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【金曜討論】タレント知事の功罪 浅野史郎氏、佐高信氏

浅野史郎

ほとんどの知事は政治未経験者だ。これは決してマイナスでなく、むしろメリット。僕は国家公務員を23年7カ月間務めたので、知事になったとき行政についてはお手のものだったが、大きな改革や新しい発想をするときにはマイナスになる。『センス・オブ・ワンダー』、つまり驚きを感じる心が必要だ。

行政知識はなくても致命的ではない。ただ情報処理能力や優先順位をつける瞬発力など、かなりの知的水準が必要な仕事だ。知事は日常的に決断を迫られる。パフォーマンスだけでは駄目だ。

ただ、だれが知事になっても同じなら面白い方がいいという考えは非常に危険だ。青島幸男都知事のときがそうだ。軽佻(けいちょう)浮薄に近かったのでは。

佐高信

 「タレント、つまり人気商売は常に多数に寄っていく宿命だ。だから知事に一番向かないのではないか。多数の人気に自分を預けていて、自分の意見がありそうで、ない。例えば、東国原知事の国政への転出騒ぎがその象徴だ。『みなさんが許すなら』という言い方だった。自分に信念があって不人気でもやるということではなく、人気に寄りかかっている。橋下知事も反発を受けることを断行しているように見えるが、常に多数に乗っかっている。政治家や行政マンに必要な信念があるようで、実はない」

人気ほど不確かなものはない。風によって登場した人は風によって消えていく。(1期4年と短命だった)青島幸男都知事も人気がないことはやる気がなかった。