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 また、ケリー前代表取締役は「前会長から不正な指示は受けていない」とも語っているという。逮捕容疑の他に、ゴーン前会長が日産側に世界6カ国で高級住宅を無償提供させていた疑惑も浮かんでいるが、「社内の担当者が弁護士らに相談して(会計)処理しており、違法なことはしていない」とも話しているという。

 一方、別の関係者によると、19日夕方にビジネスジェット機で羽田空港に到着したゴーン前会長は、機内に乗り込んできた東京地検特捜部の係官に任意同行を求められた際、長時間にわたって容疑などの詳しい説明を要求していた。結果、機外に出るまでに数時間を要したという。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/24/200430(ゴーン前会長 退任後に約80億円支払われる計画か)

なるほど、ゴーン前会長は巨額の経済的便益を日産自動車から受けていたのであろう。しかし、巨額の経済的便益を受けていたことと有価証券報告書虚偽記載罪は何の関係もない。

これらの経済的便益が「有価証券報告書虚偽記載罪」の犯罪構成要件を満たすためには、

①問題となる経済的便益が、会計基準有価証券報告書に記載すべき事項(=犯罪事実)であり、かつ、②ゴーン前会長自身が、本件経済的便益は会計基準有価証券報告書に記載すべきものと知りながら、敢えて不記載としたという認識(=故意)

がなければならない。

有価証券報告書虚偽記載」は故意犯なので、ゴーン会長に故意が認定できなければ、本件の有価証券報告書虚偽記載罪は成立しない。

そこで、有価証券報告書における開示額の算定基準が問題とされるところ、2009年12月17日に言い渡された日債銀事件の最高栽判決における補足意見には、「有価証券報告書の一部をなす決算書類に虚偽記載があるかどうかは決算書類に用いたとする会計基準によって判断されるべき」と記載されている。

「総額1億円以上の役員ごとの連結役員報酬等の総額」は「有価証券報告書の一部をなす決算書類」そのものではないが、求められる開示額は「連結役員報酬等の総額」とされているのだから、その算定基準が会計基準にあることは自明であり、その会計基準とは連結財務諸表等規則並びに「企業内容等の開示に関する内閣府令」に他ならない。

ここで問題とされている海外の高額マンションの購入は、日産自動車が資産を買って、それをゴーン氏が専属的に使用していた、というだけのことだ。そこには損失が発生しておらず、したがってこれは会計基準上の役員報酬とはならない。

次に、オランダの海外子会社の報酬が漏れていたというような報道もあるが、日産の連結対象となるオランダの子会社は「ニッサン・インターナショナルホールディングスBV社」。その資本金は19億ユーロなので、ゴーン前会長が報酬を得ていたとされるオランダ法人なるものは、連結対象会社ではない。非連結子会社から得た役員報酬内閣府令が定める連結役員報酬に該当しない。

次に、40億円のSRSについて検討すると、SRSはストック・オプションとは異なり、基準株価からの上昇分相当額が現金として支払われる。ならば、本件SRSは、複式簿記原理に従い、必ず費用処理されていたに違いなく、それが損益計算書に計上されていたこともまた疑いの余地がない。

問題は費用処理の勘定科目が役員報酬となっていたかどうかで、この時代のSRSは税務上損金算入が認められていなかったので、役員報酬ではなく「交際費」と処理された可能性が高く、そうであれば、交際費でも役員報酬として開示しなければならないというヤヤコシイ会計基準を、ゴーン社長が認識していたかどうかにある(ゴーン前会長が日本の連結財務諸表規則や開示内閣府令などを知っているはずがない)。

家族旅行の費用を日産に付けていたという報道は、論じることさえ馬鹿馬鹿しい。

日本航空の社員は、ファーストクラスでの無償搭乗券を与えられ、この搭乗券は社員の家族が使ってもいい。だからといってこれが役員報酬だと言い張る会計人は世界のどこにも存在しない。

以上、ゴーン前会長にかけられた全ての疑惑について、ゴーン氏の無実は明白にして動かない。

ゴーン前会長逮捕後のマスコミ報道により、①本件捜査が日産側の内部通報に基づくものであったこと、②ゴーン前会長の逮捕に際しては日産側執行役員らに司法取引が適用されたこと、③日産側にはルノーとの日仏連合に関する内紛があったこと、が分かっている。

結局、これは東京地検特捜部による日産自動車の内紛に対する民事介入ではないか。

そもそも日産自動車は、1999年、2兆円の有利子負債を抱えて倒産寸前だったではないか。日産自動車が現在あるのは、ルノーが6430億円の救済資金を資本投下するとともに、ゴーン前会長を日産再建のために送ったからである。

現在の日産の株式時価総額は4兆2千億円であり、ゴーン前会長がいなければ、日産自動車は現在その存在そのものがない。

普通、M&Aの成功報酬は買収額の3~5%が相場となっている。ゴーン会長は日産自動車から2100億円(=4兆2千億円×5%)の報酬を貰って良いし、日本人はこれがグローバル・スタンダードであることを理解しなければならない。

それをたかが50億円とか100億円の役員報酬で大騒ぎして、挙句の果てにはゴーン前会長の逮捕までしてしまった。いつから日本人はこんな恩知らずになったのか。

今からでも遅くはない。東京地方裁判所は直ちにゴーン前会長の勾留命令を取消さなければならない。

金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が、東京地検特捜部の調べに対しみずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載する意図はなかったなどとして容疑を否認していることが関係者への取材でわかりました。この事件でゴーン前会長の認否が明らかになるのは初めてです。

特捜部の捜査は日産側からの情報提供がきっかけで行われましたが、日産内部ではことし3月ごろから監査役や役員などごく少数のメンバーがゴーン前会長をめぐる不透明な資金の流れについて極秘で調査を行っていたことが関係者への取材でわかりました。

関係者によりますと、このメンバーは日産が60億円を出資しゴーン前会長の海外の高級住宅を購入していたオランダの子会社の資金の流れなどに疑問を持ち、調査を進めていたということで、不正の実行役とみられる外国人の執行役員に近く日本で導入が決まっていた司法取引の制度を説明し、調査への協力を得ていたということです。

そして日産側は逮捕の半年前の6月ごろ、東京地検特捜部に相談し、調査で得たゴーン前会長のメールなどの内部資料を提出したということで、調査に協力した執行役員は特捜部との間で司法取引に合意したということです。

そして日産側からの情報提供や司法取引の合意が今月19日のゴーン前会長の逮捕に至ったということです。

NHKの取材に対し日産の関係者は「ゴーン前会長の不正の内部通報があった時期とほぼ同時に、監査役からの指摘もあり、海外の子会社の調査も行っていた」と説明しています。

-なぜ日本政府は目立って動かないのか

真山 日産はおそらく経済産業省などに報告している。フランスに国がかりでのみ込まれそうだと。ところが日本はそれができない。東京電力日本航空がそうだったように、民間に公的資金などの税金を入れると大ひんしゅくを買う。国は「自分たちで何とかしなさい」というスタンスで、その「何とか」が今回の告発だったのでは。

-日本政府がこのまま動かなかったら

真山 早めに手を打たないと本当に日仏の経済戦争になりかねない。(09、10年に北米であった)トヨタ車の大規模リコールの原因は、ほとんどが運転手の操作ミスだった。しかし、米国メディアの「車に問題あり」とする報道が先行する一方、日本政府は守ってくれなかった。今回もそうなれば、大量の税金を払って日本に本社を構える大企業が、日本から続々と離れる可能性があり、結果、日本の技術が流出する。このままの状態でフランスが株式公開買い付け(TOB)を仕掛けたら、あっという間に日産はルノーの傘下、つまり、フランスのものになるだろう。

-日本政府、日産はどうすれば良いか

真山 早く、フランス国の話なんだと広報すべきだ。日本国内に愛国心が出て来る。ルノー側の敵対的買収という見方に変わり、ホワイトナイト敵対的買収を受ける側に友好的に買収または合併する会社)が出て来る可能性もある。日本政府の介入もしやすくなる。国民生活が揺るがない限り、企業に公的資金は入れられない。しかし、実態をPRすることで「助けてあげよう」という世論になれば、政府介入のやりようが出て来る。

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