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ヨーロッパを訪れているトランプ大統領は12日、就任後初めてとなる公式訪問のため、イギリスに到着しました。


13日にはメイ首相と会談を行い、イランへの経済制裁の対応や、EU=ヨーロッパ連合からの離脱後を見据えた2国間の貿易協定について協議するほか、ことし3月にイギリスで起きた元スパイ暗殺未遂事件を受けて、ロシアへの対応についても意見を交わすものとみられます。


トランプ大統領としては保護主義的な政策でヨーロッパとの関係がぎくしゃくするなか、イギリスとの関係を強化するねらいがあるとみられますが、イギリスはEUからの離脱交渉をめぐって政局が混乱しているだけに、会談の成果が注目されます。


トランプ大統領はその後、エリザベス女王と初めて面会する予定です。


トランプ大統領をめぐっては、その言動が差別的だとしてイギリス国内での批判が根強く公式訪問は実現していませんでした。12日夜のメイ首相主催の夕食会の会場周辺では、トランプ大統領の訪問に抗議するデモが行われたほか、13日には国内各地で抗議デモが呼びかけられていて、混乱も予想されます。

トランプ大統領が大統領就任後、初めて招いた外国の首脳はイギリスのメイ首相で、この際、トランプ大統領も公式訪問に招待されました。


ところが、ロシアへの対応をめぐって関係改善に意欲を示すトランプ大統領に対し、メイ首相はウクライナ情勢を受けて厳しい姿勢を崩さず、両者の意見の食い違いが表面化したほか、中東などからの入国の制限措置をきっかけに、イギリス国内でトランプ大統領への反発が広がり訪問は先延ばしになっていました。


しかし、ことし3月に起きたロシアの元スパイの暗殺未遂事件で、トランプ大統領がイギリスに強い支持を示し、シリアの化学兵器使用に対する軍事攻撃でも足並みをそろえるなどして、両国関係の重要性が再確認され、今回の訪問の実現につながったと見られています。


一方で、トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を強行したことや、貿易面で保護主義的な政策を相次いで打ち出していることに、イギリス側は懸念をあらわにしていて、トランプ大統領とヨーロッパ各国の首脳との溝が深まる中、米英首脳会談でどのような成果を打ち出すのかに注目が集まっています。

トランプ大統領を迎えるイギリスのメイ首相の思惑について、王立国際問題研究所のレスリー・ビンジャムリ氏は「EU=ヨーロッパ連合からの離脱方針をめぐる圧力が高まっている時だけに『特別な関係』を改めて確認し、将来の経済関係の議論が前進することに期待を寄せているだろう」と述べました。


ただ、メイ首相とトランプ大統領との間では鉄鋼製品などへの関税措置をめぐり意見が対立しているだけに、「EUの一員として貿易摩擦への対応を模索する中で、離脱後の貿易について議論するのは極めて難しい」と具体的な成果には慎重な見方を示しました。


さらに、イギリス各地でトランプ大統領に対する抗議デモが計画されていることについて「トランプ大統領は感情的になるだろう。イギリスとしては会談そのものに加えトランプ大統領がイギリスを後にした瞬間にどのようなツイートをするかが注意が必要だ」と述べ、抗議デモによって大統領のイギリス訪問の印象が左右されかねないと指摘しました。