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英総選挙 BBC「保守党が単独過半数の見通し」 NHKニュース

7日、投票が行われたイギリス議会下院の総選挙は開票作業が進み、日本時間の午後6時40分現在、議会下院の650議席のうち、98%に当たる637議席が確定しました。このうち、与党・保守党は322議席、最大野党・労働党は228議席を獲得しました。また、スコットランドの独立を目指すスコットランド民族党は56議席と改選前の6議席を大きく上回っています。
この結果、保守党が議会下院で第1党となることが決まり、BBCは、保守党が単独で過半数議席を獲得する見通しだと伝えています。キャメロン首相はこのあと、バッキンガム宮殿のエリザベス女王のもとを訪れ新政権を率いる意向を伝える見通しです。これに先立ちキャメロン首相は支持者らに対し「私はイギリスの国を一つにまとめあげ、政権を率いていきたい」と述べ、引き続き政権を担うことに意欲を示しました。一方、労働党ミリバンド党首は「われわれにとって非常に残念で困難な夜となった」と述べています。当初はどの政党も過半数議席には届かないとの予想が多かっただけに保守党が大幅にリードする状況について市民が「もっと接戦になると思っていた」と話すなど驚きを持って受け止められています。

キャメロン首相 待ち受ける課題は NHKニュース

注目を集めているのは、新政権がイギリスとEUとの関係を見直すことになるのかどうかです。現在はEUに加盟しているイギリスですが、キャメロン首相は2017年末までにEUからの離脱の賛否を国民投票で問う方針を示しています。
イギリスには、EUのほかの国々から年間におよそ20万人が移り住んでいますが、移民の数が増えた結果、国内の雇用が奪われたり、医療や学校などの公共サービスが圧迫されたりしたという批判の声が国民の一部からは聞かれます。また、EUが経済活動に課しているさまざまな規制への不満もあり、キャメロン首相は、こうした国民のEUに対する反発に応える形で、国民投票実施の方針を打ち出しました。
ただイギリスがEUから離脱してしまうと経済の停滞を招くとして、経済界を中心に強い反対意見があります。また、野党の労働党や、今回の選挙で躍進したスコットランド民族党国民投票の実施には反対です。
このため、新政権が反対を押し切って実際に国民投票の実施に踏み切れるのか、また、実施する場合どのタイミングで行うのかに注目が集まっています。

今回の選挙ではイギリス北部スコットランドの独立を目指す政党がスコットランドのほとんどの選挙区で勝利し、今後、独立を求める機運が高まるとみられることから、キャメロン首相の新政権がどう向き合うかに関心が集まっています。
スコットランドの独立を目指すスコットランド民族党は、地域の59の小選挙区のうち、56で勝利し、改選前の6から議席を大幅に増やしました。躍進のきっかけは去年9月に実施されたスコットランドの独立の賛否を問う住民投票です。独立は否決されたものの、スコットランド民族党住民投票を主導したことが評価され支持が広がりました。住民投票後に就任したスタージョン新党首は、保守党中心の連立政権が続けてきた緊縮策を終わらせることが最優先と訴え、中央政府に不信感を抱いていたスコットランドの住民の間で支持を広げました。
今回の選挙での躍進を受けてスタージョン党首は、「われわれの仕事はスコットランドの住民の権利を守ることだ」と述べ、再び独立の賛否を問う住民投票の実施を目指すものとみられています。スコットランド民族党は、キャメロン首相が唱えるEU=ヨーロッパ連合からの離脱の是非を問う住民投票や新たな原子力潜水艦の建造には反対していて、新政権がスコットランドの問題にどう向き合うかに関心が集まっています。