政府はきょうにも日銀の黒田総裁を再任する人事案を国会に提示する見通しです。焦点の副総裁には日銀の雨宮理事と早大の若田部教授を充てる案を検討中。若田部氏は「リフレ派」と位置づけられています。#日銀総裁
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2018年2月15日
▶黒田氏再任、16日にも提示 副総裁に雨宮・若田部氏案https://t.co/zQih6P3sE7 pic.twitter.com/VxgPSLU5BB
リフレ派も払底してきた。若田部は学説史で、金融なんか何も知らない。 https://t.co/oVZ4tzQwS6
— 池田信夫 (@ikedanob) 2018年2月16日
若田部氏との昨年12月の日経インタビュー: https://t.co/VppRJfe5PAーー「量と質の拡大が有効な選択肢だ。たとえば年80兆円をめどとしている日銀が保有する国債の拡大を年90兆円めどに引き上げるなど、一段と積極化する。購入資産の対象を広げることも検討する価値がある」などの発言です
— 清水功哉(日本経済新聞) (@IsayaShimizu) 2018年2月16日
【速報 JUST IN 】日銀 黒田総裁を再任へ 政府が人事案 #nhk_news https://t.co/ua6gaeJc4s
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年2月16日
政府は、16日午前11時から開かれた衆参両院の議院運営委員会の理事会で国会の同意が必要な9機関27人の人事案を示し、このうち日銀の総裁については、ことし4月8日に任期満了を迎える黒田東彦総裁を再任するとしています。
黒田氏は73歳。昭和42年に当時の大蔵省に入省し、国際部門のトップである財務官を経てアジア開発銀行の総裁などを歴任しました。
そして平成25年3月に日銀総裁に就任し、異次元とも呼ばれた大規模な金融緩和を進め、史上初となるマイナス金利政策も導入しました。
しかし、日銀が目標に掲げる2%の物価上昇率の達成時期の見通しは6度も先延ばしされていて、野党側からは、金融政策の転換が必要だとして黒田総裁の交代を求める意見が出ていました。
一方で、安倍総理大臣は「黒田総裁の手腕を信頼している」として、大胆な金融緩和の着実な推進に重ねて期待を示していました。
黒田氏が再任されて5年間を大きく超えて総裁を務めることになれば、昭和31年から8年余り総裁を務めた山際正道氏以来のこととなります。
また、来月19日に任期満了を迎える、岩田規久男副総裁と中曽宏副総裁の2人の後任には、新たに早稲田大学の若田部昌澄教授と日銀の雨宮正佳理事を起用するとしています。
若田部氏は、経済理論や経済学史を研究していて、平成26年に政府が消費税率の10%への引き上げを判断する前に各界の代表などから意見を聞いた「点検会合」にも招かれ、引き上げに反対する考えを示したこともあります。
雨宮氏は、昭和54年に日銀に入ったあと企画局長などを務め、平成22年からは理事として金融政策の立案などを担当し、平成26年に異例の再任をされました。
人事案について、衆参両院の理事会では、国会に提示される前に報道されたのは情報の漏えいがあったのではないかと問題視する意見が出され、政府に対し経緯を調査して報告するよう求めました。
日銀の総裁や副総裁などの人事については、今後、衆参両院の議院運営委員会で所信の聴取と質疑が行われることになっていて、政府は、こうした手続きを経た上で、速やかに国会の同意を得たいとしています。
日銀の黒田総裁は、16日の衆議院の財務金融委員会で、再任の人事案が16日提示されるという報道もあるが、これまで5年間の金融政策をどう総括するかと問われたことに対し、「2%の物価安定目標の実現に向けて、強力な金融緩和を推進し、日本経済は大きく改善した。物価の面でもデフレではなくなっていると思うが、2%の目標の実現にはまだ距離がある。この目標を実現することは何よりも大事であると考えており、引き続き今の強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが必要だと考えている」と述べました。
黒田東彦氏は昭和42年に当時の大蔵省に入省し、主税局や国際関係の担当を経て、平成11年に国際部門のトップである財務官に就任しました。
財務官は、国際会議に財務大臣の代理として出席する資格を持ち、各国の通貨当局者と水面下での交渉を行うことから「通貨マフィア」とも呼ばれており、黒田氏は、国際金融の世界に豊富な人脈を築きました。
財務官当時は、急激な円高に歯止めをかけるため、平成11年から14年にかけて、円売り・ドル買いの市場介入を積極的に行いました。また、当時から、デフレ脱却には日銀による強力な金融緩和が必要だと主張していたことでも知られています。
平成15年の退官後、平成17年に、アジア開発銀行の8代目の総裁に就任しリーマンショックのあと、景気が急速に悪化したアジア各国に対する緊急融資などを指揮しました。
平成25年3月に日銀の総裁に就任すると、その直後、2年程度で2%の物価目標を達成させることを掲げ、市場から大量の国債を買い入れて巨額の資金を供給する大規模な金融緩和策を打ち出しました。
そして、平成26年、国債の買い入れ額をさらに増やす追加緩和に踏み切りました。その効果もあって金融市場では円安や株高が進み、マイナス圏にあった物価も、プラスに転じました。
しかし、2年がすぎても2%の物価目標は実現されず、平成28年2月には、金融機関から預かる当座預金の一部の金利をマイナスにする、初の「マイナス金利政策」に踏みだし、さらに9月には、「長期金利」と「短期金利」に誘導目標を設ける新たな枠組みを導入するなど、一貫して金融緩和を強化してきました。
それでも物価目標の達成は依然としてほど遠く、日銀は実現できる時期を6度にわたって先延ばしし、現在は、2019年度ごろとしています。
若田部昌澄氏は早稲田大学・政治経済学術院の教授を務めています。
大量の資金を市場に供給することでデフレから脱却できるという、いわゆる「リフレ派」の学者の1人とされ、デフレ脱却に向けて日銀が金融緩和を強化する必要があるという立場を取ってきました。
黒田総裁のもとでの大規模な金融緩和をめぐっては、株高をもたらしたり行き過ぎた円高を是正したりしたと評価するとともに、持続的な経済成長に向けては、金融政策だけでなくインフラ投資や教育無償化など財政措置を伴う成長戦略が重要だという考えを示していました。
平成26年11月に、消費税率の10%への引き上げについて各界の代表などから意見を聞くために開かれた政府の「点検会合」では、「消費増税はデフレ脱却と矛盾している。財政再建にとっていちばん必要なのは経済成長だ」などとして、引き上げに反対の立場の意見を表明しました。
雨宮正佳氏は62歳。
昭和54年に日銀に入り、金融政策の実務を担う企画部門に長く在籍しました。
平成13年、当時、日銀が世界に先駆けて実施した量的緩和政策の立案に深く関わり、その後の企画局長時代には世界的な金融危機、リーマンショックへの対応に当たりました。
平成22年に理事に就任、平成24年から大阪支店長を務めたあと、黒田総裁が就任する直前の平成25年3月に金融政策を担当する企画担当の理事に再び就きました。
そして、黒田総裁が「異次元」と名付けた、大規模な国債の買い入れにより市場に供給するお金の量を増やすことを柱にした、「量的・質的金融緩和」の導入に携わりました。
その後も企画担当の理事として、おととし9月には「短期金利」と「長期金利」に誘導目標を設ける「イールドカーブ・コントロール」と呼ばれる政策の立案を主導するなど、未曽有の金融緩和を進めるにあたって実務面で中心的な役割を果たしてきました。
また、金融市場の動向をめぐって財務省、金融庁、日銀の幹部が意見を交わす3者会合で日銀側の窓口になるなど、政府や民間金融機関とのパイプ役も担ってきました。
#リフレ#アベノミクス