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ロシアのプーチン大統領は18日、ウクライナのクリミア南部セバストポリ近郊に完成した火力発電所の稼働を祝う式典に出席しました。

プーチン大統領は「きょうはクリミアとロシア全土にとって特別な日だ」と述べたうえで、「新しい発電所によってクリミアでのエネルギーの安定供給が強化される」と指摘し、クリミア併合に反発するウクライナ政府からの送電が停止したことで生じる電力不足を解消できると意義を強調しました。

去年、クリミアとロシア南部を結ぶ巨大な橋を建設したのに続くもので、プーチン政権としては、インフラ整備に一層力を入れる姿勢を強調し、クリミア併合の既成事実化を進めるねらいとみられます。

クリミア併合をめぐって最新の世論調査では、ロシアにいい影響を与えたと答えた人は26%で、ロシア国民の間で、当時の熱狂的な歓迎ムードは冷めています。

クリミア併合を受けた欧米の制裁の影響で国内経済が低迷する中で、当時は80%を超えたプーチン大統領の支持率も落ち込んでいて、プーチン大統領としては、クリミア併合の成果を国民にアピールするねらいもありそうです。

ロシアによるクリミア併合のきっかけは5年前の2014年2月、ウクライナで起きた政変でロシア寄りの政権が崩壊したことでした。

クリミアはウクライナ南部に位置しながら、人口の60%以上がロシア系住民で、欧米寄りの暫定政権が発足したことに反発して2014年3月、ロシアへの編入の賛否を問う住民投票を一方的に実施。

地元の選挙管理委員会が、90%以上が賛成票を投じたと発表すると、3月18日、プーチン大統領みずから、クリミアの併合を宣言しました。

プーチン大統領は当初、併合は「住民投票の結果だ」としてきましたが、その1年後になって当時クリミアにロシア軍の特殊部隊を派遣していたことを明らかにし、それまでの説明を覆して、軍事力を背景に併合を実現させたことを認めました。

ロシアにとってクリミアは、旧ソビエト時代から海軍の司令部を置く地政学的な要衝で、併合のあとは最新鋭の地対空ミサイル、S400を配備したほか、艦船や航空戦力を増強して軍事演習を繰り返し、防衛力を高めてきました。

また、クリミアとロシア南部を結ぶ全長19キロの自動車道路を建設したり、発電所や鉄道といったインフラ開発を進めたりしてクリミアはロシア領になったと主張するための既成事実化を進めてきました。

しかしウクライナ政府を支持する欧米や日本は「力を背景にした現状変更の試みは認められない」としてロシアをG8=主要8か国から排除したほか、ロシアへの経済制裁を続け、圧力を強めます。

ロシアも食料品などの輸入禁止の対抗措置をとり、クリミア併合は、兄弟国家と呼ばれたロシアとウクライナの関係を断絶しただけでなく、欧米とロシアの対立が「新冷戦」と呼ばれるほど先鋭化する、歴史的な転換点になりました。

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