https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

高知出身の思想家、中江兆民は明治時代にフランスの哲学者ルソーの思想を日本などに紹介したことから、東洋のルソーと呼ばれ、自由民権運動の理論的指導者となりました。


今回見つかったのは兆民の代表作「三酔人経綸問答」の原稿で、114枚の和紙に毛筆で記され、2つの冊子にとじられた状態で残されていました。
「三酔人経綸問答」は、思想の異なる3人の人物が酒の席で、19世紀の世界情勢における日本の在り方を議論するという設定の作品です。


見つかった原稿は後半の4分の1ほどが下書きのままで、調査に当たった国文学研究資料館は、少なくともこの下書き部分と、前半の清書部分に書き加えられた訂正の記述については、兆民の直筆と見ています。


国文学研究資料館谷川恵一教授は「原稿には訂正箇所が多く、兆民が執筆の過程で試行錯誤をした跡がうかがえる。近代日本を代表する思想家が、どのように作品を書き進めていったかが検証でき、学術的にも大変意義深い資料だ」と話しています。


この原稿は、国文学研究資料館などが進めている古典資料のデータベース化を進める事業の中で確認されたということで、来月8日から高知市の自由民権記念館で展示されます。