【講演】白川総裁「公共政策を遂行するという仕事」(京都大学) :日本銀行 Bank of Japan
成長率は高く、物価上昇率は低く、日本は先進国の中で最も高い経済パフォーマンスを示しており、日本中が熱気と自信に溢れているように見えました(図表2)。後から振り返ってみると、高い経済パフォーマンスと見えたものはバブルであり、自信と映ったものは慢心でした。バブル崩壊後、日本経済の成長率は徐々に低下し、何回かの景気循環を伴いながらも、経済の低迷が続きました。
結論を先取りして言えば、やや長い目で見て経済が良い方向に変化するか悪い方向に変化するかは、我々自身の意思、すなわち、民間部門の創意工夫の努力と政策当局による適切な公共政策の実行の両方に依存します。