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米国為替政策報告書に書かれた アベノミクスへの“真っ当な”提言|金融市場異論百出|ダイヤモンド・オンライン

 日本の当局による為替市場での円売り介入は、2011年11月初旬を最後に実施されていない。米財務省が強く批判したことが影響している。同年12月に米議会に提出された彼らの為替政策報告書には次のように書かれていた。


「日本の単独介入は、為替市場のコンディションが秩序を保っていて、円・ドルの変動率がユーロ・ドルのそれよりも低いときに実行された。3月の地震後のG7による協調介入と異なり、合衆国はそれらを支持しなかった」


 その後、批判的な論調は消えたのだが、今年4月12日の報告書に変化が表れた。「安倍首相が12年12月16日に選挙で選ばれてからの何週間かの間、日本政府は『強過ぎる円を修正する』との声明を数多く発した」「(しかし2月のG7を経て)日本の当局は明らかに海外資産購入策を除外し、公の場では望ましい為替レート水準にコメントしなくなった」「我々は日本に対し、G7、G20で合意されたコミットメントに忠実に従い、国内手段でもって国内の目的を達成することを目指し、競争的目的のために為替レートを目標にしないよう圧力をかけ続ける」。


 国内景気対策のための金融緩和策の結果としての円安には目をつぶるが、介入や外債購入オペ、および円安誘導のための金融政策はやってはダメよ、とのメッセージがくどいほど書かれている。ウォールストリート・ジャーナルはこれを「日本への警告」と報じた。

 ところで、この為替政策報告書は、あくまで米国にとっての利害を著したもので、他国を思いやって書かれたものではない。しかし、今回は日本に関して、意外にも(?)極めて真っ当な忠告が書かれていた。「力強い経済回復をサポートし、潜在成長力を引き上げるには、国内の競争を過度に抑制している規制を緩和して、国内経済のダイナミズムを高めるための基礎的で一貫した対策を取っていくことが日本には重要だ。(今回の日銀緩和策のような)マクロ経済への刺激策は、短期的には経済を支えるが、それは生産性や潜在成長力を高めるための構造改革に取って代わることはできない」。