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シンガポールを訪問中の中国の李克強首相は、14日午前、ASEAN各国の首脳と会談しました。

会議の冒頭で李首相は、南シナ海での紛争を防ぐためのルールとして、中国とASEANが策定を目指している「行動規範」について、「ASEAN諸国とともに努力することで3年で協議を終え、行動規範を南シナ海の平和と安定を維持するものとしたい」と述べて、今後3年で取りまとめる意向を示しました。

「行動規範」をめぐっては、より実効性を高めるため、法的拘束力を持たせるかどうかが議論の焦点となっていますが、李首相はこの点には言及しませんでした。

南シナ海をめぐっては、中国が一部の国と領有権の問題を抱えたまま人工島の軍事拠点化を進めているとして、アメリカとの対立が深まっています。

中国としては、南シナ海をめぐる問題に主体的に取り組む姿勢をアピールすることで、アジアへの関与を強めるアメリカをけん制する狙いがあるとみられます。

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https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/10/200230(米中閣僚 南シナ海や台湾めぐり対立も首脳会談控え協力確認)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/07/200230ASEAN首脳会議 南シナ海での中国に「懸念」示す)

会談の中で、アメリカのペンス副大統領は、アメリカとインドそれに日本が、インド洋と太平洋で定期的に行っている合同軍事演習について、「この地域一帯の自由で開かれた海洋へのアクセスを確保するというわれわれの決意の証しだ」と述べました。

これに対し、インドのモディ首相は「自由で開かれたインド太平洋というビジョンは広く受け入れられており、このあとの東アジアサミットでも、このビジョンの実現に向けた協議をしたい」と応じました。

そして、両者は、インド太平洋地域の発展と安全保障の分野で協力を強化していくことで一致しました。

また、防衛協力のレベルを高めるため、インドがアメリカから輸入している防衛装備品の量を増やすことでも一致しました。

そのうえで、モディ首相は「インドからアジア一帯にアメリカ企業の製造した防衛装備品を供給できるよう、アメリカ企業にインドへ進出してほしい」と提案しました。

また、インドは、イラン産原油に大きく依存していますが、アメリカがイラン産原油を対象に経済制裁を発動したことを念頭に、今後はアメリカからの石油や天然ガスの輸入を増やすことに合意しました。

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https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/01/200215陸上自衛隊とインド陸軍 初の共同訓練開始)

シンガポールを訪れているアメリカのペンス副大統領は14日、ベトナムとインド、それにミャンマーインドネシアの4か国の首脳と相次いで会談を行いました。

このうち、ベトナムのフック首相との会談では、南シナ海の問題などで意見を交わし、ペンス副大統領は「インド太平洋地域が平和で安定した地域であり、航行や飛行の自由が維持され、国際法が順守される地域であることが大切だ」と述べ、南シナ海で軍事拠点化を進める中国をけん制しました。

南シナ海の問題をめぐってベトナムは、一貫して中国に対抗する姿勢を示していて、アメリカと安全保障や経済など幅広い分野で関係を強化する方針を確認しました。

また北朝鮮の核問題についても議論が行われ、ペンス副大統領はフック首相に対し、北朝鮮の完全な非核化が実現するまで圧力を緩めないという政策への協力に謝意を示しました。

ペンス副大統領は先月、アメリカ国内で行った演説で中国の海洋進出などを強く非難し、断固として対抗していく方針を示していて、15日、中国の李克強首相も出席する東アジアサミットで、どのようなやり取りが行われるか注目されます。