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諫早湾干拓事業をめぐり、干拓地のおよそ450人の農業者などは、湾を閉めきった堤防の排水門を開けると海水が流れ込んで農業被害が出るなどとして、開門しないよう国に求める訴えを起こすとともに仮処分を申し立てました。


仮処分については、長崎地方裁判所が4年前とおととし、開門を禁止する決定を出し、その後の正式な裁判で、国と農業者、それに開門を求める漁業者の和解協議が行われましたが、意見の対立は解消されず、先月、協議が打ち切られました。


17日の判決で、長崎地方裁判所の松葉佐隆之裁判長は「開門すれば干拓地の農地に塩害などが発生する可能性が高い一方、諫早湾の漁場環境が改善する可能性は高くない。開門調査によって、堤防の閉めきりと漁獲量の減少との関連性などを調べても解明できるかは不明で、農業に重大な被害のおそれがある」として、仮処分の決定に続き、国に開門の禁止を命じました。


7年前には、今回とは逆に、福岡高等裁判所が漁業者の訴えを認めて開門を命じた判決が確定していて、司法の判断が相反する状態が続くことになります。

判決のあと、農業者側の弁護団は、裁判所の前で、「勝訴」などと書かれた紙を掲げました。弁護団長の山下俊夫弁護士は、「当然予想していた判決だ。司法の場では開門を認めないという判断が完全に定着している。今回の判決はこの司法の流れを決定づけるものとして意義がある」と述べました。

判決が言い渡されたあと、「補助参加人」という立場で裁判に加わっている漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は、「ごく限られた農業被害を理由に開門を差し止めるという極めて偏った判決で、信じがたい結論だ」と述べました。そのうえで、「問題の解決は話し合いでしかあり得ず、有明海の再生に向けて徹底的に戦っていく」と述べ、判決を不服として控訴の手続きを進める考えを示しました。