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天/天下思想/天道思想

・天人相関説
□「中国哲学で、人は天の小宇宙であるとし、天(自然)と人間世界との間に相関関係があるとする考え方。天と人間とは本質的に対応一致するとの天人合一思想を根底に生まれたが、天人相関説は自然現象の中に天の意志を忖度し、天象と人事との感応を説くもので、前漢董仲舒(とうちゅうじょ)がその著『春秋繁露(しゅんじゅうばんろ)』で論じた。それまでにも、天は人間的行為に応じて鳳凰麒麟・龍・紫雲・瑞星などの祥瑞を下すという祥瑞説があった。董仲舒は人間界の陰陽の調和と錯乱が自然現象と感応することを陰陽五行の理論を用いて説き、それは人事においてもあてはまると言う。たとえば、もし君主が天の理に反して万物の繁茂する春夏(農繁期)に刑罰を執行したり民を徴用したりすれば、民の怨嗟が生じて陰陽が乱れる、これが自然界の陰陽に感応して災害異変が発生する。そして、君主が無道をはたらき民生を損ねるなら天は災害を下して君主を譴責し、それでも失政を改めなければ異変を下して威嚇し、依然として悔い改めず背徳行為を行えば、天はついにその国を滅ぼすと言うのである。天は君主の道徳性、政治性に一々感応し、災害も異変も天の意志によってもたらされ、国家の運命すら天の意志に左右される、これが天人相関説である。この考え方は災異が人間界に対する審判の役割を担い、君主権が無限に肥大化して専制君主の横暴につながることを避けるための理論「災異説」として展開した」(串田[2001b:371])