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イラク政府は今月16日、クルド自治政府が実効支配してきたキルクークの油田地帯に部隊を送って制圧したあと、双方が管轄権を争うすべての地域を支配下に置き、両者の間で緊張が続いています。


これを受けて24日、クルド自治政府の議会は来月1日に予定されていた、自治政府のトップに当たる「議長」の選挙と議会選挙を8か月延長することを決めました。


バルザニ議長は、与党が過半数を占める議会と裁判所の決定に基づいて4年前から任期を延長しており、今回の決定でさらに8か月、自治政府の議長の職にとどまることになります。


これに対して、クルド議会の野党は、バルザニ議長率いる与党がイラク中央政府や周辺国の反発にもかかわらず独立の賛否を問う住民投票を強行したことが混乱を引き起こしたとして反発を強めています。さらに、与党の中にもバルザニ議長に反発する勢力があって、イラク軍がキルクークなどに展開する際に中央政府と通じて協力したとの見方も出ており、住民投票をきっかけにクルド内部での対立が表面化しています。