NATOは、ウクライナのクリミア併合以降、ロシアの軍事的な脅威が高まっているとして、バルト3国とポーランドに4つの部隊を配備することで、先月合意しました。
これについて、ロシアのプーチン大統領は30日、「数十年かけて築かれた軍事的な均衡を崩す」と述べ、来週NATOの首脳会議が開かれるのを前に、ロシア国境付近で軍事力を増強させる動きをけん制しました。そのうえで、「軍拡競争には参加しない」としながらも、「ロシアが弱体化することはないし、国民の安全は保障する」と述べ、軍事的な均衡を維持するため、何らかの対抗措置をとる考えを示しました。また、イギリスが国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を選択したことについては「影響を注視する」と述べました。
ロシアでは、ウクライナ情勢を巡る対ロシア制裁で強硬な立場をとるイギリスが、EU離脱を選択したことで、制裁が緩和に向かうのではないかという見方が出る一方、ヨーロッパの国々がNATOの結束をより重視して、ロシアにとっての安全保障上の懸念が増すのではないかという受け止めも出ています。
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