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中国の習近平国家主席は4日、中央軍事委員会の軍事工作会議で演説し、米国との軍事や貿易面での対立を念頭に「予測困難なリスクが増えている」との危機感を示すとともに「軍事闘争の準備をしっかりと行い、強軍事業の新局面を切り開く」よう指示した。国営中央テレビが伝えた。

 習氏は、世界情勢が転換点を迎えているとし、全軍が危機意識を高めなければならないと強調。偶発的な衝突など有事に備えるよう訴えた。

 4日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、南シナ海台湾海峡で米軍の行動が活発化すると予想、中国軍による台湾封鎖などの計画を策定すべきだと主張した。

預金準備率は、中国の金融機関が預金総額のうち中央銀行に預けなければならない額の比率のことで、引き下げると金融機関の貸し出しを増やす効果が期待されます。

中国人民銀行は4日、この預金準備率を今月15日と25日に0.5%ずつ、合わせて1%引き下げると発表しました。中国人民銀行は、こうした金融緩和策によって、8000億人民元、日本円にして12兆5000億円余りが供給され、金融機関が中小企業などへの融資に充てる資金を手厚くすることができるとしています。

中国ではアメリカとの貿易摩擦などを背景に景気の減速感が強まっていて、先月開かれた経済財政運営の基本方針を議論する中国共産党と政府の重要会議でも、民間企業の資金繰りを支援するため、金融緩和を行う方針が打ち出されていました。

貿易摩擦実体経済に与える影響も懸念される中、中国政府としては具体的な施策を速やかに実施することで、景気を下支えするねらいがあります。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2019/01/04/200230(米中貿易協議7日から北京で開催へ)

ファーウェイの孟晩舟副会長がアメリカ政府の要請を受けたカナダ当局に逮捕されて以降、休職中の外交官のマイケル・コブリグ氏と北朝鮮とのビジネスなどを行っているマイケル・スパバ氏らカナダ人3人が中国で身柄を拘束されたことが表面化し、孟副会長を逮捕したカナダへの報復措置ではないかという見方が広がっています。

カナダ外務省は4日、NHKの取材に対して、副会長が逮捕された先月1日以降、中国で身柄を拘束されたカナダ人がすでに判明している3人を含めて13人に上ることを明らかにしました。

このうち8人てはすでに釈放されたとしていますが、コブリグ氏とスパバ氏を含む5人は今も拘束が続いているとみられるということです。

一方、孟副会長は先月11日に保釈されたあと、国外逃亡しないようパスポートを取り上げられ、カナダのバンクーバーの自宅で過ごしており、アメリカ政府がいつ身柄の引き渡しをカナダ政府に正式に要請するかが今後の焦点となっています。

中国の習近平国家主席は今月2日、台湾政策について演説し、香港などで実施している「1国2制度」が最良の形だとして、統一の在り方を模索する考えを示しました。

これについて、台湾の蔡英文総統は5日、台北市内で海外の報道機関の取材に応じ「中国は、民主的な体制が不十分で、人権状況もよくなく、台湾への武力行使を放棄していないため、『1国2制度』を拒否する」と述べて、受け入れられないという考えを示しました。

そのうえで、「中国が武力行使を放棄しない中、防衛をしっかりしたものにしなければならない」と述べて、武器の自主開発を進めるなどして防衛能力を強化する考えを示しました。

そして、「台湾の防衛力強化に協力してくれる国々と共に取り組みたい」として、台湾への武器売却などを進める方針を示すアメリカに加えて、日本を含む各国との連携にも意欲を示しました。

蔡総統が、海外の報道機関だけを対象に取材に応じるのは異例で、中国が経済や外交などの分野で圧力を強めて蔡政権の孤立化をはかろうとする中、台湾の立場を訴え、国際社会の支持を取り付けたいものとみられます。

台湾の蔡英文総統は5日、総統府で外国メディアの取材に応じ、中国の習近平国家主席が2日に発表した対台湾政策の演説について「台湾の核心的な利益と衝突し、台湾人は絶対に受け入れられない」と厳しく批判した。

蔡氏は〈1〉中華民国・台湾が存在するという事実〈2〉台湾の民主体制――を「台湾の二つの核心的利益」と位置づけ、習氏の演説はこれらを無視し、破壊するものだと批判した。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2019/01/02/200230(台湾独立の動きには武力行使も辞せず 中国 習主席)

 まず、本年は後世の歴史家が大きな歴史の転換点と振り返る激動の年になると確信しています。

平成元年は1989年、ベルリンの壁が崩壊して、「冷戦の終わり」が始まった年です。ちょうど私は大学1年生で、実はベルリンの壁崩壊に感動して、外交官か国際政治学者になろうと決意したことを思い出します。そして、奇しくも平成の終わりの今、我々は、米ソから米中にプレーヤーを変えて「覇権争い」を目の当たりにしています。

 正確には、この歴史の転換が顕在化したのは少し前、2016年の英国のEU離脱にさかのぼると考えます。そして、転換の内実は、①グローバリズムへの懐疑と②米中のパワーバランスの変化による覇権争いに集約されるかと。変化というのは一晩で突如起こるものではなく、変化は少しずつ長い時間をかけて起きてきたのです。ポタポタ落ちてきた雫がある日コップ一杯に溜まって外に溢れ出して始めて気づくというようなものであり、そのコップの水から溢れた最初の1滴がEU離脱だったと思うのです。欧州で二大政党制が崩れ始め、グローバリズムの懐疑や移民排斥を主張する「極右」と呼ばれる第3政党が支持を集めていました。EU離脱は原因ではなく結果ですが、其の後の様々な変化を誘引したという意味では原因でもあります。

 さて、現在の国際政治の最大の激震地は米中関係ですが、より深刻な変化は、どの国にとっても、既存の国際秩序やルールがもはや当たり前ではなく「なんでもあり」の世界になってしまったということだと思います。みんなが守るべきと信じるルールや枠組みの力が減って「力による政治」の時代になり、従来では予期しないような変化が起きやすくなっていると感じます。第一次世界大戦と第2次世界大戦の戦間期について書いたEHカーの「危機の20年」を久々に読み返して、現在との近似性に身震いしました。それまで当たり前だと思っていたルールや秩序があっという間に変わっていく様にです。

 米国は中国に依存しない経済を作り、中国は米国に依存しない経済を作り上げることになります。