【吉本幹部が辞めぬ裏に政権の闇か】
— BLOGOS編集部 (@ld_blogos) August 1, 2019
“有力政治家との親密な関係や、直接的・間接的に多額の税金が入ってくる国家の事業との関係があります。まさにワンマン経営で権力との関係を作ってきたので、大崎会長と岡本社長以外には、そうした事業を継続することができないんです。”https://t.co/9fNWhosRG2
辞められない理由を、なぜはっきり言えないのか。何か言えない事情でもあるのか。実は、そこに潜む「深い闇」こそ、今回の吉本問題の核心なのだ。
岡本社長会見後のことだ。大崎会長は、意外な人物と会っていたのではないかといわれている。安倍政権の最重要閣僚である菅義偉官房長官(70才)だ。当代一の“権力者”が、渦中の人と何を話したのか。
「一連の吉本騒動について、極秘のヒアリングをしたようなんです。(菅事務所は会談を否定)菅さんは吉本興業に怒り心頭だそうですよ。“こんな大切な時期に大変なことをしてくれたな”と」(自民党関係者)
こんな大切な時期に──その菅氏の恨み節は、たとえば、こんな場面でわかるはずだ。
対米関係を重視する安倍政権にとって、沖縄県の辺野古基地移設は最重要課題である。辺野古湾への強引な埋め立てばかりが注目されるなか、安倍首相が地元の反感の目先を変えるために持ち出したのが、“夢が膨らむような普天間基地跡地の再利用計画”だった。
『フライデー』が最初に「闇営業」問題を報じた2週間後の6月20日、「基地跡地の未来に関する懇談会」の初会合が行われた。会合には、渦中の大崎会長が出席し、こうぶち上げたという。
「(沖縄を)エンターテイメントやスポーツで世界一の島にする」
前出の自民党関係者が言う。
「大崎会長は、安倍総理のブレーンとなって、沖縄の基地移設反対の県民感情を“目くらまし”しようとした。安倍政権の沖縄政策の“先兵”として動いたわけです。吉本は、すでに日本の対米外交にまでかかわるような“国家的存在”になっている。それなのに、反社会的勢力との訣別をするどころか、その企業体質そのものが“ブラック”。それでは、総理や菅官房長官が怒るのも、無理はありませんよ」
吉本問題に関する怒涛の報道のなかで、世間は安倍政権と吉本の「近すぎる距離」に目を向けつつある。
「吉本が公共事業などを請け負うことで、間接的にではありますが、驚くほど多額の税金が還流しているんです」(全国紙政治部記者)
その代表的な例が、2013年に政府が約586億円を出資して設立した官民ファンドの「クールジャパン機構」だ。
すでに2014年と2018年の2度にわたって、同機構は計22億円を吉本がかかわる事業に出資。今年2月には、同機構と吉本が共同出資する会社が運営する「クールジャパンパーク大阪」が大阪城公園内にオープンした。
「さらに今年4月には、吉本とNTTが共同で『遊びと学び』をコンセプトとする教育コンテンツ配信事業を開始すると発表しました。この事業には、クールジャパン機構から最大100億円もの公金が投入されます」(前出・全国紙政治部記者)
吉本興業が国と連携する取り組みは、クールジャパン以外にも数多くある。経産省、内閣府、法務省、外務省、国交省、消費者庁、国際連合とも関係がある(あった)のだ。とにかく、吉本は“大阪商人”らしい商魂を発揮して権力に食い込み、「儲かってまっせ」な状況なのだ。
権力者の“ヨイショ”もお手のものだ。今年4月20日、吉本の大阪の本拠地「なんばグランド花月」で名物・吉本新喜劇に、安倍首相を出演させた。
「安倍首相は舞台上で『ホンマに本物』と自己紹介して満面の笑みでしたよ。名目は、6月の大阪で開かれるG20首脳会議での交通規制への協力の要請でしたが、実際には安倍首相への“接待”に近かった。
後日、首相からの“接待返し”とばかりに、6月6日、西川きよし(73才)ら吉本新喜劇のメンバーが公邸に招かれて、安倍首相と会食しました。その日はちょうど、闇営業問題でカラテカの入江慎也(42才)が解雇された日でした」(前出・全国紙政治部記者)
吉本最高幹部らが、ダウンタウン松本人志の元マネジャーで固められ、近い関係であることは多数報じられているが、その松本も安倍首相と親密だ。
安倍首相は2016年5月1日放送の『ワイドナショー』に出演。翌年12月5日には松本に東野幸治、指原莉乃(26才)ら同番組の出演メンバーと都内の焼き肉店で会食した。
「吉本の所属芸人は、安倍政権に近い知識人などに批判的な言動をすると、経営幹部から注意されるそうです」(前出・全国紙政治部記者)
今年3月に放送された『AbemaPrime』(AbemaTV)では、ウーマンラッシュアワーの村本大輔(38才)が安倍批判の発言をストップするよう、藤原寛副社長から“圧力”をかけられていたことを暴露している。
大崎会長や岡本社長が、これだけの騒動になっても辞任できない理由は、その辺りの“政治権力との距離”にあるようだ。
「芝居小屋でお笑いをやっていた会社を、総合エンターテイメント企業、笑いの総合商社に成長させたのは、紛れもなく大崎会長や岡本社長の手腕です。その豪腕の背景には、そうした有力政治家との親密な関係や、直接的・間接的に多額の税金が入ってくる国家の事業との関係があります。
まさにワンマン経営で、権力との関係を作ってきたので、大崎会長と岡本社長以外には、そうした事業を継続することができないんです。だから、会長も社長も辞めることができないんでしょう」(吉本関係者)
何よりも、「お笑い」を本業とする会社がここまで政権とベッタリなことに、違和感を持つ人は多い。
「本来、お笑いとは権力や権力に固執する人を笑い飛ばすパワーを持つものです。行政や政治と近すぎる吉本は、笑いの原点を忘れたと言われても仕方ありません。この状態では吉本に自浄作用は期待できず、芸人を見ても笑うに笑えないという声をよく耳にします」(前出・吉本関係者)
焦ったのは、安倍官邸だ。沖縄の基地問題でも、クールジャパン機構でも、吉本興業を使ってきた落とし前はどうつけるのか。
ビートたけし(72才)はお笑い芸人を「猿回しの猿」にたとえて、「猿が人に噛みついたら、飼い主が謝るのが道理」と指摘した。たしかに芸人を束ねる会長や社長らも謝るべきだろう。だが、そんな「吉本興業という巨大な猿」を飼ってきた安倍政権も、しらばっくれている場合じゃないはずだ。
【吉本幹部が辞めぬ裏に政権の闇か】
— BLOGOS編集部 (@ld_blogos) 2019年8月1日
“有力政治家との親密な関係や、直接的・間接的に多額の税金が入ってくる国家の事業との関係があります。まさにワンマン経営で権力との関係を作ってきたので、大崎会長と岡本社長以外には、そうした事業を継続することができないんです。”https://t.co/9fNWhosRG2
反社会勢力にギャラをもらって出演していた闇営業問題が発覚、その当事者である雨上がり決死隊・宮迫博之とロンドンブーツ1号2号・田村亮による謝罪記者会見で岡本昭彦・吉本興業社長のパワハラ発言が明らかになった。この2日後に岡本社長のグダグダ会見が行われたが、そのなかで浮かび上がったのが、いずれも元ダウンタウンの元マネージャーである大崎洋・会長と岡本社長、松本人志が吉本興業内で持つパワーの強さだ。
そして、現在の松本―大崎ラインが確立されるまでには、吉本をめぐる不祥事が大きく作用したことも見逃せない。
2007年、当時副社長だった大崎氏が元暴力団幹部に「創業家である林家を経営に入れろ」と脅迫されるという事件をきっかけにお家騒動が勃発。林家と対立していた特別顧問のベテラン芸人・中田カウスが、週刊誌上で暴力団との関係を告発し合う暴露合戦を展開。これを機にカウスは特別顧問を離れ、林家もまた経営への影響力を失った。
2011年には島田紳助が暴力団幹部との交際発覚で引退。こうしてスキャンダルが起きるたび、松本―大崎ラインの対抗軸がなくなっていったのだ。
「紳助は松本が唯一尊敬する先輩で、(明石家)さんまとも同期の親友だった。紳助がいれば、今回の件でもうまく連携して動けたかもしれないが、松本とさんまはほとんど交流がないため、どうしてもバラバラの動きになってしまう」(在阪の芸能記者)
大物芸人の動向に右往左往する中堅・駆け出しも含め、もはや吉本全体が“笑い”を忘れつつあるようにも見える。
若手時代を吉本興業で過ごし、独立後に1980年代の漫才ブームで大ブレイク、その後1996年に吉本へ復帰し、2007年に再度離脱している島田洋七は、そんな後輩にこう助言を送る。
「嫌われたって強ければ横綱なるやん。会社のことばっか気にするより、もっと真剣に芸磨けよ」
でないとこの序列は一生変わらない。
グダグダ会見で脚光の吉本「 #岡本社長 」とAKS「村松元取締役」驚くべき共通点はhttps://t.co/q0bctcY9KC
— デイリー新潮 (@dailyshincho) 2019年8月1日
岡本社長は元マネージャー、松村さんは元ディレクター。岡本社長はダウンタウン、松村さんはとんねるずに可愛がられ、黒子であるにもかかわらず番組に出演した“スタッフタレント”としても有名
#紳助-松本ライン
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