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ベネズエラでは、独裁を続けるマドゥーロ大統領に反発するグアイド国会議長が先月、暫定大統領になると宣言し、これを支持するアメリカと、マドゥーロ政権を支持する中国とロシアが対立するなど、国際社会を巻き込んで混乱が広がっています。

こうした中、ベネズエラ全土の100を超える自治体で2日、大規模な反政府デモが行われ、合わせて10万人を超える市民が参加しました。

グアイド国会議長は、首都カラカスで行われたデモで演説し「私たちは、ベネズエラ軍が反政府運動に参加してくれることを歓迎する。国を立て直すのに協力してほしい」などと述べて、軍に、マドゥーロ大統領への支持を撤回するよう訴えました。

そのうえで、今月12日に再び大規模な反政府デモを行うよう呼びかけました。12日はベネズエラの「若者の日」で、学生など若者にも反政府運動を広めるねらいがあるとみられます。

一方、マドゥーロ大統領も同じ日、首都カラカスで数万人の支持者を前に演説し、アメリカのトランプ大統領を名指しして、「ベネズエラはあなたの言うとおりにはならない。ベネズエラは自由だ」などと述べて、みずからへの支持を訴えました。

マドゥーロ大統領は強気の構えを崩していませんが、デモはベネズエラ全土へ広がりを見せていて、反政府側は、マドゥーロ大統領への退陣圧力を強めています。

一方、マドゥーロ大統領の政治的な後ろ盾ともなっている、ベネズエラ軍の将軍の1人が2日、ツイッターで暫定大統領への就任を宣言したグアイド国会議長への支持を表明しました。

支持を表明したのは、ベネズエラ空軍のフランシスコ・ジャネス将軍で、ツイッターに、「私は、独裁者のマドゥーロではなく、グアイド国会議長を大統領と認める。90%の軍関係者は、独裁者を支持していない」などとコメントや映像を投稿しました。

一方、ジャネス将軍の発言に同調するベネズエラ軍関係者の動きは今のところ、確認されていません。

ベネズエラ国内では、経済制裁を続けるアメリカなどに対する反発の声も根強く、治安維持を担い、政治的な影響力が強い軍の関係者の間で、今後、マドゥーロ大統領からの離反が広がるかどうかが焦点となります。

政治的な混乱が続くベネズエラ情勢をめぐり、アメリカのホワイトハウスで安全保障政策を担当するボルトン大統領補佐官は2日、ツイッターに投稿し、「ベネズエラ軍の最高司令部よ。今こそベネズエラの人々の側につくときだ。国のために憲法と民主主義を守るのがあなたたちの権利と責任だ」と呼びかけました。

そして、ベネズエラ軍の将軍がグアイド国会議長への支持を表明したことに言及し、「将軍に続いて、民主主義を支持する平和的なデモ隊を守るよう軍のすべてのメンバーに対して呼びかける」として、マドゥーロ大統領側から離反するよう求めました。

トランプ政権は、激しく対立してきたマドゥーロ大統領の退陣に向け、先週、国営の石油会社に制裁を科すと発表するなど圧力を強めています。

混乱が続くベネズエラ情勢で、マドゥーロ政権を認めないアメリカ側と支援するロシアや中国側のそれぞれのねらいについて、JETROアジア経済研究所の坂口安紀主任調査研究員はアメリカは、かつてベネズエラに持っていた石油関連や製造業の利権を失っており、政権が交代することによって利権を取り戻したいというねらいがあるとみられる。一方で、中国は数百億ドルに上る金をベネズエラに貸しているため中国がインフラを整備をして利益を得るというこれまでのやり方を続けたいと考えている。ロシアは石油開発に関与したり、武器を輸出したりしており、どちらの国もマドゥーロ政権が倒れたら債権が回収できず、石油産業における利権を失うのではないかという懸念を持っている」と分析しています。

そのうえで、今後の鍵を握るのはこれまで政権を支えてきた軍だとして、「中級から下級の軍人は生活に困窮し、現政権への不満をためている。軍の上層部も現政権から石油利権や政府のポストを与えられているが、アメリカによる経済制裁で石油による外貨収入がなくなれば軍人へのばらまきができなくなり、軍の支持が揺らぎ始め、マドゥーロ政権は危ない状況に陥る」と話し、軍が離反すればマドゥーロ政権の存続が危ぶまれる事態にもなり得るとの見方を示しています。

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