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『俳句への道』
P119

言うまでもなく和歌は叙情に適し、俳句は叙景に適する。

俳句は目に見た景色を写すのである。しかしながらその景色を写す動機は、作者の感動である。唯その感動を歌には言葉に現わすが俳句には言葉に現わさない。例えば、


古池や蛙とび込む水の音


といったのは、唯景色を叙しただけのものである。が、その景色を叙したのは、芭蕉の心がその景色を叙さねばならん衝動に駆られたのである。我らがこの句を咏じて感動するのは、その景色に感動するばかりでなく、芭蕉の心に感動するのである。