2007-12-06 ■ 言葉 俳句 言葉 俳句 『俳句への道』 P119 言うまでもなく和歌は叙情に適し、俳句は叙景に適する。 俳句は目に見た景色を写すのである。しかしながらその景色を写す動機は、作者の感動である。唯その感動を歌には言葉に現わすが俳句には言葉に現わさない。例えば、 古池や蛙とび込む水の音 といったのは、唯景色を叙しただけのものである。が、その景色を叙したのは、芭蕉の心がその景色を叙さねばならん衝動に駆られたのである。我らがこの句を咏じて感動するのは、その景色に感動するばかりでなく、芭蕉の心に感動するのである。