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日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)は、オマーンの販売代理店に日産から支出させた資金の一部を、みずからが実質的に保有するレバノンペーパーカンパニーに還流させていたとして今月4日、特別背任の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。

このペーパーカンパニーからは、前会長の息子のアンソニー氏が経営するアメリカの投資関連会社「ショーグン・インベストメンツ」におよそ30億円が送金されていましたが、こうした資金がアメリカのシステム開発ベンチャー企業など、少なくとも30社への投資に充てられていたことが関係者への取材で新たにわかりました。

特捜部は、こうした投資がゴーン前会長の意向で行われ、前会長が日産の資金を個人的な投資に充てていた疑いもあるとみていて、勾留期限の今月22日にも特別背任の罪で追起訴するものとみられます。

またアメリカの司法当局に捜査共助を求め、アンソニー氏からも事情を聴く方向で検討を進めています。

関係者によりますと、前会長は容疑を全面的に否認しているということです。

 韓国の自動車メーカー、ヒュンダイは、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者の側近とされたホセ・ムニョス氏をCOO=最高執行責任者に迎える人事を発表しました。

 ヒュンダイは18日、ムニョス氏が来月1日付でCOOに就任すると発表しました。北米ヒュンダイのトップも兼務し、アメリカ市場全般のかじ取りを行います。ムニョス氏は日産自動車執行役員を務めていて、ゴーン容疑者の側近とされていましたが、ゴーン容疑者の逮捕後の今年1月に辞任を申し出て受理されていました。

 ヒュンダイは「ムニョス氏の自動車業界における長年の経験と知識は、この会社を1つ上の段階へと導くという新たな役職においても発揮されるでしょう」とコメントしています。

会社によりますと、日産は、火災で甚大な被害が出たノートルダム大聖堂の再建に役立ててもらおうと、10万ユーロ、日本円で1200万円余りをフランスの文化遺産財団を通じて寄付することを決めました。

フランスのルノーと20年にわたって連合を組んでいることが背景で、日産は「ルノー社員やフランス国民の心情に心を寄せ、寺院の再建に貢献したいという考えに至った」としています。

今回の火災では、フランス内外で寄付の動きが広がっていて、カルロス・ゴーン前会長をめぐる事件のあと、ルノーとの間で新たな連携の在り方を模索する日産も、支援に名乗りを上げた形です。

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