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山本芳久

トマス・アクィナスが現在に至るまで影響力を保持しているのは、完成した神学体系を築き上げたからではありません。むしろ、未完成な発想の種を多数残しているからです。体系を完成させていくことによってこそ浮かび上がってくる、未来に対して開かれた思索の種と実践の課題というものがあるからです。