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インタビュー:アベノミクスは失敗、必要なのは円高=サクソバンクCIO | Reuters

デンマーク投資銀行サクソバンクのスティーン・ヤコブセン最高運用責任者(CIO)は17日、ロイターとのインタビューで、安倍晋三首相の経済政策であるアベノミクスについて「すでに失敗している」と述べ、日本には円高が必要だとの見解を示した。また、日本企業は為替を言い訳に改革を怠っていると指摘し、利益の増加や生産性の向上などに努めるべきだと主張した。


コペンハーゲンに本拠を置くデリバティブ取引の世界的大手で、毎年末に発表する向こう1年の金融市場に関する「大胆予測」でも知られる同行だが、ヤコブセン氏はチーフ・エコノミストとしてその予測の責任者も務めている。


インタビューは同氏が来日した17日に東京で行った。概要は以下の通り。


――日本経済の現状をどうみるか。


アベノミクスは失敗に終わったと思う。(「アベノミクス2.0」として打ち出された)新三本の矢は、もはや矢ではない。構造改革はどこに行ったのか」


中央銀行が低金利政策をこれ以上継続しても効果がないことは政策担当者や学識者も認めるところだ。むしろ財政政策に対する負の影響が上回っているのが現状。


だからこそ日銀も追加金融緩和に踏み切っていない」


「日本の公的債務の対国内総生産(GDP)比はすでに高く、日銀も政府も、本来すべき減税ができず板挟み状態になっている。


「日銀のバランスシートは今も拡大しているが、拡大のペース自体は鈍化した。その傾向は今後さらに強まるとみている」


――為替について。


ドル円相場の上昇に伴い資産価格は上昇してきたが、それも最終局面に差しかかっている。一時的に130円まで上昇する可能性はあるものの、1年後にはドルが下落し、2年後にはさらに一段のドル安が進むとみている」


「ドル下落は、私が2016年に起きると考える変化だ。ドル安になれば、コモディティ価格は安定し、新興国市場の投資意欲は高まり、ひいては日米欧の輸出セクターへの追い風となり、世界経済の成長に寄与するだろう」


「もし私の予想が外れて来年ドル高が進むなら、世界経済は減速してデフレに直面し、新興国市場はさらなる危機に瀕するだろう」


――日本に求められることは。


「私は、日本に必要なのは円高だと確信している。


日本は今年を振り返り、低金利、エネルギー安、円安の1年の末にリセッション(景気後退)に陥ったという現実を見つめるべきだ(16日発表の7─9月期GDPが2四半期連続でマイナスとなり、欧米の定義ではリセッション入りとされる)。


円安は資産価格を人為的に上昇させはするが、それは長期的かつ継続的な企業の収益力強化や生産性向上に基づくものではなく、日本経済の問題の解決策とはならない」


「通貨安政策を取ることは、いわば他国に負担を負わせて時間稼ぎをしているにすぎない。日本は本当にすべきことを見失った結果、国内企業の設備投資は落ち込み、日本の競争力を大いに弱めた。


円安の恩恵を受けるのは主に輸出企業だが、同セクターがGDPに占める割合は減少傾向にある。一方で、輸入価格の上昇により多くの日本人の可処分所得は減っている」


「日本にはモーニングコールが必要だ。長い眠りから呼び覚まされなくてはならない。それができるのは円高だと思う。


日本企業はかつては円高、今は円安を盾に使って十分な改革を進めず、政府や取引先企業との近過ぎる関係を解消しないでいる。


しかし為替は言い訳にすぎない。問題は円ではなく、イノベーションやガバナンス、収益構造の改革、経済が政府の強過ぎる影響力から脱することができるかなのだ」

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20151117#1447756621


#アベノミクス