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日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)は、オマーンの販売代理店に日産から支出させた資金の一部をみずからに還流させ、5億6000万円余りの損害を与えたとして今月4日、特別背任の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。

関係者によりますと、オマーンの販売代理店には7年前から、「CEOリザーブ」と呼ばれる日産の予備費から、販売実績などに応じた奨励金として、日産から多額の資金が支払われていましたが、その金額は一部の年を除いて、毎年およそ500万ドルだったことが関係者への取材でわかりました。

奨励金は、石油価格の暴落で代理店の業績が悪化した年にもほぼ同額が支払われていたということで、日産の関係者は特捜部の調べに対し「代理店への支払いは、ゴーン前会長の指示で金額だけが先に決められ、支出の理由は後付けで考えていた」と説明しているということです。

関係者によりますと、日産はこのうち直近2年間の支出について21日までに、特別背任の疑いでゴーン前会長を刑事告訴したということで、特捜部は勾留期限の22日にも前会長を追起訴するものとみられます。

一方、ゴーン前会長は容疑を全面的に否認し、弁護士は追起訴されれば直ちに保釈を請求する方針で、裁判所の判断が注目されます。

「あってはならない暴挙だ」4回にわたってゴーン前会長を逮捕した特捜部の捜査を厳しく批判する前会長の弁護団は、これまであらゆる法的手段を使って特捜部の捜査に徹底抗戦してきました。

1 黙秘

その1つが「黙秘」です。「黙秘権」は容疑者が取り調べに対してみずからに不利益な供述を拒否する権利で、憲法でも認められています。関係者によりますと、ゴーン前会長は去年11月の最初の逮捕以降、ことし1月の3回目の起訴までは特捜部の調べに対し、積極的にみずからの主張を述べていました。

しかし、ことし2月から弁護を担当した新たな弁護団は今月4日の4回目の逮捕について「ゴーン前会長に不当な圧力をかけ、屈服させることをねらったものだ」として猛反発。4回目の逮捕以降はこれまでの対応を一変させ、前会長に黙秘するようアドバイスしたということです。

弁護団の1人で黙秘をアドバイスする弁護士グループの設立者としても知られている高野隆弁護士は、みずからのブログで今月8日に送付した東京地検の検事正宛ての申し入れ書を公開しました。

それによりますと、ゴーン前会長が供述を拒否しているのに特捜部の取り調べは連日2時間以上続いているとしたうえで、「前会長が『時間のむだではないか』と抗議しているのに検事は話題を変えるなどして質問を繰り返している」と主張。そして「供述するよう執ように説得すること自体が黙秘権の侵害だ」として取り調べの中止を求めました。

2 押収を厳しく批判

弁護団は今月4日の再逮捕の際に特捜部が保釈後の住居を捜索し妻のキャロルさんの携帯電話やパスポート、住居の監視カメラなどを押収したことも厳しく批判しています。中でも裁判に向けて準備した書類などが検察に押収されたことを問題視し「防御権の侵害だ。文明国としてあってはならない暴挙だ」として押収の取り消しを求めて裁判所に準抗告しました。

関係者によりますと、押収された妻のパスポートなど一部は返却されましたが、裁判所は今月16日に準抗告を退ける決定をしていて、弁護団はさらに最高裁判所に特別抗告し争う方針です。

3 勾留にも徹底抗戦

弁護団は裁判所が認めたゴーン前会長の勾留についても再三にわたって反発しました。今月5日に裁判所が10日間の勾留を認めると弁護団は逃亡や証拠隠滅のおそれはなく決定は不当だとしてすぐに準抗告

それが退けられると今月10日には「証拠隠滅の現実的な可能性が示されていない」として最高裁判例違反を理由に特別抗告しました。

そして今月12日に裁判所が8日間の勾留の延長を認めるとさらに準抗告・特別抗告し「ゴーン前会長はすでに長期間身柄を拘束されており勾留の延長は必要ない」などとして徹底的に抗戦しました。

4 司法手続き以外にも

また司法手続き以外でも、弁護団は勾留や捜査の不当性へのアピールを続けています。

今月9日には日本外国特派員協会で会見を開き、再逮捕される前に撮影されたゴーン前会長のビデオメッセージを公開。この中で、前会長は、「私にかけられているすべての嫌疑について、私は無実です」と述べ国際世論に向けて身柄拘束の不当性を改めて訴えました。そして事件については「『陰謀』『謀略』『中傷』だ」と述べ日産の独立性が脅かされることに脅威を感じた日産の数名の幹部が仕掛けた陰謀だと主張しました。

また、弁護団の高野弁護士はみずからのブログを頻繁に更新し裁判所に行った抗告や検察への申し入れ書などの詳しい内容を次々に公開していました。

元検事「徹底抗戦の成否は証拠次第」

ゴーン前会長の弁護団があらゆる法的手段で徹底抗戦していることについて元検事の高井康行弁護士は「弁護士の中には否認しても起訴されるのなら認める方がよいと容疑者に認めるよう勧める人がいる一方、黙秘も異議申し立ても権利があるのだから行使するのが当然だと考える人たちもいて、弁護活動の1つの在り方だと思う」と述べました。

そのうえで「十分な証拠を握っていれば検察側は痛くもかゆくもなく、被告の情状が悪くなるだけだが証拠が少なければ検察側は裁判で苦労することになる。こうした弁護方針が功を奏すかどうかは検察側がどの程度の証拠を握っているかにかかっている」と指摘しました。

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