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タイのワチラロンコン国王の声明は8日夜、すべての放送局の番組を突然、中断した形で発表されました。

このなかでワチラロンコン国王は、姉にあたるウボンラット王女が、来月24日に行われる総選挙でタクシン元首相派の政党の首相候補になることを受け入れたことについて、「非常に不適切だ」などと批判しました。

タイでは、5年前のクーデター以降続く軍主導の暫定政権が、国内外からの民政復帰を求める声の高まりを受けて、総選挙の実施を決めました。

しかし暫定政権は軍主導の政治体制を維持しようと、あらかじめ憲法を改正して選挙制度を軍に有利になるよう変えており、クーデターを陸軍司令官として主導したプラユット暫定首相の続投が濃厚とみられていました。

こうした中、クーデターで政権を追われたタクシン派が王女を首相候補として担いだことで、構図を一変させたともみられていましたが、今回、国王みずからが王女を批判する声明を出したことで、タイの専門家からは王女の政治参加は難しくなったとの見方も出ています。

タイの総選挙は、軍が設立した政党と、タクシン派の政党を軸とした争いになるとみられていますが、王室を巻き込み混とんとした状況となっています。

来月24日に行われるタイの総選挙をめぐっては、クーデターで政権を追われたタクシン元首相派の政党が国王の姉にあたるウボンラット王女を首相候補に擁立し、プラユット暫定首相の続投が濃厚とみられていた選挙の構図を一変させたともみられていました。

しかし、ワチラロンコン国王は8日夜、王女が首相候補になることを受け入れたことを「非常に不適切だ」などと批判する声明を発表しました。

これを受けてタクシン元首相派の政党は「国王の命を受け入れる」という声明を出し、王女の擁立を事実上取りやめる方針を示しました。

立憲君主制のタイでは、通常、国王が選挙情勢に関わるような政治的な発言をすることはありません。

今回は国民の間に王女の擁立を国王も了承しているとの見方が広がりました。これに対して国王の声明は、王室は政治的に中立であるべきという原則を改めて示したものです。

タイの総選挙は軍が設立した政党とタクシン派の政党を軸とした争いになるとみられていますが、王室も巻き込んだ今回の混乱が選挙戦にどのように影響するのか不透明な状況が続きそうです。