同じ議論のテーブルについている者どうしでも、それらの言葉の意味、定義が明らかに違っている。
たとえば道州制の一言によって頭に描き出される姿も、じつは十人十色だ。
大阪の橋下府知事などは大阪府を発展的に解消して、近隣他府県と“関西州”を作り、効率の良い広域行政を実現したいとしている。それはそれでひとつの見識であろう。
過去30年以上の行政改革の歴史がそれを立証している。器の議論は常にループホール(法や制度の抜け穴)を作られて、骨抜きにされる。
重要なことは器の議論ではなく、本当の地方分権を実現することである。
“中央集権”から“地方主権”へ。
これが地方分権の本質だ。
国民にもっとも近い距離にある市区町村(基礎自治体)をできる限りの予算と権限を与え、経営主体と自立させる。それが第一歩である。