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キエフ、ウクライナにロシア軍がいないことを認める - The Voice of Russia

ウクライナ軍の大部隊がドネツクおよびルガンスクの義勇軍に包囲されている状況で、ウクライナ参謀本部高官が「ウクライナ東部にはロシア軍の部隊はいない」と認めた。それでも欧米の政治家たちは見て見ぬふりだ。


ルガンスクとドネツクの間にあるデバリツェヴォ村がいま焦点になっている。ドネツク首都攻撃に動員されたウクライナ軍人8000人が、通称「釜」の底に、つまりは包囲下に陥っている。引き続き大砲や迫撃砲を駆り、スナイパーも奮闘しているが、既に孤立無援である。弾薬も食料も医薬品も供給されない。包囲から脱出することは可能である。しかし、そのためには、進んで投降することが必須である。独立を宣言しているドネツク民共和国のアレクサンドル・ザハルチェンコ首相は現在前線で指揮を執っている。そのザハルチェンコ氏は次のように言う。


「今一度、全ウクライナ軍人に告げたい。武器を置き、立ち去るようにと。戦う相手を間違っている。命が惜しければ、投降しさえすればいい。皆あとで家に帰ることが出来る。それは保証しよう」


義勇軍はこれまで再三、捕虜に命の危険がないことを、行いによって証明している。これまで「釜」に捕えられたウクライナ兵士たちは、皆投降した。捕虜となった彼らのもとへは母親たち、妻たちが駆け付け、のち、揃って家に帰された。そしてこの兵士たちは、ウクライナ政権が彼らを欺いていたことを知ったのだ。ウクライナ政権が、包囲下の彼らを見捨てたこと。また、「ロシア人の侵略者どもと戦うのだ」というのは実は嘘で、彼らが標的にしていたのは、無辜の市民であり、また、ただ自分の土地を守るためだけに立ちあがった、炭鉱夫であり、農夫であったということ。それを知ったのだ。このようなことは、上層部の声高な批判の中には、たえて聞かれなかったことだった。キエフは繰り返し、ウクライナ東部で武器をとっているのは義勇軍などではない、ロシア軍の正規部隊だ、と主張していた。たとえば今月のダヴォス会議で、ウクライナのポロシェンコ大統領は、諸外国の代表団を前に、ロシア軍がウクライナ東部でいかに乱暴狼藉を働いているかを切々と訴え、侵略軍の撃退と戦災地の復興のためとして、資金援助を求めたのだった。


それが突如一転、ウクライナにはロシア軍はいない、そしていなかった、ということになった。それを認めたのはウクライナ参謀本部のヴィクトル・ムジェンコ長官である。長官は記者会見で、ウクライナ軍の交戦相手はロシア軍の正規部隊ではない、と述べた。ロシア人やロシア軍人が個別に戦闘に参加していることについては確証があるが、それにとどまるのみである、と。キエフははじめて、義勇軍やロシア政府が永らく主張してきたことを、やっと明示的に認めたのである。軍事評論家のヴィクトル・リトフキン氏は次のように語る。


ウクライナ参謀本部長官は、戦線の状況をよく知っているはずの人物である。彼が軍人らしい率直さで、ロシア人や軍事の専門家にはつとに明白だった事実、ウクライナ国内にはロシア軍人はいないという事実を認めたということは、彼にとっては名誉なことである。一方でこのことは、ウクライナのポロシェンコ大統領が、またNATOのストルテンベルグ事務局長が、はたまた米国の政治家たちが、いかに嘘つきで、シニカルで、二枚舌であるかということを示している。彼らは繰り返し、ウクライナで戦っているのはロシアの軍人たちである、と語ってきた」


ところで、「ロシアの侵略との戦い」というスローガンがあったればこそ、欧米は対ロ制裁を導入し、ウクライナに借款および軍事支援を送ったのである。今こそ謝罪と、方針転換の時ではないのか。知らなかった、分からなかった、誤って制裁を導入した、と。ところが、そうはならないのである。ウクライナ参謀本部長官の発言などで状況は変わらない。こうしていまいちど、ウクライナが欧米、特に米国にとって、ロシアとの関係に白黒をつける戦場であることがわかるのである。和平交渉の空転もそのためだ。キエフのクーデターが支持を受け、ウクライナ南部・東部住民投票の結果が考慮されないのもそのためだ。それが美名に過ぎないとき、西側のいう法と真実など誰に入り用であろうか。真実が西側の目的と一致しない時、その真実は西側にとって必要ないのだ。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150130#1422614258