunity if they let the base controversy lead to bitter feelings or the further reduction of American forces in Japan. The best guarantee of security in a region where China remains a long-term challenge and a nuclear North Korea poses a clear threat remains the presence of American troops, which Japan helps to maintain with generous host nation support.
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091214#1260789256
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100107#1262821593
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100107#1262860612
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091221#1261374332
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091219#1261172245
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091219#1261215395
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091208#1260226618
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091207#1260185962
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20090914#1252888887
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20090911#1252626553
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091127#1259318298
米政府の「フテンマ」圧力にナイ教授が警告
そのことを頭に入れたうえで、本日、時事通信が流した次の記事を読むと、受け取る印象はかなり違ってくるはずだ。
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私の持論の1つに、「らしくない人が本物だ」というのがある。役人らしい人がいい仕事をしていることは少ない。一番教師らしい人がいい教師ではない。何か別の魅力を持っていて、その役職を超えた何か別のところからの生き方の原点をしっかり持っている方々が、その職業の中でも素晴らしい仕事をする人ではないかと思ってきた。秋山兄弟もそんな人ではないかと思う。
中学生から大学生にかけて、たくさんの本を読んだ。長編小説ならドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、マルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』、国内なら島崎藤村の『夜明け前』だ。まだ経験しえない人間社会の様々な複雑性を学んだと思う。人間ほど複雑な存在はないということを知るいい勉強だったかもしれない。
私の真面目に勉強しようという気持ちは『きけ わだつみのこえ』を読んで強くなった。こんなに平和で恵まれた環境におかれていることをもっと感謝しなければならないという気持ちだった。勉強できることは幸せなことだという気持ちが芽生えたのだ。
本当に矛盾したことなのだが、私に影響を与えたもう1つの本が、福井静夫さんの『日本の軍艦 わが造艦技術の発達と艦艇の変遷』だった。旧日本海軍の艦艇技術史をまとめた本だった。軍艦はカッコよかったし、独創的な設計ということに強い興味を持った。
それから数年後、大学生の時、実家に帰省して古い本を見つけた。昭和3年に改造社から出版された「現代日本文学全集」第11篇の正岡子規だった。
権威や世の中の評価を気にしない強さに驚いた。本当に正しいことは正々堂々と主張しなければならない。長いものに巻かれるような態度や言動はいけないということを教えられたような気がした。
学生の読書量は年々低下している。文章力の低下でそれがよく分かる。
文章力だけならまだいいのだが、人の生き方を知り、自分の人生の原点を獲得し、職業のベクトルを得て、創造への情熱を持つことのないまま社会に出ていくとしたら、あるいは不充分な人間の理解や、あいまいな原点や、その場主義的な職業選択や、創造の価値への無知をそのままにして世の荒波の中に出て行くとしたら、その損失は大きなものとなるだろう。
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【墨と筆 産経国際書会だより】(6)充実の70代「新たな線を描く」
「新たな線を描けるようにしたい。それも無我の境地で」
書道を「芸術として、いかに究めていくか」との思いは年々、強まっている。そのための課題として、一本一本の「線質へのこだわり」を挙げる。
「筆の先端に、どうやって己の神経や気を注ぎ込むことができるか」。線質によって陰陽や硬軟、あるいは寒暖といった微妙な違いを表現するという。
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報道陣に「(一門会では)改めて『立候補させていただきます。お世話になりました』と話しました」と述べ、一門から離脱して立候補する意向を表明した。
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「予算案を作った人が国会審議前に辞めるのは異例異常だ」
「では聞くが、所信表明演説をした首相が2日後に辞めたあんたの党はどうなんだ」
大新聞・TVも藤井辞任が鳩山政権に打撃を与えるようなことを大々的に報じたが、とんでもないミスリードである。その証拠に7日の株式市場は何の動揺もなかった。
「小泉以降は、安倍、福田、麻生と1年政権が3回も続き、この間に日本の政治、経済、社会はボロボロになってしまった。政治不信、倒産、失業、自殺、殺人。かつて“ジャパン・アズ・ナンバーワン”なんて言われたのがウソみたいな落ち込みです」(政治ジャーナリスト)
とりわけお粗末だったのが、エラソーなことを言いまくりながら、最後に心身ボロボロで逃げた安倍だ。「美しい国づくり」を提唱し、「愛国心」条項を新設した改正教育基本法を成立させるなど、国民が望んでもいない悪政を進めた揚げ句、就任1年で政権を放り投げた。しかも臨時国会で所信表明演説を行なった2日後である。これほど無責任なトップはいない。
政治評論家の本澤二郎氏がこう批判する。
「自民党は全く愚かとしか言いようがない。さまつなことにイチャモンをつけることしかできない自民党は、衆院選で国民から見放され大惨敗したことの反省がまるでない。藤井大臣の辞任を批判する資格なんかありません。安倍さんや福田さんのように、一国の代表が前代未聞のぶざまな辞め方をしたことをすっかり忘れてしまったのか。お粗末過ぎて話になりません」
大島幹事長の”厚顔無恥ぶり”には呆れるばかり。
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