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香港と中国・広東省の広州を結ぶ高速鉄道は23日に開業し、全長142キロを最短で47分で結ぶほか、香港と北京や上海など中国国内の44の駅との間を直接結ぶ列車が運行されます。

開業を前に、22日、香港に新しくできた西九龍駅で、香港政府や中国・広東省の代表が出席して記念式典が行われました。

この中で、香港の林鄭月娥行政長官は「この地域の経済や文化の交流が進むだけでなく、その先の北京などとも結ばれることで、首都圏の経済圏とこの地域一帯との結びつきが強まり、都市間の協力関係や発展の機会が広がる」と意義を強調しました。

続いて、林鄭長官は、中国側の代表らとともに特別列車に乗り込み、広州に向けて出発しました。

一方で、香港側の駅には、これまで1国2制度のもとで認められていなかった、中国本土への出入りを管理する施設が設けられ、中国政府の職員が香港側で審査にあたることから、式典会場の周辺ではこれに反対するグループが抗議活動が行い、「香港の法治が脅かされる」と訴えました。

参加した人は「ここ数年で香港に対する中央政府の影響力は急激に増しています。今回もわれわれの区域に踏み込むもので、今後さらに中央政府の関与が強まるのではないかと心配しています」と話していました。

香港と広州を結ぶ高速鉄道は、中国の高速鉄道プロジェクトの路線の一つとして2009年に工事が始まりました。

香港側の西九龍駅と中国南部・広州の広州南駅との間の全長142キロメートルを結びます。

中国側の区間は2015年までに開通し、営業が始まりましたが、香港側の26キロの区間では建設工事が続いていました。

新たに「動感号」と名付けられた列車が運行され、最高時速は香港の区域内は200キロ、中国側では350キロです。

開業によって、これまで直通列車で2時間余りかかっていた香港と広州の間は最短で47分で結ばれます。

また、香港から北京や上海など中国国内の44の駅と直接つながり、北京とはおよそ9時間、上海とはおよそ8時間で結びます。

香港側と中国側の出入りを管理する業務は、双方の税関や警察などがいずれも西九龍駅内の施設で行うほか、切符の購入には証明書の提示が求められます。

香港政府は1日当たりの利用客の見込みをおよそ8万人としています。

香港では、高速鉄道の開業で経済的な効果に期待が寄せられる一方で、中国政府の影響力がさらに強まると警戒する意見もあります。

高速鉄道の開業に伴い、香港側の西九龍駅内には中国本土への出入りを管理する施設が設けられ、中国政府の税関や警察が業務に当たることになりました。

香港では1国2制度のもと、独自の法執行が認められていますが、中国当局による「出入境審査」に対しては、「中国に香港での法執行をひとたび認めれば、今後の1国2制度の在り方に影響を与えかねない」として、たびたび抗議活動が行われてきました。

高速鉄道の影響などについて研究や意見発表を行ってきた民間団体の彭嘉林さんは、「香港の行政機関の上に、違法建築のようなより権力のあるしくみができるようなもので、香港の自治や1国2制度の本来の理念が変えられていくのではないかと心配している」と述べて、今後、中国政府が決める政策を押しつけられることが増えていくのではないかと懸念を示していました。