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アマゾン、利益出さずに巨額現金生むモデル…楽天、在庫リスクゼロで会員顧客を循環させ利益 | ビジネスジャーナル

 アマゾンが店舗を開く理由というか、小売業がオムニチャネルを進める理由は2つある。


1.消費者の選択肢を増やすことで優良顧客を育成


 複数のチャネルで購買する客は、ひとつのチャネルだけで購買する客よりも購買金額が高くなることは、日本でも海外でもデータで裏づけされている。世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマート最高経営責任者(CEO)も15年に、「店舗だけで購買している客の年間累計購買金額は1400ドルだが、ネットでも買っているマルチチャネル購買客の累計購買金額は2500ドル、そしてネットだけで買っている客の場合は200ドルだ」と発言している。


2.物流拠点として店舗を利用することによる経費削減


 即日か翌日配送、そして配送無料という威力あるオファーをコスト安に実現するためには、客自身が注文した商品を店舗まで取りに来てくれるのが一番。また、販売企業も、物流センターからではなく店舗から顧客自宅に配送する方法もとれる。そのため、一定規模の小売業であれば、オムニチャネル戦略を採用しようと思うはずだ。

 15年6月の日本流通新聞発表によると、日本におけるB2C(企業が個人消費者を対象に行う電子商取引)のネット通販売り上げランキングは、アマゾンジャパンがダントツで7000億円、2位は千趣会の831億円、そのあとはヨドバシカメラ、デル、ニッセンと続く。


 ちなみに楽天は、ショッピングモールに出店している小売業者からの出店料や手数料が収入源となっているため売上高は低いが、14年度の流通総額は2兆円ほどある。

 マーケティング情報専門紙の日経MJは、15年6月に発表した小売業調査において、「14年度にネット販売で『利益が出た』とした企業は回答社の34.2%にとどまり、ネット通販での利益確保が難しいことを示している」「(配送費の上昇もあり)『稼げるモデル』はまだ構築されていない」と書いている。


 ネット通販に進出した多くの企業が目標としているアマゾン自体が、創業後20年以上たってもいまだに継続的に利益を出していないのだから、日経MJのコメントは驚くべきことでもない。


「稼げるビジネスモデル」ということで大手eコマースを比べてみると、アマゾンにしても楽天にしても、在庫リスクの低いビジネスモデルだということに気がつく。楽天にいたっては、モールのオーナーとして出店料と売上高の一定割合を徴収するだけで、自社の在庫リスクはゼロだ。


 最近はモール全体の売り上げが落ちていると騒がれているが、今の楽天は営業利益の2割を稼ぐまでになっている金融サービスのほうに力を入れているのではなかろうか。モールを運営するのにかかる人件費や時間と比べて、金融サービスは手間暇がかからない割りに利益率の高いビジネスだ。モールビジネスで獲得した会員を金融サービスに循環させる――。これが楽天の利益を稼ぐ仕組み(ビジネスモデル)だといえる。

 利益を出してはいないが、潤沢なキャッシュフローと投資家に夢を売るのが上手な天才的CEOのおかげで株価は高どまりしている。これを、eコマースの理想のビジネスモデルといえるのだろうか。


 もっとも、アマゾンが潤沢なキャッシュフローを生み出すことができたのには、それなりの仕組みがあったからだ。


 アマゾンが最初に書籍を取り扱うことにしたのは、消費者が品質の違いを懸念する必要がない(どこで買っても同じという安心感)、アイテム数が300万点に上り大きな書籍チェーン店でもすべてを取り扱うことはできないといった大まかな理由があったからだ。だが、さらにもうひとつアマゾンを利する重要な理由が存在した。


 当時の米国には、書店は書籍が入荷した90日後に代金を出版社(あるいは取次代理店)に支払うという慣習があった。その一方で、ネット販売では客がクレジットカードで支払ってくれれば、入金は2日以内になされる。


 その後、出版社への支払いは58日に短縮せざるを得なくなったが、それでも在庫回転率を高めることで(当時の回転率は40〜50)、書籍を在庫として持つ日数を平均17日に短縮することができた。結果、平均して支払いの41日前に入金される体制がつくられた。


 つまり、アマゾンは顧客が支払ったお金を平均41日間、キャッシュフローとして手元に置くことができたわけだ。これは、フリーキャッシュフローを生み出すための優れた仕組み(ビジネスモデル)といえる。


 最近のアマゾンの在庫回転率は9.5前後で、8弱のウォルマートより少し高い程度だ。書籍以外の多種多様な商品を販売しているため下がってきているのだ。しかし、取り扱い商品の多くは受託販売やドロップシッピングなので、顧客からの入金とサプライヤーへの支払いの間には、書籍ほどではないが、ある程度の日数がある。また、キャッシュフローに悪影響を与える在庫が膨らむ率も低い。

アマゾンの配送を引き受け「正直しんどい」 過酷すぎるヤマト運輸の実態 - ライブドアニュース

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160418#1460976472
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160417#1460889628