１２日に公表された報告書では、日銀の大規模な金融緩和策などでデフレ脱却を目指す日本について、去年後半から今月にかけて、円相場がドルに対しておよそ２０％値下がりし、１ドル１００円をうかがう水準まで円安が加速していることを報告しました。
そのうえで、こうした日本の政策が内需の拡大につながるのか「注視していく」と指摘しました。
また、円安の加速をきっかけに、金融政策を通じて通貨を意図的に安く誘導する通貨安競争への懸念が広がり、ことし２月のＧ２０の財務相・中央銀行総裁会議では、為替レートを競争力を高めるための政策を目標にしないことを確認しています。
これに関連して報告では、安倍政権の発足前に、政権幹部らが「行き過ぎた円高の是正」を目標に掲げていたことに触れたうえで、「アメリカは日本がＧ２０の合意を順守するよう求めていく」と指摘し、意図的な円安誘導と取られかねない政策対応を避けるよう求めました。
報告書は、マクロ政策による景気刺激は短期的には支持されるが、「構造改革の代わりとはならない」と強調。力強い景気回復と成長を拡大するためにも、「競争をはなはだしく阻害する規制の緩和」を通じて構造改革を日本は進めることが重要だと説いた。
