米国としては、すでに従属している日本より服わぬ中国が問題で、封じ込めと経済関係強化の矛盾 | 《櫻井ジャーナル》
1970年代以降、アメリカの衰退は隠しようがない。1991年にソ連が消滅するとアメリカを「唯一の超大国」と見なす人が現れるが、1980年代から導入された新自由主義政策によって富が一部に集中して貧富の差が拡大、国内の製造業や社会は壊滅状態になった。その一方で肥大化していったのが投機市場。仕事をせず、博打で暮らす国になったということだ。
アメリカを「唯一の超大国」と認識する人びとも経済力の衰退は否定できない。そこで力の源泉を軍事に求め、超大国になる可能性がある国を軍事力で潰していこう考えた。
アメリカやEUはロシアに対する経済制裁を叫んでいるが、これも無理だと見られている。現在、ロシアは大幅に値引きした価格でウクライナへ石油を販売、その代金が支払われていない状態。その石油がEUへ流れているのだが、ウクライナへの販売価格を正規に戻すだけで大きな影響が出る。
最も影響が大きいと見られているのは、ロシアが石油取引の決済をドル以外にするという報復。ドルが基軸通貨の地位から引きずり下ろされる可能性がある。
相場がインチキだというだけでなく、金塊が消えている可能性があるということだが、しかも博打に失敗した巨大金融機関は庶民のカネで救済され、不正を働いた人たちは「大きすぎて処罰できない」ということで自由に身。そしてまた不正を働く。その犯罪的な人脈が作り上げているのがアメリカの連邦準備制度であり、IMFや世界銀行。この仕組みを支えているのがドルなわけで、ロシアや中国を敵に回してドルを基軸通貨でなくすわけにはいかない。
ヌランド国務次官補やジョン・マケイン上院議員のようなネオコン(アメリカの親イスラエル派)、あるいは「アルバニア・ロビー」と密接な関係にあったロバート・ドール元上院議員たちはウクライナのネオ・ナチへ軍事支援するように求めている。つまり、ロシアとの核戦争、第3次世界大戦へ突き進めと言っているわけだ。