演劇界をリードするその姿に、製作の松竹では「カエサルの多面的な人間性の魅力や、英雄としての力強さを同時に演じられる俳優は、幸四郎さんしかいない」と約1年前に出演を依頼。
幸四郎は、すぐに原作を読み、さらに、「ガリア戦記」というカエサルの戦中日記にも目を通した。「毎日が戦争で、今日生きていても明日死ぬかもしれない人生を送る男は、どういう考えで生きていたのか、すごい興味を持った」と人間的魅力に惹かれ、快諾した。
「恋愛でも外交でも、本当の大人の男は甘え上手で、甘えさせ上手でなければいけない。そういう意味で、チャーミングとインテリジェンスを兼ね備えた希有な英雄だと思う」
6月にはローマに飛び、カエサルの歴史に生で触れる取材を敢行する予定だ。
「僕は1000回、2000回やろうが初めてだろうが、気持ちは同じ。これまでの経験を詰め込んで、いろんな角度からキラキラと輝く真の英雄を見せたい」