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24日閉会した中国共産党大会で、今後5年間、党の指導機関として重要な政策や人事を決めるおよそ200人の新しい中央委員の選出が非公開で行われました。


閉会後、国営の新華社通信が発表した中央委員の名簿の中に、これまで10年間、トップ25人の政治局委員を務めた李源潮国家副主席の名前がなく、新しい中央委員に選ばれませんでした。


李副主席は66歳で、党指導部で引退するのが慣例となっている68歳に達していませんが、中央委員でなく政治局委員でもない李副主席が再び副主席に選出される可能性は低く、今後の処遇が注目されます。


李副主席は5年前までは胡錦涛国家主席の信頼を得て党の要職も務め、一時は最高指導部入りすると目されていただけに、そのちょう落ぶりに国民の一部には驚きが広がっています。


また、24日の党大会で、政治局委員の趙楽際氏が汚職撲滅を進める130人余りの党の規律検査委員の一人に政治局委員で唯一選出されたことから、習指導部で汚職撲滅を指揮した王岐山氏の後任になることが確定しました。


新しい中央委員は、25日、北京で初めての総会を開き、今後5年間の党の最高指導部となる政治局常務委員を正式に選出する予定で、今の常務委員7人のうち、留任する習主席と李克強首相以外の5人の人選が注目されています。


人選をめぐっては、当初、習主席の元部下で、最近急速に昇進している重慶市トップの陳敏爾氏と、5年前に49歳の若さで政治局委員に抜てきされた広東省トップの胡春華氏の、ともに50代の2人が、次の世代のリーダー候補として最高指導部入りするとも指摘されていましたが、中国筋などによりますと、今回は2人とも見送られる可能性があるということです。


一方、5年前から党の要職につき、習主席の側近として仕えてきた栗戦書氏と、胡錦涛国家主席に重用され、この5年は経済担当の副首相を務めてきた汪洋氏は、最高指導部入りすると見られています。


党規約にみずからの指導理念を盛り込み、毛沢東に迫る権力と権威を手にした習主席が、今回の指導部人事で次の世代のリーダー候補を抜てきしなければ、円滑な指導者の交代のため、事前に若手の幹部を最高指導部入りさせるという、長く続いてきたパターンを踏襲しないことになり、2期目の5年間の任期のあとも、最高指導者としてとどまる可能性が指摘されています。

政治局常務委員は中国共産党における最高指導部で、5年前に発足した習近平指導部では7人いました。
7人は「チャイナ・セブン」とも言われ、ピラミッド型の権力構造となっている中国共産党の頂点に位置してきました。


政治局常務委員には序列があり、1位が「総書記」です。
現在は習近平氏が序列1位で、「国家主席」も務めています。
序列2位以下の常務委員も通常、首相などの重要ポストを務めます。


中国共産党の最高意思決定機関は党大会ですが、日常的な重要事項は政治局常務委員のメンバーが決めています。
メンバーの人数は、多数決で決めやすいよう奇数が慣例となっています。
最近では1992年と1997年の党大会では7人、2002年と2007年の党大会では9人が選ばれ、5年前の党大会では2人減って再び7人となりました。


絶大な権限を持つ政治局常務委員に誰が選ばれるかは党内の権力構造に大きな影響を及ぼすだけに、2期目の習近平指導部で新たに選ばれる顔ぶれが注目されています。


中国では、5年に1度の共産党大会が閉会したことを受けて25日、共産党の中央委員会総会が開かれ、党のトップ、総書記に習近平国家主席を再選し、李克強首相も留任させたほか、新たな最高指導部のメンバー、政治局常務委員を選出しました。


新たな最高指導部は、これまでと同じ7人で、習主席と李首相のほか、5年前から党の要職に就き、習主席の側近として仕えてきた栗戦書氏、習主席の下で経済担当の副首相を務め、アメリカとの貿易交渉などを行ってきた汪洋氏、政策ブレーンとして外遊に常に同行するなど習主席を支えてきた王滬寧氏、人事を取りしきる党の中央組織部長として習主席の基盤固めに尽力した趙楽際氏、上海市で一貫してキャリアを積み、かつて習主席が上海市のトップを務めた際に部下として仕えたこともある韓正氏が選ばれました。


総会終了後、習主席は、最高指導部のメンバーとともに内外の記者団の前に姿を現し、1人ずつ紹介したうえで、「われわれは必ず職務を果たし、勤勉に働き、使命に恥じず、期待を裏切らないようにしていく」などと述べ、2期目に向けた決意を示しました。


習主席は、みずからが信頼を置く人物を登用し、大きな権力を集中させる形で2期目の指導部を発足させました。


中国はかつては経済成長率が毎年10%程度に達する高成長を続けていましたが、習近平指導部の発足後、2013年から去年までの成長率は平均で7.2%に低下し、世界一の人口と割安な人件費を背景に安い商品を輸出することで成長を続けてきた経済モデルは転換を迫られています。


このため、習近平国家主席は今回の党大会での政治報告で「2035年までにイノベーション・技術革新で世界上位に上り詰める」という目標を掲げて、今後ITなど次世代の産業を育成し、経済の構造改革を進める考えを強調しました。


ただ、中国では2008年のリーマンショックのあとに打ち出した経済対策で、インフラや設備など大規模な投資を行った結果、鉄鋼や石炭といった産業では需要を大幅に上回る過剰な生産能力を抱えることになりました。


また、国有企業をはじめとする企業の債務は、GDP=国内総生産に対する比率でバブル期の日本を超える水準に達していて、国際機関などから「経済成長を急減速させかねない」と指摘されています。


さらに長年の懸案となっている住宅価格の高騰に対応する必要もあります。中国では去年、大都市で1年間に住宅価格が30%から40%も以上も高騰するところがありました。


政府が頭金の比率の引き上げなど購入制限を強化した結果、現在は価格高騰が落ち着いてきていますが、中国の住宅政策はこれまでバブル抑制のための規制強化と、景気対策としての規制の緩和を繰り返してきました。


中国の新指導部はイノベーションを通じて経済の柱となる新しい産業を育成すると同時に、過剰な生産能力や債務の整理、それに不動産バブルの対策など投資に偏ったこれまでの経済運営で生じた負の遺産を整理して、構造改革を進める必要に迫られています。