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オバマ大統領の実績はなぜ評価されないのか 米国の人気政治コラムニストに聞く中間選挙の裏側 〜デヴィッド・マーク 「ポリティコ」シニア・エディター|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

 いくつか考えられるが、第1に経済状況が良くないことだ。米国は不況に陥って約3年になるが、景気回復の見通しはなく、多くの人が仕事に就けず、人々の怒り・不満は最高潮に達している。2つ目は医療保険改革など人々があまり望まない政策をオバマ政権が強行に進めていることだ。3つ目は過去2回の選挙で民主党が勝ちすぎたことに対する揺り戻しである。

 米国の主流層は依然としてかなり保守的であり、オバマ政権の巨額の財政出動を伴う「過剰な干渉」政策に対する反発が強い。彼らは連邦政府による生活やビジネスへの干渉は最小限にすべきと考えているのだ。

金融機関の救済に広い支持が得られないのは、米国人の多くは「ウォール街には悪党が多い。そんな連中を税金投入して助けた」と考えているからであろう。

 たとえ政府の経済刺激策が正しかったとしても、効果が出るまでしばらく時間がかかる。人々はその効果を実感するまでは評価しないだろう。

 また、多額の税金を投入して自動車業界を救済したことにも国民は懐疑的だ。米国の自動車産業は政府の支援で立ち直っても、国際競争に勝ち残っていけるかどうかわからない。

――医療保険改革は歴代大統領が1世紀近く実現を試みて挫折したことを考えれば、オバマ大統領の「偉業」ではないのか。


 そうかもしれないが、これには問題が少なくない。たとえば、民間保険の加入基準を緩和して多くの人が加入しやすくするというのが新制度の柱だが、それを保険会社に強制すれば保険料を引き上げざるを得なくなったりする。将来を見越してすでに保険料を引き上げ始めた会社も出ており、これでは保険加入者の負担が増えてしまう。


 また、新制度には莫大な税金が投入されることになり、財政赤字を制御不能な規模に拡大してしまうと懸念する人は多い。もしかしたら医療保険改革は今回の選挙だけでなく、今後長期にわたって民主党のダメージになるかもしれない。

――「反オバマ旋風」を巻き起こしている「ティーパーティ(茶会)」運動は誰が始めたのか。


 茶会にはきちんとした中央組織や党組織はなく、特定のリーダーも存在しない。連邦政府の支出増加や財政赤字拡大などを懸念する人々が集まり、草の根組織をつくって活動しているという状況だ。

 茶会の人たちは「小さな政府」や「自由市場システムの堅持」などを主張しているリバタリアン党の理念に近いと思う。茶会候補たちは中絶、同姓婚、銃規制など社会的争点にはほとんど関心を示さず、人種差別的・外国人差別的な発言も目立っている。