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シリアのクルド人勢力は、内戦の混乱のなか、北部の広い地域を支配していて、過激派組織IS=イスラミックステートと地上で戦う主力として欧米とロシア双方の支援を受ける一方、最近は、反政府勢力とも戦い、支配地域を拡大しています。
クルド人勢力は、17日、シリア北部で会合を開いたあと、3つに分かれた支配地域を統合したうえで、大統領職と議会を設け、自治を始めると宣言しました。
これに対して、アサド政権は、「法的な根拠がない」と不快感を示し、反政府勢力も「シリア国民の意思を損なうものだ」として非難しました。
シリアの内戦を巡っては、終結を目指してスイスでアサド政権と反政府勢力の間で和平協議が続けられていますが、クルド人勢力は、隣国トルコなどの反対で、協議への参加を認められておらず、今回の自治宣言が、協議に影響を及ぼすことも予想されます。
また、トルコは公式の反応を出していませんが、この地域でクルド人が独立を求める動きに神経をとがらせていることから、現在続けているクルド人勢力への国境をまたいだ攻撃をさらに強めるとみられ、この地域の緊張が高まることも懸念されます。