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トランプ大統領は日本時間の7日未明、ホワイトハウスで演説し、中東のエルサレムについて「イスラエルの首都と認める時が来た。これは現実を認めることで、正しいことだ。新たなアプローチの始まりだ」などと述べ、公式にイスラエルの首都と認めると宣言しました。
そのうえで国務省に対し、現在テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転する準備を始めるよう指示すると明らかにしました。


一方でトランプ大統領は「この判断は和平合意の促進にアメリカが強く関与するという決意を変えるものではない」と述べ、中東和平の実現に強い意欲を示しました。
またペンス副大統領を近く中東地域に派遣すると明らかにし、各国にこうした考えを説明するものと見られます。


エルサレムは、イスラエルが首都だと主張していますが、イスラエルの占領下にあるパレスチナ側も将来の独立国家の首都と位置づけていて、国際社会はイスラエルの首都だとは認めていません。


トランプ大統領の判断に対し、パレスチナ側は反発を強め、抗議行動を呼びかけていて、イスラエル政府は警戒を強めているほか、イスラエルなどのアメリカ大使館は、現地にいるアメリカ人に安全に注意するよう呼びかけています。


イスラム諸国では8日、金曜日のイスラム教の集団礼拝に合わせて、各地で抗議デモが行われることも予想され、中東情勢の不安定化につながるのではないかと懸念が広がっています。

エジプト政府によりますと、シシ大統領は6日、パレスチナアッバス議長と電話会談を行いました。
この中でシシ大統領は、トランプ大統領の決断は国際的な決議などに反するもので、認めないとの考えを伝えたということです。


また、エジプト外務省も、トランプ大統領の決断を非難する声明を出し、地域の安定や和平プロセスの今後に悪影響を与えるおそれがあるとして憂慮の念を示しました。

イラン外務省は6日、声明を発表し「イスラム教徒をあおりたて、過激主義や暴力を助長するものでありその責任を負うことになるだろう」としてトランプ政権を強く非難しました。


そのうえで「アメリカ政府の挑発的な決定は、この地域の平和と安定のためにならないどころか、アメリカの信用をさらに失わせるものになるだろう」として、イスラム諸国などと連携して決定を見直すようトランプ政権に求めていくとしています。

トルコ外務省は6日、「無責任な発表を大きな危惧を持って受け止め、非難する」とする声明を出しました。


声明では、アメリカ政府の決定が国際法やこれまでの国連決議に違反するものだとして「国連安全保障理事会常任理事国であるアメリカが無視することは許されない」と指摘しています。


そのうえで「地域の安定に否定的な影響を及ぼし、中東和平の土台を完全に損なうおそれがある」として、アメリカ政府に対し決定を見直すよう求めています。

イギリスのメイ首相は声明を発表し、エルサレムの地位はイスラエルパレスチナの交渉によって決められるべきだとする従来の立場を強調したうえで、「アメリカの決定は和平のためにならず、イギリスは反対だ」と述べました。


そして、「イスラエルパレスチナの対立を終わらせたいというトランプ大統領の願いにはイギリスも同感だ。アメリカ政府には今こそ対立を解消するための具体的な提案を示してほしい」と呼びかけました。
また、「和平プロセスを成功させるには暴力があってはならない」とし、すべての当事者に暴力に訴えないよう呼びかけました。

フランスのマクロン大統領は6日、訪問先のアルジェリアで声明を発表し、「遺憾で受け入れられず、国際法や国連安全保障理事会の決議に違反する決断だ」と述べて、トランプ大統領の決断を非難したうえで、フランス政府としては、エルサレムを首都と認めないことを強調しました。


さらにマクロン大統領は「エルサレムの地位は安全保障に影響を及ぼし、国際社会全体が懸念する問題だ。われわれはなんとしてでも暴力を回避し、対話を優先させなければならない」と述べ、暴力的な衝突に発展しないよう冷静な対応を呼びかけました。

ドイツのメルケル首相は、6日、声明を出し、「トランプ政権のエルサレムについての立場を支持しない。エルサレムの地位は、イスラエルパレスチナの2国共存に向けた交渉の一環として解決されるべきだ」と述べました。


この中でネタニヤフ首相は「トランプ大統領の勇気ある決断に大いに感謝したい。トランプ大統領は約束を果たし、和平を前進させてくれた。なぜならエルサレムイスラエルの首都だと認めない和平合意はありえないからだ。われわれは今後も和平の夢がかなうようトランプ大統領に協力していくつもりだ」と述べました。


そのうえでネタニヤフ首相は「アメリカにならってほかの国々もエルサレムイスラエルの首都と認め、大使館をエルサレムに移転するよう呼びかけたい」と述べ、エルサレムを首都とするイスラエルの主張が国際社会に受け入れられるよう働きかけを強めていく考えを明らかにしました。


この中でアッバス議長は「アメリカの決定は国際社会の合意を無視するとともに、これまでの和平の努力を踏みにじり、和平交渉を仲介する役割をアメリカがみずから放棄したことを意味する。イスラエルが国際社会の決定を無視して続けている占領や入植地の政策にお墨付きを与えるものだ」と厳しく非難しました。


そのうえで「トランプ大統領が認めたからといって、エルサレムを自分たちの首都だとするイスラエルの主張が正当化されるわけではない。エルサレムはアラブ人、キリスト教徒、そしてイスラム教徒の町であり、パレスチナの永遠の首都だ」と述べて、今後もエルサレムを将来の国家樹立の際の首都と位置づけていくことを強調しました。


またアッバス議長は、今回のトランプ大統領の決断に対して何らかの対抗措置を取ることを検討していることも明らかにしました。


トルコのエルドアン大統領とヨルダンのアブドラ国王は6日、トルコの首都アンカラで会談しました。


会談後の記者会見でアブドラ国王は、トランプ大統領エルサレムイスラエルの首都と認めることについて「エルサレムイスラム教徒とキリスト教徒双方の権利を否定することであり、暴力を呼び起こす」と述べ、中東の安定を損なうと懸念を表明しました。


また、エルドアン大統領も懸念を示したうえで「アメリカはエルサレムの法的地位を変更する一歩を踏み出すべきではない」と述べ、トランプ大統領に自制を促しました。


トルコは中東とアフリカ、それにアジアの57の国と地域が加盟するOIC=イスラム協力機構の議長国で、エルドアン大統領は来週13日に最大都市イスタンブールで首脳会議を開き、対応を協議することを明らかにしました。


この問題をめぐっては、アラブ諸国で作るアラブ連盟も9日に外相級の会合を開く方針で、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にするトランプ大統領に対し、イスラム諸国が連携する動きが加速しています。