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シンガポールで開かれた東アジアサミットには、ASEAN東南アジア諸国連合10か国の首脳のほか、安倍総理大臣や中国の李克強首相、アメリカのペンス副大統領などが参加しました。

議長国シンガポールは16日、議長声明を発表し、中国による軍事拠点の構築が進む南シナ海をめぐる問題について「緊張を高め、信頼を損なう埋め立てなどの活動に対するいくつかの懸念に留意する」としました。

その一方で、中国がASEANと策定を目指す南シナ海での紛争防止に向けたルールづくりについて「交渉が進んでいる」と表現し、アメリカと中国が激しく対立する中、双方の立場に配慮してバランスを取った形です。

声明ではまた、北朝鮮への対応について「拉致問題の解決を含む人道上の懸念に対処する重要性を複数の首脳が強調した」と改めて拉致問題に触れたほか、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化に向けた国際的な努力への決意が示された」としています。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/16/200230ASEAN 一連の首脳会議閉幕 南シナ海問題で米中が駆け引き)

米中両国は互いに関税を上乗せし合う制裁措置を発動して激しく対立する中、今月下旬のG20サミットにあわせて、トランプ大統領習近平国家主席が首脳会談を行う見通しになっています。

トランプ大統領は16日、ホワイトハウスで記者団に対して、貿易の不均衡を是正するため中国側が講じる対応について、142項目に上る膨大なリストを送ってきたことを明らかにしました。

そのうえで「かなり完成した内容だ。現在、検討している第4弾となる追加の関税措置を課す必要はないかもしれない」と述べ、貿易摩擦の緩和に向けた合意に前向きな姿勢を示しました。

その一方でトランプ大統領は、「まだ受け入れられない。重要な項目が4つか5つ漏れている」と述べ、中国側の対応を見守る考えを示しました。

ただ、ロス商務長官は前日、「今回の首脳会談で完全な合意に達することはない」と述べ、貿易摩擦の解消には時間がかかると慎重な見方を示していて、対立の緩和に向かう糸口が見いだせるか予断を許さない状況です。

習近平主席はAPECが開かれているパプアニューギニアでアジア太平洋地域の財界人などを前に演説しました。

この中で習主席は冒頭から「今、世界には保護主義と一国主義の暗い影が覆ってきている」としたうえで、「保護主義、一国主義の古い道は世界経済の不確定性を増すだけだ」と述べて貿易摩擦で対立するアメリカの保護主義的な政策を強く批判しました。

さらに「ルールは国際社会でともに決めるべきで、誰の腕が太いか力が強いかで決めるべきではない」とアメリカへの批判を続けながらも、「対抗すれば、その先の冷戦、戦争、あるいは貿易戦争に誰も勝者はいない」と訴えて、話し合いで貿易摩擦を解決していきたい考えを示しました。

そして巨大経済圏構想「一帯一路」について、「誰かを排除するものではなく、わななどと言われるものでもない、ともに発展する光の道だ」と述べたうえで、来年4月に再び中国で一帯一路フォーラムを開く方針を示し、アジア太平洋地域全体にも広げていきたい考えを示しました。

アメリカのペンス副大統領はAPECの首脳会議に出席するために訪れているパプアニューギニアの首都、ポートモレスビーで17日、財界人などを前に演説しました。

この中でペンス副大統領は、中国が巨額の支援を通じて地域への影響力を拡大させていることを念頭に「支援は条件付きだったり膨大な債務につながったりすることがあまりにも多い」と指摘しました。

そして、「主権を脅かすような対外債務を受け入れてはならない。アメリカは相手国を債務漬けにすることはない」と述べて、中国は一部の国々を債務漬けにしていると批判し中国に対抗する姿勢を鮮明にしました。

また、ペンス副大統領は「インド太平洋地域にとってインフラ整備は最優先事項だ」と述べて、インフラ整備のために600億ドル、日本円で6兆8000億円の融資枠を設けると表明し、インド太平洋地域への関与を強めていく方針を示しました。

さらに、この地域の発展のために同盟国の日本やオーストラリアと連携していることを強調するとともに「日本とともにエネルギー分野のインフラのために100億ドルを投資する」と述べました。

一方、中国との貿易摩擦についてペンス副大統領は「中国がそのやり方を変えるまでアメリカは方法を変えない」と述べて、今後も強い態度で臨む姿勢を強調しました。

アメリカ政府関係者は、APECに出席するためパプアニューギニアを訪れているペンス副大統領が17日、APECに加盟している台湾の張忠謀代表と個別に面会したことを明らかにしました。

ペンス副大統領が財界人を前に演説したあとに面会したとみられ、対話の内容は明らかになっていませんが、中国側の反発も予想されます。

APECの台湾代表は財界人で、当局の官僚ではありませんが、台湾は中国の一部だとする中国側の考え方を尊重して、アメリカの大統領などはこれまでAPECの台湾代表と個別には会わないか、会っても発表してこなかったため、面会したことが明らかになるのは異例のことです。

台湾の代表団の関係者は「会ったことは認めるが中国側を刺激するので今のところ何も発表するつもりはない」と話しています。

APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の開幕を前に、日米豪3か国の政府は共同声明を発表し、インド太平洋での大規模なインフラ事業を実施するため、開放性や透明性などが確保された質の高いインフラ開発を推進するために協働するとしています。

共同声明によりますと、日本、アメリカ、オーストラリアの3か国の政府は、先にそれぞれの政府系金融機関などが発表した覚書を基に、インド太平洋での新しい大規模なインフラ事業を実施するため、民間の投資や資本を動員し、協働していくとしています。

また覚書に、「開放性や透明性、それに対象国の財政の持続性など、国際的なスタンダードを順守したインフラ事業を支援する」と明記していることについて、「非持続的な債務負担を避けつつ、地域のニーズを満たす一助となる」と評価しています。

そして3か国の政府は、来年、大阪で開催されるG20サミットまでに、G20のほかのメンバーと、開放性や透明性、それに債務の持続可能性などが確保された質の高いインフラ開発を推進するために協働するとしています。

このうちマレーシアのマハティール首相は、人工知能の開発などIT技術の発達によって雇用が減るおそれがあることを指摘し、新しい時代に対応した能力を身につけることができる教育の普及を急ぐ必要があるという認識を示しました。

そのうえでマハティール首相は「技術の発達がもたらす影響をどうコントロールしていくか、国際的なレベルで協力しなければならない」と訴えて雇用を守ることや新しい教育を開発し、普及させる取り組みについて各国の政府や企業が協力することを呼びかけました。

人件費の安さを生かした製造業の振興によって経済発展を続けている新興国では、IT技術の発達で雇用の在り方が大きく変わる可能性があり、各国ともそうした変化への対応が差し迫った課題となっています。