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揺れる市場のQE3予想、FRB議長の「直球」手法は要警戒

バーナンキ議長が3月26日の講演で、超低金利政策の正当性に言及したことで高まったQE3期待は、3日に発表されたFOMC議事録で再び大きく後退した。

もともと議事録に示された3月13日開催のFOMCでは追加緩和の可能性に関する手掛かりがほとんど示されていない、との見方が多かった。「バーナンキ議長のハト派的な発言で強まった緩和期待が元に戻っただけ」(国内証券)とされ、市場では同議長の発言は今後割り引いて受けとめるべきとの声も出ている。

マーケットには、根強いQE3期待と早期の利上げ予想の両極端の見方がある。FRB幹部発言など材料によって、市場のセンチメントが両意見のどちらかに大きく振られる展開だ。こうしたQE3に対する市場の不安定な見方は、米景気が回復しながらも、雇用や住宅に弱さがみられるという景気状況が大きな背景だが、バーナンキ議長の「直球」手法も大きな要因になっているとの指摘もある。

東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏は「知らず知らずのうちにFRBの考えを市場に織り込ませていったグリーンスパン前議長と異なり、バーナンキ議長の手法は直球的だ。2014年や2%といった具体的な数値を示せば効果は大きいが、失望の反動も大きい」と述べる。

日経平均.N225は、短期筋のまとまった先物売りも出て3月13日以来の1万円割れとなった。市場では「日銀のマネタリーベース減少やFOMC議事録が嫌気された。現在は流動性相場であるため、流動性に関する材料に敏感だ。だが、流動性が吸収されるわけではなく、ショックは一時的だろう」(立花証券執行役員の平野憲一氏)との見方が出ている。