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「安倍政権は崩壊前夜だ」と言うと、「そんなバカな」と大方の人は思うだろう。「希望的観測だね」とたしなめられることもある。


 衆参両院で安定多数を確保、野党第一党は勢いも人気もない。維新の会も次世代の党も与党ににじり寄る。安倍体制は盤石。誰が見ても政権を脅かす勢力はない。こういう時に内部崩壊の芽は膨らむ。

 安倍首相は正月の挨拶で「今年に解散することは考えていない」と発言し政界をビックリさせた。安倍はスピーチライターが書いた言葉をなぞる演説が多いため、会合の挨拶などプロンプターがないと、あやふやなスピーチになる。「年内解散なし」など言ってはいけない言葉がポロリと漏れ、後で訂正する醜態を演じた。永田町の空気は一変した。やはり今年は無理なのか、と。


 年末に都議会公明党自民党と共闘を解消し、小池与党にまわった。夏に予定されると議会選挙は小池知事と組んで戦う。この動きが安倍の選挙戦略を揺さぶった。


衆院単独過半数を占める自民党だが、小選挙区には公明票を上積みしないと当選が危うい議員がたくさんいる。東京で選挙協力に支障が出るなら解散はすぐ打てない――。


公明党の内部に「安倍自民党の驕り」への反発が強まっている。発端は「カジノ解禁」だ。TPP関連法案を通すため、と会期を延長した臨時国会で、自民党はろくな審議もないままカジノ解禁を強行した。党内で賛否がまとまっていない公明党は「自主投票」を余儀なくされ、賛否が割れるぶざまな姿を晒した。


自民党は大阪にカジノを誘致したい維新の会を取り込むため、公明党の事情を無視したのである。自公共闘があるから安倍自民は安泰なのに、与党の枠を広げようと維新に接近する菅官房長官のやり方に、怒りが渦巻いている。安保法制や秘密保護法でも、支持母体の創価学会に異論があったが、自民に付き従った。離反すると維新の会に乗り換えられる不安があった。公明は与党から抜けられない、と見透かされ粗略な扱いを受ける公明党が、都議会で「抵抗姿勢」を示した。


 維新、次世代が与党になびき、安倍政権への体制固めが着々と進んでいるように見える。だが、与党は膨張することで内部分裂という危機を抱えることになる。

自民党は地方で強い、という神話が揺らいでいる。参議院選挙で接戦となった1人区ではほとんど競り負けた。自民党は「天下党」なのでどの自治体でも息のかかった候補者がいる。野党は強い候補者が立てられない地域がほとんどだが、争点が明確になり、野党候補が様になる選挙ができる場面になると自民はもろい。典型が新潟知事選だ。原発が争点となり共産・社民と市民運動が応援した候補が勝った。鹿児島でも同じことが起きている。「アベノミクスは道半ば」というが、地方は恩恵が来ないことに気づいた。TPPはトランプで頓挫したが、自民党が農民の味方ではないことも浸透している。


 30もの自治体が「カジノ誘致」に手を上げているのも、他に頼るものがないからだ。そのカジノも地方には来ないことが遠からず分かる。


 地方の小選挙区で自民が危ないのは「都市部である1区」と言われてきたが、いわゆる「田舎」で自民党は弱くなっている。


「企業が世界一働きやすい日本に」という安倍政権は、小泉・竹中路線の新自由主義が政策の軸にある。置き去りにされる地方はもはや自民党金城湯池ではない。


「安倍官邸に権力が集まり政治家も役人も上ばかり見るようになった。中央や官邸に目が向かい津々浦々で何が起こっているか、ということに鈍感になった。反乱は地方から起こるかもしれない」


自民党の閣僚経験者はそ指摘する。外遊好きの安倍首相は、フィリピンで1兆円の経済協力など海外で気前よくカネをばら撒く。日本の地方に暮らす人が、それをどう感じるのだろうか。

 安倍官邸の「驕り」を映し出したのが天皇の退位問題だ。ビデオメッセージに込められた「天皇陛下のご意向」に安倍政権の対応は正反対だ。「国民の象徴として公務に力を入れたい」「高齢になると務めを果たせないから、生前退位を認めてほしい」という天皇に対し「ご公務は減らせばいい。生前退位は制度化しない、今回限り」というのが安倍政権である。天皇の内心はいかばかりか。異例のビデオメッセージという手段に出たものの、政府は「迷惑」と言わんばかりの対応だ。


 安倍首相は保守の政治家なのに天皇を粗略に扱っている、というイメージが形成されつつある。被災地や戦争の傷跡を訪問され、国民や平和な世の中に寄り添おうとする天皇の姿勢は人々の静かな共感を集めている。「安倍か、天皇か」という選択になれば、天皇に軍配を上げる人が多いのではないか。


天皇制という昭和史を波乱に巻き込んだシステムが、平成の世に新たな問いかけをしている。「国民統合の象徴」として自らの任務を生真面目に貫こうとする天皇と、それを迷惑に思う首相。


「ご意向」を「無視」ですり抜けようとするならば、民心はどう反応するだろう。


共産党は、3年ぶりに開いた党大会で、これまでの自民党と個別に対じする「自共対決路線」から民進党などとの「野党共闘路線」へ転換し、野党4党による「野党連合政権」の実現を目指すなどとする決議を採択しました。


志位委員長は「野党共闘を発展させ、安倍政権を倒して、『野党連合政権』への道を開く流れを作っていきたい」と強い決意を示していて、次の衆議院選挙に向けて民進党などと小選挙区の候補者調整や共通して訴える政策の協議を進める中で、政権構想についても一定の合意を得たい考えです。


ただ、民進党は野田幹事長が「安倍政権の打倒を目指すという目的は一致しているが、打倒したあとの政権のありようについては、われわれの考え方と共産党とは違う」と述べるなど、政権構想にまで踏み込んだ連携には否定的な姿勢を崩しておらず、「野党連合政権」の実現に向けた道筋は依然として不透明な状況です。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170118#1484737611
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170117#1484650400
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170115#1484477326
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170110#1484045034
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170109#1483958253
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170108#1483872142

#政界再編#二大政党制