https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

それはとりもなおさず、アフリカが、この地球で最後に残された巨大市場になり、国際政治での発言力も高まることが確実視されているからです。

大きな要因が、爆発的に増える人口です。

去年のアフリカの人口は、世界全体のおよそ16%でしたが、国連の推計では、2050年にはおよそ25億人にのぼり、世界全体の4分の1を占めるまでになります。わずか30年後には、世界の4人に1人がアフリカの人になると予想されているのです。

しかも、その人口は若く、消費意欲が旺盛です。また、アフリカは、金やダイヤモンド、それに石油やレアメタルといった天然資源の宝庫で、いわば「宝の山」です。

各地で経済成長が続いていて、ナイロビでも、高層ビルの建設ラッシュが起きていました。もちろん、こうした経済成長が格差を生み、犯罪やテロ、それに紛争といった深刻な問題にもつながっています。

それでも、おしゃれをしてさっそうと行き交う若者たちを見ていると、豊かさを手に入れようとする人々のエネルギーを、もはや誰も止めることはできないように感じました。

進出競争で存在感が際立っているのが、中国です。アフリカには続々と中国人がやってきていて、南アフリカアンゴラにはそれぞれ20万人以上暮らし、アフリカ全体では100万人を超えたと言われています。

日本人は1万人にも満たないということです。

また、中国は、政治家もアフリカの重要性を理解しています。習近平国家主席は、就任以来4回もアフリカを訪問しています。

ことし7月にも、西のセネガル、東のルワンダ、南の南アフリカ、島国のモーリシャスと、まんべんなく回りました。

経済でも、今や中国はアフリカの最大の貿易相手国です。

中国メディアも力を入れていて、ナイロビにある中国国営、中国中央テレビのアフリカ取材の拠点は100人体制だということです。

さらには、巨額の資金の拠出と巨大なインフラ整備でアフリカ各国に食い込み、その影響力を確固たるものにしようとしています。

ケニア政府と中国の建設会社は、国立公園内では、線路は高架の上に敷かれ、柱はキリンも下をくぐれるだけの高さがあるので、動物への影響はないとしています。

しかし、多くの国民が詭弁(きべん)だとして反発し、自然保護団体は中国大使館に対しても抗議デモを行っています。

しかも、ここに来て、中国の巨額の融資によって、ケニアの対外債務が増え続けている問題が注目を集めています。

すでに開通した1期目の路線は運営コストを回収できず、国庫から補填(ほてん)が行われているにもかかわわらず、2期目の延伸工事ではさらなる借金が必要になっています。

そのうえ、ケニアの対外債務は500億ドルを超え、20年前の10倍以上に膨れあがったと指摘されています。

市民にマイクを向けると、中国の進出について厳しい意見が飛び出し、当初は歓迎一辺倒だった人々の受け止めは、潮目が変わっているようです。

こうした中、今月3日から4日にかけて、中国・北京で、アフリカ53か国の首脳らが一堂に会するサミット、「中国アフリカ協力フォーラム」が開かれました。ことし、中国で開催される最大規模の国際会議です。

サミットに先立って開かれた記者会見では、毎回、記者団から、アフリカの債務の問題についての質問が出て、中国政府の当局者は、「融資は経済成長に役立っていて、アフリカ各国の指導者から高く評価されている」と反論しました。

中には、声を張り上げて、感情的に反論する幹部もいたほどで、この問題を中国政府が強く意識していることがうかがえたということです。

アフリカ側も黙ってはいませんでした。

習主席とともに共同議長を務めた南アフリカのラマポーザ大統領は、演説の中で、「アフリカが1次産品(天然資源など)を輸出し、加工品を輸入する貿易の構図は改める必要がある」として、技術やノウハウの移転を進めるよう求める場面もありました。

アフリカは、強権的な指導者も目立ちますが、選挙を実施し、政権交代を経験している国も少なくなく、こうした国では、メディアも活発な政権批判をします。

英語かフランス語が公用語の国がほとんどです。そうした民主主義の土壌があるアフリカで、中国の発展モデルが浸透するのか、それとも、反発を生むのか、注目されます。

日本では、アフリカの開発や支援について協議するTICAD=アフリカ開発会議の会合が来年8月に横浜市で開かれることになっています。

前回、2016年の会合で日本が表明した支援の規模はおよそ3兆円で、中国の半分以下です。

アフリカで活動する日本の援助関係者に話を聞いても、中国のような巨大なインフラ整備は、もはやできないだろうと言います。

しかし、農村開発や人材育成など、アフリカの人々の成長につながる支援を強めることはできます。南アフリカの大学で政治学を教えるウィリアム・グメデ教授は、「日本は、民主的な社会のあり方を示すことで存在感を示せる」と話していました。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/20180904/1536058167

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180904#1536058167(旧ブログ)