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https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/27/200210(政府 IWC脱退を米政府に通告 来年7月から商業捕鯨再開へ)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/26/200210(「明治の政変から敗戦をへてようやく実現した国民主権の戦後体制が、長州出身の首相ら明治国家を懐かしむ勢力によってむしばまれようとしている。戦後体制に問題があったとしても、明治には戻るべきではない」と西原春夫早大名誉教授)

佐藤「沖縄返還でクライマックスを迎えたので10月までに退陣するつもりです。新聞は新しい風が必要などと書いてますが、共産党社会党に政権が移るわけじゃありません。次期総理も自民党から出ますよ。候補者は福田外相と田中通産相で、党内の支持は違いますが一高から東京大学を出た福田の方が本流です。大蔵大臣もやったエリートと目され、それに対して学歴のない田中は初等教育しか受けていません。元気であるのを除けば特定の行動指針もない」(中略)

キッシンジャー「ここだけの話ですが、あなたは福田が総理になるのがベストだと?」

佐藤「その通りです」

キッシンジャー「あなたの票読みを教えて下さい」

佐藤「福田が総裁選に勝てるかは、政府と党での私の支持次第です。(後任者は)国際的に受け入れられる人物でなければいけないが、その点、福田は申し分ありません。適任者ですよ」

 当時、田中はまだ自前の派閥を持っておらず、所属はあくまで佐藤派だった。ところが、その親分の佐藤はキッシンジャーに露骨なまでの福田贔屓(びいき)を打ち明けていた。その口ぶりからは東大と大蔵省を経て政界入りしたエリート福田に対し、小学校卒でしかない田中への侮蔑すら伝わる。

 もっとも米国側も、わざわざ佐藤に言われなくても日本の権力構造を承知していたようで、同時期、国務省が作成したレポートがあった。

「日本の政治は過去四半世紀もの間、本質的に変わらぬ集団、自民党内の本流と呼ばれるグループによって支配されてきた。その指導者、すなわち吉田(茂)や岸(信介)、池田(勇人)、佐藤は全員官僚出身で各官庁や財界と密接なつながりを持ってきた」

「田中の世界観は佐藤とそう大きく変わらず保守的だが、よくわからない部分もある」

 米国の角栄ファイルを読んで気になったのは、文面にしばしば「保守本流」(conservative establishment)という言葉が登場することであった。戦後の日本の政界は、吉田茂総理とその薫陶を受けたエリート政治家が「吉田学校」と呼ばれる本流となり、それを官界や財界が縦横に取り巻き、閨閥も通じたエスタブリッシュメントを作ってきた。そこへ雪深い田舎の小学校卒の男が最高権力者に就くのはよほど異様だったらしい。

 そして、それは英国も同様だった。ロンドンの国立公文書館には明治維新から現在までの日本の政局についての膨大な外交文書が眠るが、田中内閣発足直後、駐日英国大使館が本国に送った報告がある。

 それによると自民党とは、じつは一つの政党と言うより、長老政治家や行政官、銀行家、企業経営者など日本の支配階級全体を代表する個人集団なのだという。

「吉田総理の庇護を受けた佐藤は裕福な環境で育ち、人脈にも恵まれ、東京大学で学んだ紳士の伝統的な型にぴたりと収まった。即ち、自民党を率いて日本を治めるのに相応しいと考えられる唯一のタイプだが、田中の選出により一時的にせよ、この伝統に終止符が打たれた。田中は尊敬される家柄の生まれでなく、大学教育も受けていないが大きな成功を遂げている。要するに典型的な叩き上げの人物で、それを自民党内の一部では『成り上がり』と軽蔑している」