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米景気拡大が9年目に入った1999年、当時のグリーンスパン連邦準備制度理事会FRB)議長は、先手必勝の金利変更という自身の原則よりも、辛抱強く待つ方が良策の場合があるのを認めた。「先を見通すには将来があまりにも不透明なケースがあるのではないか」というのが理由だった。


  現在の米金融当局者の一部にとって、今は事態が明確となるのを待つ時であると感じられるだろう。


  経済の進路を先取りし、予想に基づき金融政策を決める先制的措置は、グリーンスパン氏の時代の戦略だが、一部の当局者の間で信頼が揺らぎ始めている。現行の景気拡大が9年目に入り、労働市場が逼迫(ひっぱく)して世界的な成長に改善が見られる中でも、予測していたようなインフレ加速はなく、その理由もまだ理解されていないためだ。


  ディシジョン・エコノミクスのアレン・サイナイ最高経営責任者(CEO)は「一般通念は1990年代に通用せず、今も通用していない」と語った。


  米金融当局がインフレに先手を打つべきか、静観すべきかという議論は連邦公開市場委員会(FOMC)の次回会合を19、20両日に控えて白熱しつつある。労働市場のさらなる逼迫を容認するか、かつて信じられていた政策に頼って機先を制して景気を冷ますか、ブレイナードFRB理事やダドリー・ニューヨーク連銀総裁ら有力な当局者が異なる見解を示している。


  当局者は金利据え置きを決める一方、4兆5000億ドル(約495兆円)に上るバランスシートを徐々に減らすプロセスの開始を発表すると見込まれている。しかし、インフレ率が過去5年間の大半の時期にわたり、2%の目標を下回って推移している理由について、年内のもう一回の利上げを主張するタカ派と先送りを支持するハト派との間で議論が先鋭化することになりそうだ。


原題:Fed’s Patient-or-Preemptive Clash Looms as Inflation Misses Goal(抜粋)