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中東のイエメンでは、サウジアラビアなどが支援するハディ政権と、イランが支援する反政府勢力、フーシ派との間で内戦が4年以上続いています。

反政府勢力の報道官は29日、最近、サウジアラビアとの国境付近に攻勢をかけたとする軍事作戦の映像を公開し、サウジアラビアとハディ政権側の兵士など2000人以上を捕虜にしたと主張しました。

映像には、サウジアラビア兵だとする男性が拘束されている様子や、反政府勢力が奪ったとするサウジアラビア軍のものとみられる車両や兵器が映し出されています。

ただ、今回の声明に対してサウジアラビア側は反応を出していないほか、ロイター通信も、主張している内容が正しいか確認できないと伝えています。

反政府勢力はサウジアラビアの石油施設に対するドローン攻撃を行ったと主張していますが、サウジアラビアは否定するなど、双方の主張が食い違うことがたびたび起きています。

今回の反政府勢力の主張が事実だとすればサウジアラビアが反発するのは必至で、地域の緊張が一層高まるおそれが出ています。

サウジアラビアムハンマド皇太子はアメリカのCBSテレビで29日放送されたインタビューで、国内の重要な石油関連施設が攻撃を受けたことについて、「愚かな行為だということをみずから証明しただけだ」と述べてイランが攻撃に関与していると非難しました。

ただ、軍事的な対抗策は望んでおらず、イランはアメリカのトランプ大統領が呼びかける対話に応じるべきとの考えを示しました。

そのうえで、「イランを抑止するための強力な行動を取らない場合、さらなるエスカレーションが起きる可能性がある。その場合、原油価格は、想像を絶するほど高騰するだろう」と述べて、エネルギーの安定供給を確保するためには、国際社会も一致してイランに圧力をかける必要があるとの考えを強調しました。

一方、およそ1年前にサウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された事件については、計画を指示したとの疑惑について否定したうえ、「私はリーダーとしてすべての責任は取る。二度とこうしたことを起こさないためにすべての行動を取る必要がある」と述べ、監督責任があるとの考えを示しました。

ムハンマド皇太子が、石油関連施設への攻撃について、イランが関与していると非難したことについて、イラン外務省のムサビ報道官は、30日、定例の記者会見の中で「完全に根拠がない主張だ」と反論しました。

そのうえで「われわれは、イエメン国民の正当な防衛行為を支持する」と述べて、イエメンの内戦に軍事介入を続けるサウジアラビアに対し、イエメンの反政府勢力が実行したものだという考えを強調しました。

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